拠点の選択

  • 日本から直接販売:初期コストが低い
  • 台湾に法人・支店:営業・サポート・請求書発行がしやすい → 会社形態

税務

  • 台湾の個人向けに電子サービスを提供する海外事業者には、営業税の登録が求められる制度がある(財政部で要件確認)
  • 台湾企業から日本へ支払う場合の源泉徴収 → 源泉徴収

個人情報

台湾の個人資料保護法への対応(利用目的の告知、越境移転)→ 個人情報

ローカライズ

繁体字(台湾の用語)、日付・通貨、サポート時間 → 繁体字ローカライズ

決済

クレジットカード、台湾のモバイル決済、請求書払い → 決済手段

個人向けSaaSの営業税(越境電子サービス)

台湾に拠点がなくても、インターネットで台湾の個人に電子サービスを販売する外国事業者は、営業税の納税義務者になります(営業税法第2条の1、第6条第4号)。

登録が必要になる基準

営業税法第28条の1と財政部の基準により、台湾の個人向けの年間売上が60万台湾ドルを超えると、税籍登記が必要です。この基準は2025年4月7日に48万元から引き上げられました。それより前にすでに48万元を超えていた場合は、改正前の規定が適用されます。

登録は財政部の「税務入口網」の越境EC課税専用ページから、自社で行うか、台湾に住む個人や台湾に拠点を持つ事業者を代理人にして行います。自社で申請する場合の管轄は財政部台北国税局で、代理人に任せる場合は代理人の所在地の国税局です。

「台湾の個人」の判断

財政部の「越境電子役務取引の営業税課税規範」では、たとえば次の情報から台湾の個人かどうかを判断するとしています。

  • 購入に使った機器が台湾にある
  • 携帯電話番号の国番号が886
  • 請求先住所、支払口座、IPアドレス、SIMカードなどの情報

申告と納付

営業税法第35条により、原則として2か月ごとに、次の期間が始まってから15日以内に申告します。外貨で売上がある場合は、申告期間の末日の台湾銀行の為替レート(即期買入)で台湾ドルに換算し、台湾ドルで納付します。財政部台北国税局の計算例では税率5%が使われています。登録内容が変わったときは、事実が発生してから15日以内に変更を申請します。

企業向け(B2B)の場合

上の制度は「個人」向けの販売が対象です。台湾企業向けに販売する場合は、支払う側の企業が営業税を納める仕組み(第36条)や、源泉徴収が関わる可能性があります。自社のケースにどれが当てはまるかは、源泉徴収と税籍登記を確認し、会計事務所に相談しましょう。

個人情報保護法のポイント

  • 集めるときの告知(第8条):本人から個人情報を集めるときは、事業者名、利用目的、情報の種類、利用する期間・地域・相手・方法、本人の権利などを明確に伝える必要があります。利用規約やプライバシーポリシーにまとめておきましょう。
  • 海外への移転(第21条):民間事業者が個人情報を海外へ移転する場合、国の重大な利益に関わるとき、移転先の国の保護が不十分なときなどは、主管機関が制限できることになっています。日本のサーバーに台湾ユーザーのデータを保存する場合も、制限の有無を確認しましょう。現在、日本への移転が制限されているかどうかは、この記事では未確認です。

法人を作るかどうかの判断材料

観点 日本から直接販売 台湾法人・支店
個人向けの営業税 年間60万元を超えたら越境EC登録 国内の営業人として登録
企業向けの請求 源泉徴収などを確認 統一発票を発行 → 統一発票
採用・サポート 現地採用は難しい 雇用しやすい → 雇用契約

チェックリスト

  • [ ] 台湾の個人向け年間売上を記録している
  • [ ] 60万元を超えそうな場合の登録手続きを確認した
  • [ ] プライバシーポリシーに第8条の告知事項を入れた
  • [ ] 海外へのデータ移転に制限がないか確認した

補足:営業税法第36条

台湾に拠点がない外国事業者が台湾で役務を販売した場合、原則として買い手が、報酬を支払った次の期間が始まってから15日以内に営業税を計算して納めます(第36条)。ただし、この条文には例外の規定もあります。自社の取引に当てはまるかは、会計事務所に確認しましょう。

個人情報の利用範囲(第20条)

民間事業者が個人情報を使えるのは、原則として集めたときの目的に必要な範囲内です。目的外に使えるのは、法律に定めがある場合や本人の同意がある場合など、限られた場合です。たとえば、サポートのために集めたメールアドレスを広告の配信に使う場合は、目的の範囲内かどうかを確認しましょう。

よくある質問

Q. 台湾の個人ユーザーがまだ少ない段階でも登録は必要ですか? A. 年間売上が60万元を超えなければ、越境ECの税籍登記は求められません。前年または当年の売上で判断されます(財政部の英語版Q&A)。

Q. 日本円で販売しています。どう申告しますか? A. 申告期間の末日の台湾銀行の為替レートで台湾ドルに換算して申告し、台湾ドルで納付します。

Q. 法人を作れば越境ECの登録は不要ですか? A. 台湾に拠点を持つと「境内に固定の営業場所がある」事業者として扱いが変わる可能性があります。手続きの違いは会社形態と税籍登記をご覧ください。

関連ガイド

参考資料

  • 財政部 跨境電商営業税 https://www.etax.nat.gov.tw/ (閲覧日 2026-10-23)
  • 業種別の入口:EC
  • 全国法規資料庫「加值型及非加值型營業稅法」第2条の1・第6条・第28条の1・第35条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=G0340080 (閲覧日 2026-10-23)
  • 財政部「跨境電子勞務交易課徵營業稅規範」https://law-out.mof.gov.tw/LawContent.aspx?id=GL010236 (閲覧日 2026-10-23)
  • 財政部「境外電商營業人應申請稅籍登記之年銷售額基準由48萬元調高至60萬元」https://www.mof.gov.tw/singlehtml/384fb3077bb349ea973e7fc6f13b6974?cntId=b08fa4e5144f402da0dfcde7071663a7 (閲覧日 2026-10-23)
  • 全国法規資料庫「個人資料保護法」第8条・第21条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=I0050021 (閲覧日 2026-10-23)
  • 財政部稅務入口網「Taxation Registration Q&A」https://www.etax.nat.gov.tw/etwmain/en/cbec-tax-area/business-tax/taxation-system-intro/q-and-a/OgevYEJ (閲覧日 2026-10-23)

內部編輯附錄

跨境電子勞務門檻已寫(60萬,2025-04-07起)。對日傳輸限制現況未確認。B2B逆向課稅細節未確認。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。