どこで為替が影響するか

  • 日本からの仕入(円建て・台湾ドル建て)
  • 台湾での販売価格 → 価格設定
  • 資本金の送金 → 送金
  • 配当・ロイヤルティの送金 → 配当

一般的な備え方

  • 取引通貨を決める(誰がリスクを負うか)
  • 為替が一定以上動いたら価格を見直すルール
  • 銀行の為替予約などの利用(銀行に相談)
  • 見積もり・予算に使うレートと日付を記録

台湾の外貨規制の基本(外匯收支或交易申報辦法)

台湾では、外貨と台湾ドル(新台幣)を交換すること(結匯)について、中央銀行の「外匯收支或交易申報辦法」で申報のルールが決まっています。為替リスクの対策を考える前に、まず送金の手続きの流れを知っておきましょう。

申報書を出せばすぐに結匯できる取引(第4条)

第4条では、次のような取引について、申報書を記入すれば、そのまま台湾ドルの結匯を申報できるとしています。

  • 貨物の輸出や、非居住者へのサービス提供による収入
  • 貨物の輸入や、非居住者からのサービスに対する支払い
  • 会社・行号の、年間累計の結購・結售額が一定の金額以内の送金
  • 非居住者の、1回あたり10万米ドル相当以下の結購・結售

貿易代金(輸出入やサービスの代金)は、年間の累計額に含まれません。日本の本社との仕入代金の支払いは、この扱いになると考えられます。個々の取引がどれに当たるかは、取引銀行に確認してください。

年間累計額の上限

条文では、会社・行号の年間累計額の上限を5,000万米ドル相当としています。一方で第7条では、中央銀行が経済・金融の状況に応じてこの金額を調整できるとしています。中央銀行は2024年10月30日の新聞稿で、会社・行号の上限を1億米ドルに引き上げ、同年11月1日から実施すると発表しました。中央銀行のQ&Aによると、「毎年」は暦年(1月1日〜12月31日)で計算し、結購と結售は別々に数えます。年をまたぐと累計はゼロに戻ります。

証明書類の確認が必要な取引(第5条)

第5条では、次のような送金について、契約書や承認書などの証明書類を銀行に提出し、内容の確認を受けてから結匯するとしています。

  • 会社・行号の1回あたり100万米ドル相当以上の送金
  • 主管機関の承認を受けた直接投資の送金

日本からの資本金の送金もこれに当たります。

中央銀行の承認が必要な取引(第6条)

第6条では、年間累計額を超える必要な送金などについて、銀行を通じて中央銀行の承認を受けてから結匯するとしています。

実務での為替リスク管理の整理

リスクの種類

  • 取引リスク:仕入や販売の契約から決済までの間に、レートが動くリスクです。
  • 換算リスク:台湾子会社の決算を円に換算するときに、連結の数字が変わるリスクです。
  • 経済的リスク:為替が長く一方向に動くことで、価格競争力が変わるリスクです。

社内ルールの例

  1. 取引ごとに、円建てか台湾ドル建てかを契約書に明記します。
  2. 予算レートを決め、実際のレートとの差を毎月記録します。
  3. レートが一定の幅を超えて動いたら、販売価格や仕入価格を見直す条項を契約に入れておきます。
  4. 為替予約などの手段を使うかどうかは、取引銀行の説明を受けて社内で判断します。商品の内容や手数料は銀行によって違います。
  5. 大きな送金の前に、上で説明した証明書類の要否を銀行に確認し、送金日に余裕を持たせます。

この記事は為替レートの予測をするものではありません。会計処理(換算の方法など)は、会計の専門家に確認してください。

外国人投資条例と資金の回収

日本企業が台湾に投資した資金を、利益や撤退時の資金として回収する場面でも、為替がかかわります。台湾の「外國人投資條例」では、資金の回収について次のように定めています。

  • 第8条:投資人は投資申請書と投資計画を提出し、主管機関(経済部)の承認を受けます。
  • 第9条:承認された出資は期限内にすべて送金し、実行後に投資額の審定(確定)を申請します。
  • 第12条:
  • 投資で毎年得た利息や、分配を受けた利益(配当)は、結匯を申請できます。
  • 株式の譲渡、撤資、減資の承認を受けた場合は、審定された投資額を全額一度に結匯できます。資本利得も同じです。
  • 第11条:結匯の権利は、原則として他人に譲渡できません。
  • 第18条:条例に違反した場合などは、一定期間、利益や利息の結匯の権利が取り消されることがあります。

投資臺灣入口網(経済部)のFAQでも、承認を受けた外国人投資について、投資元本の送金、利益の送金、撤資などの資金の送金は、承認文書と関係する証明書類を持って、外貨業務を扱う指定銀行で直接結匯できると説明しています。

為替リスクの観点からのポイント

  • 投資額の審定は台湾ドル建てか外貨建てか、記録をどう残すかを、会計の担当者と確認しておきます。撤退時の回収額の計算にかかわります。
  • 配当を日本に送る時期をあらかじめ決めておくと、為替の影響を予算に入れやすくなります。税金や手続きは配当送金の記事も参照してください。
  • 承認の文書は、将来の送金のために保管しておきましょう。

よくある質問

Q. 台湾ドルの口座から円の口座へ送るときも、結匯の申報は必要ですか? A. 申報辦法は、台湾ドルと外貨を交換する結匯についてのルールです。台湾の会社が持っている外貨預金をそのまま送る場合の扱いは取引銀行に確認してください。中央銀行の新聞稿では、台湾ドルとの交換をともなわない外貨資金の出入りは完全に自由だと説明しています。

Q. 年間累計額の上限を超えそうなときは? A. 第6条では、上限を超える必要な送金は、銀行を通じて中央銀行の承認を受けてから結匯するとしています。貿易代金は累計に含まれないので、まず送金の性質を整理しましょう。

関連ガイド

参考資料

  • 中央銀行 https://www.cbc.gov.tw/ (閲覧日 2026-10-23:為替関連規定の確認先)
  • 全国法規資料庫「外匯收支或交易申報辦法」第4〜7条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=G0450009 (閲覧日 2026-10-23)
  • 中央銀行 新聞稿(2024-10-30)「調高國人每年累積結匯金額」 https://www.cbc.gov.tw/tw/cp-302-178539-47467-1.html (閲覧日 2026-10-23)
  • 中央銀行 Q&A「每年累積結購或結售金額之計算方式」 https://knowledge.cbc.gov.tw/front/qa/inpage/792AD88B-5D3B-EB11-80EB-000C29A1B907 (閲覧日 2026-10-23)
  • 全国法規資料庫「外國人投資條例」第8・9・11・12・18条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=J0040002 (閲覧日 2026-10-23)
  • 投資臺灣入口網 FAQ「華僑及外國人來台投資應如何辦理結匯?」 https://investtaiwan.nat.gov.tw/faqQContent?lang=cht&search=88 (閲覧日 2026-10-23)

內部編輯附錄

不提供匯率預測。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。