台湾で会社を設立するには登記上の所在地が必要です。最初から事務所を借りずに、ビジネスセンター(商務中心)のバーチャルオフィスやレンタルオフィスを使う方法はよく検討されます。ただし「登記ができる」ことと、「その住所で銀行口座が開ける」「業種の許可が取れる」ことは別の話です。月額料金だけで決めずに、次の6点を確認しましょう。
1. その住所で会社登記ができるか
業者が「登記可」としているか、過去に同じ住所で登記した実績があるかを確認します。登記には建物の使用に関する同意書などが求められることが多いため、業者がどの書類を出してくれるかを契約前に聞きましょう。
2. 業種の許認可と両立するか
飲食店、食品の保管、人材紹介など、実際の営業場所や設備が審査される業種では、バーチャルオフィスの住所では許可が取れないことがあります。事業内容が決まっていない段階では、「将来この業種を始めたら住所を移す必要があるか」も考えておきます。→ 飲食店開業
3. 銀行口座の審査に耐えられるか
銀行はマネーロンダリング対策として会社の実態を確認します。共有オフィスの住所自体が問題になるとは限りませんが、事業の実態を説明できる資料(事業計画、取引先、担当者の連絡先)が弱いと審査が長引くことがあります。→ 法人口座と資本金送金
4. 郵便物・税務書類を確実に受け取れるか
国税局や各機関からの通知は登記住所に届きます。郵便の受け取り・転送・スキャン通知の有無、書留や受領署名が必要な郵便への対応を確認しましょう。通知を見落とすと申告期限を逃すリスクがあります。
5. 契約条件と追加費用
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 最低契約期間 | 途中解約の違約金 |
| 保証金 | 返還条件 |
| 含まれるサービス | 郵便、電話、会議室、受付 |
| 追加料金 | 書類発行、転送、会議室の時間外利用 |
| 登記の移転 | 解約時に登記住所を移す手続きの期限 |
6. 解約時の住所変更
契約を終えるとき、会社の登記住所を変更する手続きが必要です。新しい住所が決まる前に契約が切れないよう、更新の通知期限を確認しておきます。
バーチャル・レンタル・通常賃貸の比較
| 種類 | 向いている段階 | 注意点 |
|---|---|---|
| バーチャルオフィス | 設立直後、台湾に常駐者がいない | 業種の許可・銀行審査で実態説明が必要 |
| レンタルオフィス(個室) | 1〜数名で業務開始 | 費用はバーチャルより高い |
| 通常の賃貸事務所 | 採用・来客が増えた段階 | 用途、内装、長期契約 |
次に確認すること
住所の候補が決まったら、会社設立の手順の「登記」ステップへ。オフィスの賃貸契約全般については既存記事「オフィス賃貸契約」(中国語)も参照できます。当サイト運営者が提携先を紹介する場合は、関係を明示します(紹介サービスは準備中)。
法令から見る登記住所の注意点
住所選びで確認したい点を、条文で確認できるルールと結びつけて補足します。業者ごとの「登記可」の判断や、銀行の審査基準は法令に書かれていないため、契約前に業者と銀行に確認してください(本稿では未確認)。
登記書類として何が求められるか
公司登記辦法第5条により、登記に必要な書類は附表一から附表七で決められています。書類がコピーや外国の文書である場合、主管機関は必要に応じて原本や中国語訳を求めることができます。外国公司が支店や辦事處を新しく登記する場合は、建物所有者の同意書のコピーと所有権の証明書類のコピーを、登記が許可された日の翌日から30日以内に追加で提出できます。
バーチャルオフィスを使う場合も、業者がこうした同意書類を出せるかを、契約前に確かめておくと安心です。
建物の用途と使用執照
建築法第73条により、建物は許可された使用類組(用途の区分)に沿って使う必要があります。使用類組を変える場合や、防火区画・避難設備・消防設備などを元の許可と異なる形に変える場合は、変更使用執照の申請が必要です(一定規模以下の変更は、各自治体の規定で申請が不要な場合があります)。
事務所として使う予定の建物で、来客対応や店舗、倉庫として使う場合は、その用途が建物の許可と合っているかを確認します。
業種によっては営業場所が審査される
- 法令で政府の許可が必要な業務は、許可書類を受け取ってからでないと会社登記を申請できません(公司法第17条)。
- 食品業者は、衛生管理の基準に合わせる必要があり、中央主管機関が公告する種類・規模の業者は登録が必要です(食品安全衛生管理法第8条)。
飲食店や食品の保管・製造を予定している場合、営業の実態がない住所では許可や登録の審査に対応できない可能性があります。
契約書で確認しておきたい文言
法令上の要件とは別に、業者との契約書には次の点が書かれているかを確認します。
- 登記に使う書類(同意書など)を、誰が、いつまでに出すか
- 国税局や裁判所などの公的な郵便物を受け取ったときの連絡方法と期限
- 契約を終えたあと、登記住所を移すまでの猶予期間
- 業者が移転・廃業した場合の通知
公的な通知を受け取れないと、申告や変更の期限に間に合わなくなるおそれがあります。
住所を変えるときの期限
- 会社の登記事項が変わったときは、変わった日から15日以内に変更登記を申請します(公司登記辦法第4条)。期限を過ぎると、代表者に1万元以上5万元以下の過料が科されることがあります(公司法第387条)。
- 税務の登録内容が変わった場合も、15日以内に変更を届け出ます(營業稅法第30条)。
本店とその他の固定営業場所は、営業を始める前に、それぞれ稅籍登記を申請する必要があります(營業稅法第28条)。レンタルオフィスとは別に倉庫や店舗を持つ場合は、その場所の稅籍登記も必要か確認しましょう。
関連ガイド
参考資料
- ジェトロ「台湾 外国企業の会社設立手続き・必要書類」https://www.jetro.go.jp/world/asia/tw/invest_09.html (閲覧日 2026-10-23)
- 各業者の正式契約書(未取得)
- 全国法規資料庫「公司登記辦法」第4条・第5条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=J0080020 (閲覧日 2026-10-23)
- 全国法規資料庫「建築法」第73条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=D0070109 (閲覧日 2026-10-23)
- 全国法規資料庫「公司法」第17条・第387条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=J0080001 (閲覧日 2026-10-23)
- 全国法規資料庫「食品安全衛生管理法」第8条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=L0040001 (閲覧日 2026-10-23)
- 全国法規資料庫「營業稅法」第28条・第30条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=G0340080 (閲覧日 2026-10-23)
內部編輯附錄
查重:站內有中文 /articles/taiwan-virtual-office-registered-address/,日文意圖無頁→新日文頁,連結中文頁需標「中国語」。 來源:多為實務一般論;「登記需建物使用同意書」需以商業發展署規定複核(C-B09-1 pending)。 CTA:辦公需求表/合作方 → planned,正文已標「準備中」。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。