流れ
- 決算を確定し、法人所得税を申告 → 法人税申告
- 利益配分を社内で決議
- 源泉税を差し引いて送金
- 源泉税を納付
税金のポイント
- 非居住者(日本本社)への配当には源泉税がかかり、日台租税取決めで軽減される場合がある
- 利益を配当せずに留保すると、未処分利益に5%の課税がある(ジェトロ)→ 法人税
- 日本側では、外国子会社配当の益金不算入制度の対象になるかを確認
準備
- 送金の名目と金額の書類
- 居住者証明(軽減適用の場合)
配当の前提となる会社法のルール
欠損の補塡と法定盈余公積(公司法第232条・第237条)
台湾の「公司法」第232条では、会社は欠損を補塡し、法定盈余公積を積み立てた後でなければ、配当(股息・紅利)をしてはならないと定めています。利益がないときも配当できません。違反して配当した会社の責任者には罰則があります。
第237条では、会社がすべての税金を納めた後に利益を分配するときは、まず利益の10%を法定盈余公積として積み立てなければならないとしています。ただし、法定盈余公積がすでに払込資本金の額に達している場合は、その必要はありません。また、定款や株主総会の決議によって、特別盈余公積を積み立てることもできます。
つまり、台湾子会社の利益をすべて配当に回せるわけではありません。配当できる金額を計算するときは、欠損の有無と法定盈余公積の積み立てを先に確認しましょう。
台湾側の源泉税
原則の税率は21%
財政部の稅務入口網によると、非居住者に支払う股利(配当)の源泉徴収税率は21%です。「各類所得扣繳率標準」第3条では、非居住者である個人が受け取る会社の配当について21%と定めています。財政部の説明では、台湾に固定の営業場所を持たない外国の営利事業(日本の親会社など)が受け取る配当にも、この21%が適用されます。
日台租税協定では10%が上限
台湾の「亞東關係協會與公益財團法人交流協會避免所得稅雙重課稅及防杜逃稅協定」(いわゆる日台租税協定)第10条第2項では、配当の受益所有者が日本の居住者である場合、台湾で課される税額は配当総額の10%を超えてはならないと定めています。財政部によると、この協定は2016年6月13日に発効し、2017年1月1日から適用されています。台湾では、2017年1月1日以降に支払うべき所得から源泉税の軽減が適用されます。配当の場合は、分配基準日が2017年1月1日以降かどうかで判断します。
10%の適用を受けるための申請手続きや必要書類(日本の居住者証明など)は、財政部の最新の案内と、子会社の取引銀行・会計事務所に確認してください。
源泉税の納付(所得稅法第92条)
所得稅法第92条では、源泉徴収をした者は、毎月10日までに前月分の源泉税を国庫に納めると定めています。また、毎年1月末までに前年分の扣繳憑單(源泉徴収票)を税務機関に提出し、2月10日までに納税者に交付するとしています。非居住者への支払いには別の期限が定められているので(同条但書)、具体的な期限は会計事務所に確認してください。
配当しない場合の未分配盈余加徵(所得稅法第66条の9)
所得稅法第66条の9では、2018年度(民国107年度)以降、営利事業がその年度の利益を分配しない場合、その未分配盈余に5%の営利事業所得税を上乗せして課すと定めています。配当するか、台湾で再投資するかを決めるときは、この上乗せ課税も考えに入れましょう。
送金の手続き(外国人投資条例と結匯)
台湾の「外國人投資條例」第12条では、承認を受けた外国人投資人は、投資で毎年得た利息や分配を受けた利益(配当)について、結匯を申請できると定めています。投資臺灣入口網(経済部)のFAQでは、利益の送金は、主管機関の承認文書と関係する証明書類を持って、外貨業務を扱う指定銀行で直接結匯できると説明しています。
中央銀行の「外匯收支或交易申報辦法」では、会社が1回に100万米ドル相当以上を結匯する場合、銀行が証明書類を確認してから手続きをするとしています(第5条)。配当金の送金では、株主総会の決議の記録や納税の証明などを求められることがあります。必要な書類は取引銀行に事前に確認してください。
日本側の取り扱い
日本の法人税には、外国子会社から受け取る配当の95%を益金不算入とする制度があります。主な条件は次のとおりです。
- 外国子会社の発行済株式などの25%以上(租税条約で別の割合が定められている場合はその割合)を持っていること
- その保有が、配当の支払義務が確定する日以前6か月以上続いていること
台湾で源泉徴収された税金を日本でどう扱うか(外国税額控除や損金算入の可否)は、この制度を使うかどうかで変わることがあります。この記事では確認できていないため、日本の税理士に確認してください(未確認)。
実務のチェックリスト
- 台湾子会社の決算が確定し、営利事業所得税の申告が済んでいるか
- 欠損の補塡と法定盈余公積10%の積み立てを反映した、配当可能な金額を計算したか
- 株主総会(または株主である日本本社)による分配の決議を記録したか
- 日台租税協定の10%の適用に必要な書類をそろえたか
- 源泉税を差し引いた金額で送金し、源泉税を期限までに納付したか
- 日本側で、益金不算入の条件と源泉税の扱いを確認したか
よくある質問
Q. 配当ではなく、ロイヤルティや業務委託料として送ることはできますか? A. 送金の名目は、実際の取引の内容に合っている必要があります。日台租税協定では、ロイヤルティ(権利金)や利息にも別の上限税率(10%など)が定められています。名目ごとの税務上の扱いは、専門家に確認してください。
Q. 未分配盈余の5%と、配当の源泉税はどちらが有利ですか? A. 会社の状況(再投資の予定、日本側の税務など)によって違います。この記事では比較の結論は示しません。
参考資料
- ジェトロ「台湾 税制」https://www.jetro.go.jp/world/asia/tw/invest_04.html (閲覧日 2026-10-23:未処分利益5%)
- 国税庁 https://www.nta.go.jp/ (外国子会社配当益金不算入の確認先)
- 全国法規資料庫「公司法」第232・237条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=J0080001 (閲覧日 2026-10-23)
- 全国法規資料庫「各類所得扣繳率標準」第3条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?PCode=G0340028 (閲覧日 2026-10-23)
- 全国法規資料庫「所得稅法」第66条の9・第92条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=G0340003 (閲覧日 2026-10-23)
- 全国法規資料庫「臺日租稅協定(中譯本)」第10条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=Y0040274 (閲覧日 2026-10-23)
- 財政部「臺日租稅協定 105年6月13日生效、106年1月1日適用」 https://www.mof.gov.tw/singlehtml/384fb3077bb349ea973e7fc6f13b6974?cntId=dot70257 (閲覧日 2026-10-23)
- 財政部「日本合夥如何適用臺日租稅協定」 https://www.mof.gov.tw/singlehtml/384fb3077bb349ea973e7fc6f13b6974?cntId=92856207f0b84284a9fa76e9226f9162 (閲覧日 2026-10-23)
- 全国法規資料庫「外國人投資條例」第12条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=J0040002 (閲覧日 2026-10-23)
- 全国法規資料庫「外匯收支或交易申報辦法」第5条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=G0450009 (閲覧日 2026-10-23)
內部編輯附錄
21%(扣繳率標準§3、財政部)及台日協定10%上限(協定§10)已核對 2026-10-23;fact_review 仍 pending。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。