台湾法人は、設立したあとも毎年の固定費がかかります。設立費用(一度だけ)とは分けて、維持費(毎年)を見積もっておきましょう。設立時の費用は設立費用・資本金・期間を参照してください。
維持費の内訳
| 項目 | 内容 | 見積もり方 |
|---|---|---|
| 事務所・登記住所 | 賃料、またはビジネスセンター | 物件・サービスの見積もり |
| 会計・記帳 | 記帳、2か月ごとの営業税申告 | 会計事務所の見積もり → 会計と記帳 |
| 年次の税務申告 | 法人所得税申告 | 会計事務所の見積もり → 法人税 |
| 人件費 | 給与、保険、退職金 | → 人件費 |
| 駐在者関連 | 就労許可・居留の更新、住居 | → 就労と居留 |
| 銀行 | 送金手数料、口座維持 | 銀行に確認 |
| システム | 電子発票、会計ソフト、通信 | → 統一発票 |
| その他 | 保険、翻訳、専門家相談 |
2つのパターンで試算
- 従業員なし(代表者のみ、売上前):住所・会計・税務・銀行が中心
- 従業員あり:上記に人件費・保険・労務管理が加わる
売上前の運転資金
売上が立つまでの期間(自社の想定)×月額固定費で、必要な運転資金を出しましょう。
見積もりのルール
- 見積もりは日付と出典をつけて記録
- 為替レートは使った日付を記録
- 年1回見直す
維持費に関係する主な法定の義務
維持費の中には、法律で決まっている義務から生まれるものがあります。金額は会社ごとに違いますが、どんな作業が毎年・毎月発生するかは条文から確認できます(条文の要約です)。
| 義務 | 根拠 | 維持費への影響 |
|---|---|---|
| 営業税の申告(原則2か月ごと) | 営業税法第35条 | 年6回の申告作業。会計事務所に頼む場合の費用 |
| 法人所得税の年次申告(毎年5月1日〜5月31日) | 所得税法第71条 | 決算と申告の作業費用 |
| 源泉徴収と申告 | 所得税法第92条 | 給与や報酬を払う場合の作業 |
| 労工退休金の積立(雇用主は賃金の6%以上) | 労工退休金条例第14条 | 従業員がいる場合の人件費の一部 |
| 帳簿・証憑の保存 | 税捐稽徴機関管理営利事業会計帳簿憑証辦法 | 保管場所やシステムの費用 |
詳しくは年次コンプライアンスを参照してください。
人件費の見積もりで忘れやすいもの
- 基本工資:勞動部が公表している月額の基本工資(最低賃金)は29,500台湾ドルです。改定されることがあるため、見積もりの際は最新の金額を確認しましょう。
- 退職金の積立:雇用主は、労工退休金条例第14条により、賃金の6%以上を積み立てる必要があります。
- 労働保険・健康保険の雇用主負担:負担の割合は本稿では確認していません(未確認)。勞動部・衛生福利部の情報で確認してください。
- 年末賞与や残業代:社内の制度や働き方によって変わります → 年末賞与・給与計算
見積もりシートの作り方(例)
| 項目 | 月額 | 年額 | 見積もりの出典 | 取得日 |
|---|---|---|---|---|
| 事務所・登記住所 | ||||
| 会計・記帳 | ||||
| 年次の税務申告 | ||||
| 給与 | ||||
| 保険・退職金 | ||||
| 銀行手数料 | ||||
| システム・通信 | ||||
| 専門家への相談 | ||||
| 合計 |
金額は、実際に取った見積もりだけを記入し、推測で埋めないようにしましょう。空欄は「未確認」と書いておくと、あとで見直しやすくなります。
費用を見直すときのポイント
- 会計事務所の見積もりは、記帳の件数、発票の枚数、従業員の数などで変わることがあります。見積もりの前提条件を確認しましょう。
- 事務所は、ビジネスセンターから始めて、従業員が増えたら移る方法もあります → オフィス
- 為替の変動は、日本円で見た維持費に影響します → 為替リスク
よくある質問
Q. 売上がなくても申告は必要ですか? A. 申告の義務の扱いは会計事務所に確認しましょう。売上がない期間も、記帳や申告の作業が発生する可能性があります。
Q. 維持費を減らす方法はありますか? A. 業務の一部を本社で行う、ビジネスセンターを使うなどの方法が考えられます。ただし、法定の義務は省けないため、専門家と相談して決めましょう。
年間カレンダーで作業を把握する(例)
維持費を見積もるときは、どの月にどんな作業があるかを並べると、会計事務所の作業量や社内の担当者の負担がつかみやすくなります。
| 時期 | 主な作業 | 根拠・参照 |
|---|---|---|
| 奇数月 | 前の2か月分の営業税の申告 | 営業税法第35条 |
| 毎月 | 給与の支払い、退職金の積立 | 労工退休金条例第14条 |
| 5月 | 前年度の法人所得税の申告 | 所得税法第71条 |
| 年1回 | 株主総会などの会社の手続き | 株主総会 |
| 随時 | 就労許可・居留の更新 | 居留証 |
営業税の申告の時期や、会社の規模による違いは、会計事務所に確認しましょう。
見積もりを取るときに伝えたいこと
- 予定している従業員の数と、日本からの駐在者の有無
- 1か月に発行する発票のおおよその枚数
- 取引の通貨(台湾ドル、日本円など)
- 日本本社への報告の頻度と形式(日本語の月次報告が必要かなど)
条件をそろえて複数の事務所から見積もりを取ると、比べやすくなります → 専門家の比較
関連ガイド
参考資料
- ジェトロ「台湾 税制」https://www.jetro.go.jp/world/asia/tw/invest_04.html (閲覧日 2026-10-23)
- ジェトロ「台湾 外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用」https://www.jetro.go.jp/world/asia/tw/invest_05.html (閲覧日 2026-10-23)
- 全國法規資料庫「營業稅法」第35條、「所得稅法」第71、92條、「勞工退休金條例」第14條 https://law.moj.gov.tw/ (閲覧日 2026-10-23)
- 勞動部「基本工資」https://www.mol.gov.tw/ (閲覧日 2026-10-23)
內部編輯附錄
不寫報價數字(未取得有日期的實際報價)。已加法定義務表(營業稅§35、所得稅§71,92、勞退§14、基本工資29,500);勞健保雇主負擔比例未確認。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。