台湾で会社を作るとき、最初の手続きの一つが会社名と営業項目の事前審査です。登記上の正式名称は中国語(繁体字)です。

社名の基本

  • 中国語で「固有名+業種表記+会社形態」の形が一般的(例:○○○貿易有限公司、○○股份有限公司)
  • 既存の会社と同一・類似の名称は使えないことがある
  • 英語名は登記とは別に使われる(銀行口座や輸出入で英語名を登録する場面がある)

決める手順

  1. 候補を複数用意する(第一候補が通らないことがある)
  2. 経済部の会社登記検索で、同じ・似た名前がないか調べる → 台湾企業の調べ方
  3. 名称と営業項目の事前審査を申請
  4. 承認された名称で設立手続きへ → 設立手続き

ブランドとの関係

  • 社名とブランド名(商標)は別もの。社名が通っても商標が取れるとは限らない → 商標登録
  • 日本の社名の音訳・意訳、または台湾で呼ばれやすい名前を検討

法律のルール:会社法と「預査審核準則」

社名のルールは、会社法(公司法)第18条と、経済部の「公司名稱及業務預查審核準則」(会社名称・業務の事前審査基準。以下「準則」)で定められています。

使える文字(会社法第18条・準則第5条)

  • 社名は台湾の文字(中国語)を使わなければなりません(会社法第18条)。
  • 使える文字は、教育部の国語辞典や康熙字典などの一般的な辞書に載っている文字に限られます(準則第5条)。

日本独自の漢字(国字)や、ひらがな・カタカナはそのままでは使えないと考えられます。日本の社名に含まれる字が台湾の辞書にあるかを確認しましょう。

社名の組み立て方(準則第6条)

社名は「特取名称(固有の名前)」と「組織の種類」(有限公司、股份有限公司など)でできています。必要に応じて、次の文字を加えられます。

  1. 地域名
  2. 業務の種類を表す文字(例:貿易、科技)
  3. 「企業」「実業」「商行」など、組織や事業の性質を表す文字

並べる順番も決まっています。地域名は特取名称の前かすぐ後ろ、業務の種類などは特取名称の後ろで、組織の種類の前に置きます。

同じ名前・区別できる名前(会社法第18条・準則第7条)

  • ほかの会社と同じ名前は使えません(会社法第18条)。
  • 特取名称が同じでも、違う業務の種類や区別できる文字が入っていれば、同じ名前とはみなされません。
  • ただし、「新」「好」「老」「大」「小」「真」「正」などを特取名称の前に付けただけでは、区別できる文字になりません(準則第7条)。

業務の種類は2つまで(準則第8条)

社名に入れられる業務の種類は2つまでです。また、許可が必要な業務を社名に入れた場合は、その業務を営業項目として登記する必要があります。営業項目については営業項目をご覧ください。

使えない文字(準則第9条)

次のような文字は使えません。

  • 特取名称に台湾の国名を使うこと
  • 「服務中心」「研究所」「事務所」「協会」「基金会」など、政府機関や公益団体と誤解されやすい文字

日本の社名に「研究所」や「事務所」が入っている場合は、そのまま使えない可能性があるため注意しましょう。

事前審査の承認の有効期間(準則第3条)

事前審査で承認された社名は、承認の日から6か月間保留されます。期間が終わる前に申請すれば、1か月だけ、1回に限り延長できます。この期間内に会社の登記を申請しないと、承認は効力を失います。

外国人投資の手続きに時間がかかる場合、この期間に注意が必要です → 外国人投資の審査

支店の場合(準則第6条・第10条)

日本の会社が台湾に支店を設ける場合は、社名の前に国籍を示し、「商」の字を加える必要があります(例:「日商○○股份有限公司」のような形)。本社の外国語の名前を中国語に訳した名前の場合は、組み立て方のルールの一部が適用されません(準則第10条)。詳しくは支店をご覧ください。

チェックリスト

  • [ ] 社名の文字がすべて台湾の一般的な辞書にある
  • [ ] 特取名称+(業務の種類)+組織の種類の順になっている
  • [ ] 業務の種類が2つ以内
  • [ ] 誤解されやすい文字(研究所、事務所など)が入っていない
  • [ ] 承認から6か月以内に登記できるスケジュールになっている

候補の作り方の例

次のような手順で候補を作ると、事前審査で通らなかったときにもすぐ次の候補に進めます。

手順 すること 確認するルール
1 日本の社名を音訳・意訳した特取名称を3つ以上考える 辞書にある文字か(準則第5条)
2 業務の種類の文字を選ぶ(2つまで) 準則第8条
3 組織の種類(有限公司・股份有限公司)を付ける 会社の種類
4 登記検索で同じ名前がないか調べる 会社法第18条・準則第7条
5 誤解されやすい文字が入っていないか見直す 準則第9条

音訳と意訳のどちらがよいかは、ブランドの方針によって変わります。台湾の取引先や消費者にとって読みやすく、覚えやすいかも考えましょう。

よくある質問

Q. 日本の社名と同じ漢字を使えますか? A. 台湾の辞書にある文字で、ほかのルールにも合っていれば使える可能性があります。ただし、同じ名前の会社がすでにある場合は使えません。

Q. 事前審査の手数料はいくらですか? A. この記事では未確認です。経済部商業発展署の最新の案内を確認してください。

次にすること

中国語社名の候補を3つ以上作り、登記検索と商標検索の両方で確認しましょう。

関連ガイド

参考資料

  • 経済部商業発展署 全国商工行政服務入口網 https://gcis.nat.gov.tw/ (閲覧日 2026-10-23)
  • 全國法規資料庫「公司法」第18條 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=J0080001 (閲覧日 2026-10-23)
  • 全國法規資料庫「公司名稱及業務預查審核準則」第3、5、6、7、8、9、10條 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=J0080015 (閲覧日 2026-10-23)

內部編輯附錄

已依預查審核準則§3(保留6個月,延展1個月限1次)及§5-10擴寫。規費未確認。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。