台湾法人の定款は「章程」と呼ばれ、会社の名称、目的、資本、役員などの基本ルールを定めます。

主な記載事項

項目 内容
会社名・所在地 中国語の正式名称 → 会社名
営業項目 → 営業項目
資本金 有限公司は出資額、股份有限公司は株式
役員 董事の人数、監察人の有無 → 役員構成
利益配分 配当、準備金
決算 会計年度

有限公司と股份有限公司の違い

  • 有限公司:定款変更などは株主の表決権の3分の2以上の同意で決める(会社法第113条)
  • 股份有限公司:株主総会・董事会の仕組みがあり、将来の増資・株主追加に対応しやすい → 会社形態

日本本社が決めておくこと

  • 誰を董事(代表者)にするか
  • 将来の株主追加・増資の予定
  • 配当方針

有限会社の定款に必ず書くこと(会社法第101条)

有限会社(有限公司)の定款には、次の事項を記載します。

  1. 会社名
  2. 事業の内容(所營事業)
  3. 株主の名前または名称
  4. 資本の総額と各株主の出資額
  5. 利益と損失の分配の割合または基準
  6. 本店の所在地
  7. 董事の人数
  8. 解散の事由を決めている場合は、その事由
  9. 定款を作った年月日

会社を代表する董事が定款を本店に置いていない場合は、1万元以上5万元以下の過料の対象になり、その後も置かなければ、そのたびに2万元以上10万元以下の過料が科されます。

株式会社の定款に必ず書くこと(会社法第129条・第130条)

株式会社(股份有限公司)では、発起人全員の同意で定款を作り、署名または押印します。第129条で必ず書く事項は次のとおりです。

  1. 会社名
  2. 事業の内容
  3. 額面株式の場合は株式の総数と1株の金額、無額面株式の場合は株式の総数
  4. 本店の所在地
  5. 董事と監察人の人数・任期
  6. 定款を作った年月日

さらに第130条では、次の事項は定款に書かなければ効力がないとしています。

  • 支店(分公司)の設置
  • 解散の事由
  • 特別株の種類と権利・義務
  • 発起人が受ける特別な利益と、その受益者の名前

将来、支店を出したり、特別株を発行したりする可能性があるなら、最初の定款でどう書くかを専門家と相談しましょう。

利益の分配に関するルール

  • 法定の積立金(法定盈餘公積):利益を分配するときは、損失を補い、税金を納めた後、まず10%を法定の積立金にします。積立金が資本の総額(株式会社は払込済みの資本額)に達していれば不要です(有限会社は第112条、株式会社は第237条)。
  • 特別の積立金:定款や株主の決議で、別に特別の積立金を設けることもできます。
  • 従業員への報酬(株式会社):第235条の1により、株式会社は定款に、その年の利益の一定額または一定の割合を従業員の報酬として分配することを書く必要があります。累積の損失があれば、先に補います。

配当の方針は日本本社への送金にも関わります。詳しくは配当と本国送金をご覧ください。

定款を変えるとき

会社の種類 必要な決議
有限会社 株主の表決権の3分の2以上の同意(第113条)
株式会社 発行済み株式総数の3分の2以上を持つ株主が出席し、出席株主の表決権の過半数の同意(第277条)

定款を変えた後は、内容によって変更登記が必要です → 変更登記。株主総会の進め方は株主総会をご覧ください。

チェックリスト

  • [ ] 会社の種類に応じて、法律で必ず書く事項をすべて入れた
  • [ ] 将来、支店や特別株の予定があるか検討した
  • [ ] 株式会社の場合、従業員報酬の割合を決めた
  • [ ] 定款を本店に置いている

定款で決めておくと役立つ「任意の事項」

法律で必ず書く事項のほかに、定款で決められる事項もあります。

有限会社の表決権(第102条)

有限会社では、株主は出資額に関係なく1人1票の表決権を持つのが原則です。ただし、定款で出資額の割合に応じて表決権を分けることもできます。日本本社と現地のパートナーが共同で出資する場合などは、どちらの方式にするかで意思決定の力関係が大きく変わります。定款を作る前に決めておきましょう。

有限会社の董事(第108条)

有限会社には董事を1人以上3人以下置き、行為能力のある株主の中から、株主の表決権の3分の2以上の同意で選びます。董事が複数いる場合は、定款で董事長を1人置いて会社を代表させることができます。

株式会社の董事会(第192条)

株式会社で董事会を置く場合は、董事を3人以上選びます。定款で決めれば、董事会を置かずに董事を1人か2人にすることもできます。1人の場合はその人が董事長になります。

監察人(第216条)

株式会社の監察人は株主総会で選び、少なくとも1人は台湾に住所がある人でなければなりません。日本本社の人だけで役員を構成しようとする場合は、この点に注意してください。

役員の決め方の詳細は役員構成をご覧ください。

よくある質問

Q. 定款は日本語でも作れますか? A. 登記の手続きで使う言語や様式は、この記事では未確認です。依頼する会計事務所や弁護士に確認しましょう。

Q. 定款のひな形はどこで手に入りますか? A. 依頼先が用意することがありますが、自社の事情に合わせて内容を確認しましょう。依頼先の選び方は依頼先の比較をご覧ください。

Q. 会社を作った後でも定款は変えられますか? A. 変えられます。上の「定款を変えるとき」の決議が必要です。

関連ガイド

参考資料

  • 全国法規資料庫「会社法」https://law.moj.gov.tw/ (閲覧日 2026-10-23)
  • 全国法規資料庫「公司法」第101条・第112条・第113条・第129条・第130条・第235条の1・第237条・第277条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=J0080001 (閲覧日 2026-10-23)

內部編輯附錄

章程範本由會計師提供;專業審查 pending。條文§101/112/113/129/130/235-1/237/277已逐條核對。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。