「台湾に会社を作れば、自分もそのまま台湾で働ける」と考えがちですが、実際は会社の設立と外国人本人の就労・在留は別の手続きです。この3つを分けて考えると、準備の順番が見えてきます。
3つの段階
| 段階 | 何を得るか | 主な窓口 |
|---|---|---|
| ① 投資・会社設立 | 投資許可、会社登記 | 経済部(投資審議担当)、登記機関 |
| ② 就業許可(工作許可) | 台湾で働く許可 | 労働部 労働力発展署(オンライン申請) |
| ③ 居留ビザ・居留証(ARC) | 台湾に住む資格 | 外交部領事事務局、内政部移民署 |
② 就業許可のポイント
- 外国人が台湾で就業する場合、有償・無償にかかわらず、原則として労働部の許可が必要です
- 外国人投資で設立した事業の「主管業務(管理職)」として働く類型(B00)があります。会社の規模や役職、給与などの要件を満たす必要があります
- 申請は原則として雇用主(設立した会社)がオンラインで行い、書類が揃い要件を満たす場合は受理後おおむね7営業日とされています
- 許可なく就業すると、3万〜15万台湾元の過料と台湾域外退去の対象になります(就業服務法第68条)
その他の選択肢
- 起業家ビザ(創業家簽證):一定の条件で、起業家本人として在留する制度 → 起業家ビザ(就労には別途許可が必要な点に注意)
- 就業ゴールドカード:就業許可・居留ビザ・居留証・再入国許可を一枚にまとめた制度(特定分野の専門人材が対象)
順番の例(現地法人の代表として働く場合)
次にすること
「誰が・どの役職で・どの給与で働くか」を決め、要件を労働部の最新の案内で確認したうえで、専門家に相談しましょう。
法令で確認できる3段階の根拠
ここでは「会社を作る」「働く」「住む」の3段階を、全国法規資料庫の条文で確認できる範囲で整理します。個別のケースで許可を受けられるかは、労働部や移民署の審査によります。
① 投資:外国人投資条例
外國人投資條例(外国人投資条例)では、外国人に外国法人も含みます(第3条)。同条例でいう投資は、次の3つです(第4条)。
- 台湾の会社の株式や出資持分を持つこと
- 台湾に支店、独資、合夥事業を設けること
- これらの事業に1年以上の貸付けをすること
投資する人は、投資申請書に投資計画と関係書類を添えて主管機関に申請し、許可を受けます。主管機関は、手続きがそろってから1か月以内(他の機関の権限にかかわる場合は2か月以内)に審査を終えることになっています(第8条)。この許可は「事業への出資」に対するもので、出資した本人が台湾で働けるかどうかは別に判断されます。
② 就労:就業服務法
就業服務法(就業サービス法)第43条は、法律に別の定めがある場合を除き、外国人は雇用主が申請して許可を受けなければ台湾で働けないと定めています。第46条は、雇用主が外国人を雇える仕事を列挙しています。その中に「専門的または技術的な仕事」と並んで「政府の許可を受けて投資・設立した事業の主管」が含まれています。現地法人の代表や管理職として働く場合は、この類型にあたるかを確認するのが出発点です。
第48条は、許可が不要な場合として、台湾に戸籍のある国民と結婚して居留許可を受けた外国人などを挙げています。許可を受けずに働いた場合の罰則(第68条)もあり、「無給の手伝いなら大丈夫」と自己判断しないことが大切です。
③ 居住:居留証と更新
就業許可などを根拠に居留する場合は、入国後に外僑居留證(居留証)を申請します。入出國及移民法の規定では、入国の翌日から30日以内に申請し、居留期間は最長3年です。期間の延長には、移民法第31条などの手続きがあります。居留の根拠が就業許可である場合、許可の期間や雇用関係が変われば居留にも影響するため、更新の時期をそろえて管理します。
代替ルート
専門人材向けの就業金卡(ゴールドカード)は、就労許可・居留ビザ・外僑居留證・再入国許可を一体にした制度で、許可期間は1〜3年です(外国専業人材延攬及僱用法)。起業家ビザの要件は起業家ビザで扱っています。どちらも、会社の設立とは別の審査です。
段階ごとのチェックリスト
条文から読み取れる「誰が申請するか」「何に対する許可か」を表にしました。
| 段階 | 申請する人 | 許可・登録の対象 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 投資 | 投資する人(日本法人や個人) | 出資・支店設置などの投資計画 | 外國人投資條例第8条 |
| 会社 | 会社(設立の手続きをする人) | 会社の設立登記・資本の査核 | 公司法第7条 |
| 就労 | 雇用主(台湾の会社など) | 外国人を雇って働かせること | 就業服務法第43条・第46条 |
| 居住 | 本人 | 外僑居留證 | 入出國及移民法 |
表を見ると、就労許可は本人ではなく雇用主が申請する仕組みだと分かります。現地法人の代表者自身が働く場合も、会社を雇用主として申請書類を整えるのが基本です。
よくある順番の勘違い
- 会社登記が終われば居留証が出る → 居留の根拠になるのは、就労許可などの在留目的です。
- 投資許可で就労も認められる → 投資許可の対象は投資計画で、就労は就業服務法で別に許可を受けます。
- 短期滞在中なら少し働いてもよい → 第43条は、有償か無償かで区別していません。滞在中の活動が「工作」にあたるかは、事前に確認します。ジェトロも、外国人が台湾で就業する場合は有償・無償にかかわらず、原則として労働部への許可申請が必要だと説明しています。
- 居留証は一度取れば安心 → 居留期間は最長3年で、就労許可の期間や雇用関係が変われば手続きが必要です。
関連ガイド
参考資料
- ジェトロ「台湾 外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用」https://www.jetro.go.jp/world/asia/tw/invest_05.html (閲覧日 2026-10-23:許可原則、B00、7営業日、過料3〜15万元、ゴールドカード)
- 法務部全国法規資料庫「外国人從事就業服務法第四十六條第一項第一款至第六款工作資格及審查標準」(B00要件の原文確認先、未照合)
- 全国法規資料庫「外國人投資條例」第3条・第4条・第8条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=J0040002 (閲覧日 2026-10-23)
- 全国法規資料庫「就業服務法」第43条・第46条・第48条・第68条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=N0090001 (閲覧日 2026-10-23)
- 全国法規資料庫「入出國及移民法」第22条・第31条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=D0080132 (閲覧日 2026-10-23)
- 全国法規資料庫「公司法」第7条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=J0080001 (閲覧日 2026-10-23)
內部編輯附錄
B00 具體資格(公司營業額/投資額、薪資門檻)未寫數字→待查原文。與 B06(ビザ)分工:B06=簽證類型總覽,B07=設立後就業流程。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。