日本から台湾の会社に出資する場合、台湾の外国人投資の制度に沿って手続きを行います。会社登記の前に、この投資の承認が必要になるのが一般的な流れです。

全体の流れ(子会社設立の例)

  1. 会社名・営業項目の事前審査 → 会社名
  2. 外国人投資の申請(経済部の投資審査担当機関)
  3. 承認後、資本金を送金 → 銀行口座と送金
  4. 資本金の確認(投資額の審定)
  5. 会計士による資本金の査核 → 資本金の査核
  6. 会社登記、税籍登記

確認しておくこと

  • 投資しようとする業種が制限されていないか(ネガティブリスト)
  • 出資者の書類(日本で取得・認証が必要なものがある)
  • 送金の名目と金額が申請内容と合っているか

所要期間

書類の準備状況や審査で変わります。全体のスケジュール感は設立費用・資本金・期間を参照してください。

根拠となる法律:外国人投資条例

台湾の外国人による投資は、「外国人投資条例」(外國人投資條例)で定められています。主なポイントを条文に沿って整理します。

「外国人」と「投資」の範囲(第3条・第4条)

  • 外国人には外国法人も含まれます(第3条)。日本の会社が出資する場合も対象です。
  • 「投資」には次のものが含まれます(第4条)。
  • 台湾の会社の株式または出資額を持つこと
  • 台湾で支店、個人事業、パートナーシップ事業を設けること
  • 1・2の事業に1年以上の貸付けをすること

子会社の設立だけでなく、支店の設置や既存の台湾企業への出資も、この条例の対象になります。

出資の種類(第6条)

出資は現金に限られません。条例では次のものが挙げられています。

  • 現金
  • 自分で使う機械設備や原料
  • 特許権、商標権、著作財産権、ノウハウなどの知的財産権
  • その他、主管機関が認めた財産

ただし、現金以外で出資する場合の評価方法や必要書類は、この記事では未確認です。専門家に確認しましょう。

禁止・制限される業種(第7条)

  • 国家の安全、公共の秩序、善良の風俗、国民の健康に悪い影響がある事業や、法律で投資が禁止されている事業には投資できません。
  • 法律などで投資が制限されている事業は、その事業を所管する機関の許可や同意が必要です。
  • 禁止・制限される業種の一覧(いわゆるネガティブリスト)は行政院が定め、定期的に見直されます。最新の一覧を確認してください。

申請と審査の期間(第8条)

投資する人は、投資申請書に投資計画と関係書類をつけて、主管機関に承認を申請します。投資計画を変更するときも同じです。

主管機関は、申請の手続きがそろってから1か月以内に決定します。ほかの所管機関の権限にかかわる場合は2か月以内です。書類に不備があると、この期間は始まらない点に注意しましょう。

経済部の申請説明では、上場していない会社などへの外国人投資は、経済部投資審議司に申請し、承認を受けてから資金を送金する流れが示されています。

送金と投資額の審定(第9条)

  • 承認された出資は、決められた期限内に全額を送金などで到着させ、到着したことを主管機関に報告します。
  • 期限内に出資しなかった部分は、期限が過ぎると承認が取り消されます。正当な理由があれば、期限の前に延長を申請できます。
  • 出資した後、投資額の審定を申請します。

この審定を受けた投資額は、後で利益を日本に送金したり、撤退したりするときに関係します。

利益の送金・撤退(第12条)

  • 毎年の利益の配当などは、外貨に換えて送金する申請ができます。
  • 承認を受けて株式を譲渡したり、撤退や減資をしたりする場合は、審定された投資額を全額まとめて送金する申請ができます。

つまり、最初の手続きで投資額の審定をきちんと受けておくことが、将来の資金回収につながります。

よくある質問

Q. 承認の前に資本金を送金してもいいですか? A. 経済部の申請説明では、承認の後に送金する流れが示されています。順番を間違えないよう、専門家と確認しましょう。

Q. 必要な書類は何ですか? A. 投資申請書、投資計画、出資者の身分を示す書類などが必要です。日本で認証が必要な書類もあるため、詳しくは主管機関の最新の申請説明を確認してください。手数料は未確認です。

チェックリスト

  • [ ] 投資する業種がネガティブリストに入っていないか確認した
  • [ ] 出資の種類(現金・現物・知的財産)を決めた
  • [ ] 投資申請書と投資計画を準備した
  • [ ] 承認後の送金期限を把握した
  • [ ] 出資後に投資額の審定を申請する予定を立てた

収用・買収からの保護(第14条)

外国人投資条例には、投資した人を守る規定もあります。投資した事業の資本総額の45%以上を持ち、開業から20年以内にその割合を45%以上に保っている場合、その事業は政府による徴用や買収の対象になりません(第14条)。

これは長く台湾で事業を続ける場合の安心材料の一つですが、具体的にどのような場面で使われるかは、この記事では未確認です。

日本側で準備しておくこと

台湾での手続きと並行して、日本側でも次の準備を進めておくとスムーズです。

準備すること ポイント
出資者の書類 登記簿謄本など。台湾で使うための認証の要否を確認
社内の決裁 出資額や台湾の会社の役員を誰にするかを決める → 役員
資金の計画 出資額と送金の時期。承認の前に送金しない
責任者の決定 台湾側の代表者や、手続きを任せる専門家

書類の認証には時間がかかることがあるため、早めに確認しましょう。

関連ガイド

参考資料

  • ジェトロ「台湾 外資に関する規制」https://www.jetro.go.jp/world/asia/tw/invest_02.html (閲覧日 2026-10-23)
  • ジェトロ「台湾 外資に関する奨励」https://www.jetro.go.jp/world/asia/tw/invest_03.html (閲覧日 2026-10-23)
  • 全國法規資料庫「外國人投資條例」第3、4、6、7、8、9、12條 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=J0040002 (閲覧日 2026-10-23)
  • 經濟部「華僑及外國人初次投資國內現有(新設)公司申請說明」https://www.moea.gov.tw/Mns/dir/investment/wHandDirApply_File.ashx?file_id=49 (閲覧日 2026-10-23)

內部編輯附錄

已依外國人投資條例§3,4,6,7,8,9,12擴寫;主管機關以經濟部投資審議司表示(依經濟部申請說明搜尋摘錄,改組日期未確認)。規費、文件明細未確認。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。