基本の考え方

  • 個人データを集めるときは、収集者、目的、利用範囲などを本人に告知
  • 目的の範囲内で利用
  • 適切な安全管理措置
  • 漏えい時は本人への通知

対象になるデータ

  • 顧客(EC、会員、問い合わせ)
  • 従業員・応募者
  • 取引先担当者

越境移転

日本本社と台湾子会社でデータを共有する場合、移転の扱いを確認しましょう。

監督機関

個人資料保護委員会の設置が法改正で定められ、準備が進められています(最新状況は公式で確認)。

実務チェック

  • [ ] 告知文(繁体字)を用意
  • [ ] データの保管場所とアクセス権限
  • [ ] 漏えい時の連絡体制

条文で確認する基本ルール(個人資料保護法)

以下は、全国法規資料庫に掲載されている「個人資料保護法」(以下「個資法」)の現行条文にもとづく整理です。民間企業は個資法上の「非公務機関」に当たります。

対象になる「個人資料」(第2条)

第2条では、個人資料を次のように定めています。

  • 自然人の氏名、生年月日、身分証番号、パスポート番号、特徴、指紋、婚姻、家庭、教育、職業、病歴、医療、遺伝子、性生活、健康診断、犯罪歴、連絡先、財務状況、社会活動
  • そのほか、直接または間接に個人を識別できる資料

顧客の会員情報だけでなく、従業員の健康診断の結果や家族の情報も対象になります。

特に慎重に扱う資料(第6条)

第6条では、病歴、医療、遺伝子、性生活、健康診断、犯罪歴の個人資料は、原則として収集・処理・利用してはならないと定めています。例外は、法律に明文の規定がある場合、法定の義務を果たすために必要な範囲で適切な安全措置をとっている場合などに限られます。従業員の健康診断の結果を扱う人事部門は、この規定を踏まえて保管ルールを決めましょう。

収集のときの告知(第8条)

第8条では、本人から個人資料を収集するときに、次の事項をはっきり告知しなければならないと定めています。

  1. 収集する機関(会社)の名称
  2. 収集の目的
  3. 個人資料の種類
  4. 利用する期間、地域、対象、方法
  5. 本人が行使できる権利とその方法
  6. 本人が提供するかどうかを自由に選べる場合、提供しないと権益にどう影響するか

「利用する地域」を告知事項に含めることになっています。日本本社でもデータを使う予定がある場合は、告知文に日本での利用を書いておくことが実務上のポイントになります。

収集・処理の根拠(第19条)と利用の範囲(第20条)

第19条では、非公務機関が個人資料を収集・処理するには、特定の目的があり、さらに次のような事由のいずれかに当たる必要があると定めています。

  • 法律に明文の規定がある
  • 本人と契約または契約に類する関係があり、適切な安全措置をとっている
  • 本人が自分で公開した資料、またはその他の方法で適法に公開された資料である
  • 本人の同意がある

第20条では、利用は収集した特定目的に必要な範囲で行うのが原則です。目的外の利用は、本人の同意がある場合などに限られます。

マーケティングへの利用

第20条の後半では、個人資料をマーケティングに使う場合のルールを定めています。

  • 本人がマーケティングを受けることを拒否したら、すぐに利用をやめなければならない
  • 初めてマーケティングをするときは、本人が拒否を伝える方法を示し、その費用を会社が負担しなければならない

メールマガジンやLINEの配信を始める前に、配信停止の方法を用意しておきましょう。

正確性の維持と削除(第11条)

第11条では、個人資料を正確に保ち、本人の請求があれば訂正・補充することを求めています。収集の特定目的がなくなったときや期限が来たときは、会社が自ら、または本人の請求に応じて、削除や処理・利用の停止をしなければなりません。退職者や応募者のデータをいつまで保管するかを決めておくことが大切です。

漏えい時の対応(第12条)

第12条では、保有している個人資料が盗まれた、改ざんされた、壊された、なくなった、漏えいしたと知ったときは、本人に通知しなければならないと定めています。一定の通報範囲に当たる場合、非公務機関は主管機関に通報します。また、事故の拡大を防ぐ対応をとり、事実・影響・対応措置を記録して保存することも求めています。

越境移転(第21条)

第21条では、非公務機関が個人資料を国際的に移転する場合、次のいずれかに当たるときは、主管機関が移転を制限できると定めています。

  • 国家の重大な利益にかかわる場合
  • 国際条約や協定に特別な定めがある場合
  • 受け取る国の個人資料保護の法規が十分でなく、本人の権益を損なうおそれがある場合
  • 迂回して第三国に移転し、個資法を逃れようとする場合

日本への移転が個別に制限されているかどうかは、本稿では確認していません。最新の告示を主管機関で確認してください。

違反したときの罰則(第48条)

第48条では、非公務機関が第8条・第9条の告知義務、第11条の訂正・削除の義務、第12条の通知義務などに違反した場合、主管機関が期限を決めて改善を命じると定めています。期限までに改善しなければ、改善されるまで違反ごとに新台湾ドル2万元以上20万元以下の罰金(罰鍰)を科します。第12条の通報義務に違反した場合も、2万元以上20万元以下の罰金と改善命令の対象になります。

日本本社と台湾子会社で分担する作業の例

作業 根拠条文 主な担当の例
繁体字の告知文(目的・種類・期間・地域・権利)を作る 第8条 台湾子会社の法務・総務
健康診断など第6条の資料の保管ルールを決める 第6条 人事
保管期限が来た資料の削除手順を決める 第11条 情報システム
マーケティング配信の停止方法を用意する 第20条 マーケティング
漏えい時の本人通知・通報・記録の手順を決める 第12条 日台共同の対応チーム
日本への移転について主管機関の制限がないかを確認する 第21条 日本本社の法務

罰則の金額や手続きは、法改正で変わることがあります。運用を始める前に、台湾の弁護士など専門家に最新の条文を確認してもらってください。

関連ガイド

参考資料

  • 全国法規資料庫「個人資料保護法」https://law.moj.gov.tw/ (閲覧日 2026-10-23)
  • 個人資料保護委員会籌備処 https://www.pdpc.gov.tw/ (確認先)
  • 全国法規資料庫「個人資料保護法」第2・6・8・11・12・19・20・21・48条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=I0050021 (閲覧日 2026-10-23)

內部編輯附錄

委員會成立時程未核。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。