日本企業が台湾で事業を行う形には、主に子会社(現地法人)、支店(分公司)、駐在員事務所(辦事處)があります。このページでは支店に絞って、子会社との違いを整理します。会社形態の全体像は台湾の会社形態を参照してください。

支店の特徴

  • 日本本社と同一の法人格。台湾支店の債務も、最終的には日本本社が責任を負う
  • 営業活動(売上を立てること)ができる
  • 台湾における代表者(負責人)を指定する(公司法第372条)
  • 設立には、外国人投資の手続きと会社登記が必要

子会社との比較

観点 子会社 支店
法人格 台湾の独立した法人 日本本社の一部
責任 出資の範囲が原則 本社が負う
利益の送金 配当(源泉税の対象) 本社への送金の扱いを要確認
現地での見え方 台湾企業として取引 外国企業の支店
撤退 解散・清算 支店の廃止手続き

税務の扱い(利益送金時の課税など)は改正や個別事情で変わるため、会計士に確認しましょう → 台湾の法人税

どちらを選ぶか

  • 現地の取引先・採用で「台湾法人」であることが重視される → 子会社
  • 本社の信用で取引したい、小さく始めたい → 支店も選択肢
  • 営業はせず情報収集だけ → 駐在員事務所

公司法で定められている支店のルール

台湾の公司法には、外国の会社が台湾で支店を設けるときのルールがあります(条文の要約です。詳しくは原文を確認してください)。

外国公司とは(第4条)

公司法でいう「外国公司」とは、営利を目的として、外国の法律にしたがって組織・登記された会社のことです。日本の株式会社などがこれにあたります。外国公司は、法令の範囲内で、台湾の会社と同じ権利能力を持つとされています。

支店登記をしないと営業できない(第371条)

  • 外国公司は、支店(分公司)の登記をしなければ、外国公司の名前で台湾で営業することはできません。
  • これに違反した場合、行為者には1年以下の有期徒刑・拘役、または15万台湾ドル以下の罰金(または併科)が科され、民事上の責任も自分で負います。主管機関は外国公司の名前を使うことを禁止します。

日本本社の名前で台湾の顧客と継続して取引する場合は、支店登記が必要かどうかを、事前に専門家に確認しましょう。

営業資金と代表者(第372条)

  • 支店を設けるときは、営業に使う資金を専用に用意し、台湾における代表者(負責人)を指定する必要があります。
  • 登記した後に、その資金を本社に返したり、本社が引き上げたりすることを代表者が許した場合は、5年以下の有期徒刑・拘役、または50万〜250万台湾ドルの罰金(または併科)が科されます。

営業資金の金額の基準や、資金を送る手続きについては、投資審査と銀行口座と送金も参照してください。必要な金額の基準は本稿では確認できていません(未確認)。

支店設立の準備リスト

  • [ ] 子会社・支店・駐在員事務所の比較をした
  • [ ] 台湾での代表者(負責人)を決めた
  • [ ] 支店の名称を決めた → 会社名
  • [ ] 営業項目を整理した → 営業項目
  • [ ] 営業資金の額と送金方法を専門家と確認した
  • [ ] 所在地を決めた → 登記住所・オフィス
  • [ ] 必要な本社書類(登記簿、定款など)の準備と認証の方法を確認した

よくある質問

Q. 支店の代表者は日本人でもいいですか? A. 外国人を代表者にする場合の条件や、居留・就労許可の手続きについては、専門家に確認しましょう → 就労と居留

Q. 支店から子会社に切り替えられますか? A. 切り替えの具体的な手続きは本稿では確認できていません(未確認)。最初の形態選びの段階で、将来の計画も含めて検討しましょう。

Q. 支店でも統一発票を発行しますか? A. 税務の扱いは会計士に確認しましょう → 統一発票

支店を選ぶときに考えたいこと

本社への影響

支店は日本本社と同じ法人です。台湾での契約、労務、税務のトラブルは、本社自身の問題として扱われる可能性があります。本社の法務・経理の担当者にも、台湾での事業の内容を共有しておきましょう。

取引先や採用への影響

取引先や応募者によっては、相手が台湾の会社か、外国の会社の支店かを気にすることがあります。主な取引先や採用したい人材の考え方を、事前に聞いておくと判断しやすくなります。

会計と書類

支店の会計は、台湾での記帳と、日本本社の決算の両方に関係します。台湾の会計事務所と日本の担当者の間で、書類のやり取りの方法を決めておきましょう → 会計と記帳

撤退するとき

事業をやめる場合の手続きは、子会社と支店で異なります。撤退の流れについては会社の閉鎖・撤退も参照してください。

専門家に相談するときに用意したいもの

  • 日本本社の登記事項と定款
  • 台湾で予定している事業の内容と取引先
  • 採用予定の人数と、日本からの駐在者の有無

次にすること

予定している事業内容、取引先、採用人数を書き出し、専門家に形態の比較を依頼しましょう。設立の流れは設立手続きへ。

関連ガイド

参考資料

  • ジェトロ「台湾 外資に関する規制」https://www.jetro.go.jp/world/asia/tw/invest_02.html (閲覧日 2026-10-23)
  • 経済部商業発展署 https://gcis.nat.gov.tw/ (確認先)
  • 全國法規資料庫「公司法」第4、371、372條 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=J0080001 (閲覧日 2026-10-23)

內部編輯附錄

分公司盈餘匯出稅務未寫細節(fact_review)。已加公司法§4,371,372;營業資金基準、支店轉子公司程序未確認。§372 負責人(原稿「経理人」已更正)。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。