台湾法人は、給与や一定の支払いをするとき、所得税を差し引いて納付する義務があります。

対象になりやすい支払い

支払い 注意点
給与 毎月の源泉、年次の申告
専門家への報酬 個人への支払い
家賃 個人の貸主の場合
海外への支払い 日本本社へのロイヤルティ・サービス料・配当など

居住者と非居住者

非居住者への支払いは税率が異なり、日台租税取決めで軽減される場合があります。

手続き

  • 支払時に差し引き、期限までに納付
  • 年1回、源泉徴収票を作成し申告
  • 期限・税率は会計事務所に確認

法律上の源泉徴収の仕組み(所得稅法第88条・第92条・第114条)

源泉徴収の義務(第88条)

台湾の「所得稅法」第88条では、納税者が一定の種類の所得を受け取るときは、支払う側(扣繳義務人)が支払いの時点で、定められた税率や方法で税金を差し引き、第92条にもとづいて納付しなければならないと定めています。対象には、非居住者である個人や、台湾国外に本店がある営利事業に支払う配当も含まれます。

納付と申告の期限(第92条)

第92条では、期限を次のように定めています。

対象 期限
居住者などへの支払い(原則) 毎月10日までに前月分の源泉税を国庫に納付
年次の申告 毎年1月末までに前年分の扣繳憑單(源泉徴収票)を税務機関に提出
納税者への交付 2月10日までに扣繳憑單を納税者に交付
非居住者や、台湾に固定の営業場所がない営利事業への支払い 源泉徴収した日から10日以内に国庫に納付し、扣繳憑單を税務機関に提出

1月に3日以上連続する祝日がある年は、扣繳憑單の提出期限が2月5日まで、交付期限が2月15日まで延びます。日本本社への支払いは「10日以内」のルールになるため、毎月の締めを待たずに手続きを進める必要があります。

違反した場合(第114条)

第114条では、源泉徴収をしなかった、または不足していた場合、期限を決めて不足分の納付と扣繳憑單の補充の提出を命じ、不足額の1倍以下の罰鍰を科すとしています。期限内に納付しない場合などは、不足額の3倍以下の罰鍰になります。

主な税率(各類所得扣繳率標準・財政部)

財政部の稅務入口網では、主な源泉徴収税率を次のように示しています(2025年1月1日から適用の表)。

所得の種類 居住者 非居住者
給与(薪資) 5%、または給与所得扣繳税額表による 18%(月の給与総額が基本賃金の1.5倍以下なら6%)
家賃(租金) 10% 20%
手数料(佣金) 10% 20%
配当(股利) − 21%
専門家の報酬(執行業務報酬) 10% 20%
利息 10% 20%
ロイヤルティ(權利金) 10% 20%

居住者への支払いの税率は「各類所得扣繳率標準」第2条に、非居住者への支払いの税率は同標準の第3条に定められています。

日台租税協定による軽減

財政部の説明によると、日台租税協定では、日本の居住者が受け取る配当・利息・ロイヤルティの台湾での税率の上限は、いずれも10%です(特定の利息は免税)。協定は2017年1月1日以降に支払うべき所得から適用されています。10%を適用するための手続きや書類は、財政部の最新の案内と会計事務所に確認してください。

日本本社に支払う「経営指導料」や「サービス料」は、協定上は事業所得として扱われ、日本の会社が台湾に恒久的施設(PE)を持たなければ台湾では課税されない場合があります。ただし、台湾の税法上の扱いや必要な申請は個別に判断されるため、この記事では結論を示しません(未確認)。

実務の流れ(日系企業の台湾子会社の場合)

  1. 支払いの種類を分ける:給与、家賃、専門家の報酬、日本本社へのロイヤルティ・利息・配当など、支払いごとに所得の種類と、受け取る人が居住者か非居住者かを確認します。
  2. 税率を決める:上の表の税率、または日台租税協定の上限税率(10%)を使います。協定の税率を使えるかどうかと必要な書類は、事前に会計事務所と確認します。
  3. 支払時に差し引く:支払う金額から源泉税を差し引き、残りを支払います。
  4. 期限内に納付する:居住者分は翌月10日まで、非居住者分は源泉徴収した日から10日以内に国庫へ納めます。
  5. 扣繳憑單を出す:年次の申告(1月末まで)と納税者への交付(2月10日まで)を忘れないようにします。非居住者分は、納付のたびに申告します。

日本から台湾に出張する社員の給与の扱い(台湾での滞在日数と、183日・90日の基準)は条件が細かいため、個別に専門家に確認してください。

よくある質問

Q. 日本本社への配当には何%の源泉税がかかりますか? A. 台湾の税法上の税率は21%です。日台租税協定を適用すると上限は10%になります。

Q. 源泉徴収を忘れた場合はどうなりますか? A. 所得稅法第114条により、不足分の納付を命じられ、不足額の1倍以下の罰鍰が科されます。期限内に納めないと、3倍以下になることがあります。

Q. 非居住者への支払いの納付期限は? A. 源泉徴収した日から10日以内です(所得稅法第92条)。

Q. 基本賃金の金額は? A. 財政部の表では、2025年1月1日からの月額最低賃金を28,590台湾ドルとしています。その後の改定は労働部の発表で確認してください。

※この記事は一般的な情報で、税務アドバイスではありません。税率や手続きは改正されることがあるため、申告の前に財政部の最新情報と専門家に確認してください。

Q. 退職金にも源泉徴収はありますか? A. あります。財政部の表では、一定の非課税額を差し引いた後、居住者は6%、非居住者は18%で源泉徴収します。

Q. 賞金(競技やコンテストの賞金など)はどうなりますか? A. 財政部の表では、居住者は10%、非居住者は20%です。キャンペーンの景品を出す場合は、その種類に応じた扱いを事前に確認してください。

関連ガイド

参考資料

  • 財政部 https://www.mof.gov.tw/ (閲覧日 2026-10-23)
  • ジェトロ「台湾 税制」https://www.jetro.go.jp/world/asia/tw/invest_04.html
  • 全国法規資料庫「所得稅法」第88・92・114条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=G0340003 (閲覧日 2026-10-23)
  • 全国法規資料庫「各類所得扣繳率標準」第2・3条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?PCode=G0340028 (閲覧日 2026-10-23)
  • 財政部稅務入口網「各類所得的扣繳率各多少?」 https://www.etax.nat.gov.tw/etwmain/tax-info/innotative-tax-e-reference/withheld/regulation/Prj8q2V (閲覧日 2026-10-23)
  • 財政部「臺日租稅協定 105年6月13日生效、106年1月1日適用」 https://www.mof.gov.tw/singlehtml/384fb3077bb349ea973e7fc6f13b6974?cntId=dot70257 (閲覧日 2026-10-23)

內部編輯附錄

稅率未寫。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。