役職の整理
| 役職 | 日本での近いイメージ | 主な役割 |
|---|---|---|
| 董事 | 取締役 | 経営の意思決定 |
| 董事長 | 代表取締役 | 会社を代表 |
| 監察人 | 監査役 | 業務・会計の監督(股份有限公司) |
| 経理人 | 支配人・マネージャー | 日常業務の執行 |
形態ごとの考え方
- 有限公司:董事を1〜3人置き、株主の中から選ぶ(会社法第108条)。監察人の制度はない
- 股份有限公司:董事会または少人数の董事、監察人(または監査委員会) 人数の要件は会社法と定款で確認します → 定款
日本人が就任する場合
人数の要件(会社法)
| 会社の種類 | 董事 | 監察人 |
|---|---|---|
| 有限会社 | 1人以上3人以下。行為能力のある株主の中から、株主の表決権の3分の2以上の同意で選ぶ(第108条) | なし |
| 株式会社(董事会あり) | 3人以上。株主総会で、行為能力のある人から選ぶ(第192条) | 株主総会で選ぶ。少なくとも1人は台湾に住所がある人(第216条) |
| 株式会社(董事会なし) | 定款で決めれば1人か2人。1人の場合はその人が董事長(第192条) | 同上 |
有限会社で董事が複数いる場合は、定款で董事長を1人置き、董事の過半数の同意で選ぶことができます。
任期(株式会社)
- 董事の任期は3年以内で、再任できます(第195条)。
- 監察人の任期も3年以内で、再任できます(第217条)。
- 任期が終わっても改選が間に合わない場合は、新しい人が就任するまで職務を続けます。ただし、主管機関が期限を決めて改選を命じ、それでも改選しなければ、期限が来た時点で自動的に退任になります。
兼任の制限
監察人は、その会社の董事、経理人、その他の職員を兼ねることはできません(第222条)。日本本社の社員を役員にする場合、誰を董事、誰を監察人にするかを分けて考えましょう。
日本本社(法人)が株主の場合(第27条)
政府や法人が株主の場合、その法人自体が董事や監察人に選ばれることができます。ただし、実際の職務は指定した個人(自然人)が行います。また、法人の代表者個人が董事や監察人に選ばれる方法もあります。代表者が複数いる場合、それぞれが選ばれることはできますが、同じ時期に董事と監察人を両方務めることはできません。代表者は職務上の関係でいつでも交代でき、交代した人は元の任期の残りを務めます。
経理人(第29条)
経理人は定款で決めれば置くことができます。任命・解任・報酬は次の方法で決めます(定款でより厳しい要件を決めていればそれに従います)。
- 有限会社:株主全員の表決権の過半数の同意
- 株式会社:董事会で、董事の過半数が出席し、出席董事の過半数の同意
「負責人」としての責任
会社法第8条では、有限会社と株式会社の董事を「会社の負責人」としています。経理人や株式会社の監察人なども、職務の範囲内では負責人として扱われます。また、董事でなくても、実際に董事の業務を行ったり、会社を実質的に支配したりしている人は、董事と同じ責任を負う場合があります。
第23条により、負責人は誠実に業務を行い、善良な管理者としての注意義務を負います。これに違反して会社に損害を与えた場合は、賠償責任を負います。また、業務で法令に違反して他人に損害を与えた場合は、会社と連帯して賠償する責任があります。
名前だけを貸すつもりで董事に就任しても、責任を負う可能性があることを知っておきましょう。
チェックリスト
- [ ] 会社の種類に応じた董事・監察人の人数を確認した
- [ ] 株式会社の監察人のうち1人は台湾に住所がある
- [ ] 監察人が董事・経理人を兼ねていない
- [ ] 日本本社が株主なら、法人として就任するか、代表者個人が就任するかを決めた
- [ ] 任期の終わる時期を管理している
董事会の運営(株式会社)
日本本社の役員が台湾法人の董事を兼ねる場合、毎回台湾に行って会議に出るのは負担になります。会社法では次のように定められています。
- 出席:董事は本人が出席するのが原則です。ただし、定款で認めていれば、ほかの董事に代理を頼めます(第205条)。
- オンライン会議:テレビ会議で参加した董事は、本人が出席したものとみなされます(第205条)。
- 代理の方法:代理を頼むときは、毎回委任状を出し、議題ごとに権限の範囲を書きます。1人の董事が代理できるのは1人分だけです。
- 決議:法律に別の定めがなければ、董事の過半数が出席し、出席した董事の過半数の同意で決めます(第206条)。
- 利害関係:議題に自分の利害が関わる董事は、その会議で利害関係の重要な内容を説明しなければなりません。配偶者や2親等以内の血族、董事が支配する会社などの利害関係も、董事本人の利害関係とみなされます。
- 董事長の選び方:常務董事を置いていない場合は、董事の3分の2以上が出席し、出席した董事の過半数の同意で董事長を1人選びます(第208条)。
テレビ会議を使えば、日本にいる董事も参加しやすくなります。議事録の作り方や保管の方法は、会計事務所や弁護士に確認しましょう。
役員を変えたときの手続き
董事や監察人、董事長が替わったときは、変更登記が必要です。手続きと期限は変更登記をご覧ください。株主総会で役員を選ぶ流れは株主総会にまとめています。
よくある質問
Q. 台湾に住んでいない日本人だけで董事会を作れますか? A. 董事について台湾に住所があることを求める規定は、この記事で確認した条文にはありませんでした。ただし、株式会社の監察人は少なくとも1人が台湾に住所のある人でなければなりません。銀行口座の開設など実務上の手続きで台湾に住む人が必要になるかどうかは未確認です。
Q. 董事に報酬を払う必要はありますか? A. 報酬の決め方はこの記事では未確認です。定款や株主総会での決め方を専門家に確認しましょう。
関連ガイド
参考資料
- 全国法規資料庫「会社法」https://law.moj.gov.tw/ (閲覧日 2026-10-23)
- 全国法規資料庫「公司法」第8条・第23条・第27条・第29条・第108条・第192条・第195条・第216条・第217条・第222条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=J0080001 (閲覧日 2026-10-23)
內部編輯附錄
董事人數已依§108/§192逐條核對後寫入。非居住者擔任董事之可否未確認(本文維持「可能な場合がある」)。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。