台湾進出の話では「親日」「日本ブランドが好き」とよく言われます。それが当てはまる商品・客層もありますが、価格や競合次第で結果は大きく変わります。

よく言われることと確かめ方

よく言われること 確かめ方
日本製は信頼される 同カテゴリーで日本製と他国製の価格差・売れ行きを店頭で比べる
コンビニ・ECが生活に浸透 自社カテゴリーの購入チャネルをインタビュー
SNSで情報収集 競合のSNS反応を見る → SNS
価格に敏感 テスト販売で価格を変える → テストマーケティング

調べ方

  • 公的統計(人口、世帯、支出)→ 市場調査
  • 店頭観察(陳列、価格、販促)
  • 5〜10人のインタビュー
  • 小規模の販売データ

まとめ方

「誰が」「何のために」「いくらで」「どこで」買うかを1枚にまとめ、仮説と事実を分けて書きましょう。

まず公的統計で「市場の大きさ」を押さえる

思い込みを避けるには、最初に公的な統計で全体像をつかむのが近道です。ここでは、台湾の政府が公表している数字のうち、消費者を考えるときの土台になるものを紹介します。

人口と世帯(内政部、2026年9月末)

内政部戸政司の「民国115年9月戸口統計資料分析」(2026年10月8日公表)によると、次のとおりです。

指標 数値
人口 23,213,251人(前年同月比 −103,780人、−0.45%)
世帯数 9,938,700世帯(前年同月比 +1.03%)
1世帯あたりの人数 2.34人
0〜14歳 11.23%
15〜64歳 68.07%
65歳以上 20.70%

人口は前年より減っている一方で、世帯数は増え、1世帯あたりの人数は減っています。単身向けや少人数向けの商品を考えるときの材料になります。ただし、これは戸籍の統計で、自社の商品の需要を直接示すものではありません。

県や市ごとにも違いがあります。同じ資料では、世帯数が最も多いのは新北市(1,804,655世帯、全体の18.16%)、次いで高雄市、台中市です。65歳以上の割合が最も高いのは台北市(24.86%)、0〜14歳の割合が最も高いのは新竹市(14.75%)でした。どの地域から販売を始めるかを考えるときは、こうした地域ごとの数字も確認しましょう。

家計の所得と支出(行政院主計総処、2024年)

主計総処の「113年家庭収支調査報告」(2024年の調査)によると、1世帯あたりの平均は次のとおりです。

指標 1世帯あたりの平均
可処分所得 116.5万元
消費支出 88.9万元
貯蓄 27.7万元

この調査は、全世帯から約1万6,528世帯を抽出して調べたものです。平均値は高所得の世帯に引っ張られることがあるため、中央値や所得の五分位別の表もあわせて見ると、より実態に近いイメージをつかめます。主計総処のサイトでは、消費支出を使い道ごとに分けた表(消費形態別の家計消費支出構造)なども公開されています。

統計の使い方の注意

  • 統計は「全体の傾向」:自社のターゲットの客層が同じ傾向を持つとは限りません。
  • 時点を確認する:人口は毎月、家計調査は毎年更新されます。資料を引用するときは、いつの数字かを必ず書きましょう。
  • 出典を明記する:社内の資料でも、どの機関の、どの資料の数字かを書いておくと、後で確認しやすくなります。

仮説の立て方の例

統計の数字だけでは、「台湾の消費者は○○が好き」とは言えません。次のように、数字から仮説を立て、インタビューやテスト販売で確かめましょう。

  1. 統計:1世帯あたりの人数が減っている
  2. 仮説:少量パックの需要があるかもしれない
  3. 確認:店頭で少量パックの品ぞろえと価格を調べる → 5〜10人にインタビューする → 少量パックでテスト販売する

テスト販売の方法はテストマーケティング、価格の決め方は価格設定をご覧ください。

インタビューのコツ

  • 「日本製は好きですか?」のような、答えが誘導される質問は避ける
  • 「最後にこのカテゴリーの商品を買ったのはいつ、どこで、いくらでしたか?」のように、実際の行動を聞く
  • 日本語ができる人だけに聞くと、偏った結果になる可能性がある

インタビューで個人情報を集める場合は、利用目的を伝えるなど、台湾の個人資料保護法への対応も必要です → 個人情報

店頭観察のチェックポイント

公的統計で全体像をつかんだら、実際の売り場を見に行きましょう。次の項目を記録しておくと、後で比べやすくなります。

観察する項目 記録すること
陳列 自社のカテゴリーの棚の位置、広さ、目立つ商品
価格 同じカテゴリーの商品の価格帯(最も安いもの・高いもの)
原産国 日本製、台湾製、その他の国の商品の並び方
販促 割引、セット販売、ポイントなどの方法
表示 繁体字の表示、成分表示、使い方の説明

1か所だけでなく、地域や店の種類(コンビニ、スーパー、ドラッグストア、百貨店など)を変えて複数の店を見ると、偏りを減らせます。写真を撮る場合は、店のルールに従いましょう。

よくある質問

Q. 「台湾は親日だから日本製が売れる」と考えてもいいですか? A. 日本製であることが評価される場面はあるかもしれませんが、それだけで売れるとは言えません。価格、競合、販売チャネルによって結果は変わります。自社の商品で確かめましょう。

Q. 調査会社に頼むべきですか? A. まずは公的統計、店頭観察、少人数のインタビューで仮説を立て、それでも判断できない点を調査会社に頼む方法があります。費用はこの記事では未確認です。相談先は相談先をご覧ください。

Q. 日本で売れている商品なら、台湾でも同じ売り方でいいですか? A. 同じとは限りません。表示の言語や売り場の作り方も違うため、繁体字ローカライズもあわせて確認しましょう。

関連ガイド

参考資料

  • ジェトロ 台湾 https://www.jetro.go.jp/world/asia/tw/ (閲覧日 2026-10-23)
  • 内政部「民國115年9月戶口統計資料分析」https://www.moi.gov.tw/News_Content.aspx?n=2&s=342353 (閲覧日 2026-10-23)
  • 行政院主計總處「113年家庭收支調查報告」https://www.stat.gov.tw/News_Content.aspx?n=3908&s=235198 (閲覧日 2026-10-23)

內部編輯附錄

不寫無出處的消費統計。已加入內政部115年9月戶口統計與主計總處113年家庭收支調查(可支配所得116.5萬/消費88.9萬/儲蓄27.7萬,取自主計總處報告與搜尋摘錄,建議再核原表)。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。