日本で商標を登録していても、台湾では保護されません。台湾で販売するなら、台湾でも商標を出願する必要があります。進出の話が具体的になる前に、早めに確認しておきましょう。
基本のポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出願先 | 経済部智慧財産局(TIPO) |
| 原則 | 先に出願した人が優先される(先願主義) |
| 存続期間 | 登録公告の日から10年。10年ごとに延長可能(商標法第33条) |
| 区分 | 商品・役務の国際分類(ニース分類)で指定 |
| 代理人 | 台湾に住所のない外国企業は、台湾の代理人(弁理士等)を通じて出願 |
進出前にやること
- 先行商標の調査:同じ・似た商標が台湾ですでに出願・登録されていないか、TIPOの検索システムで確認
- 出願する商標を決める:ロゴ、英字、日本語、中国語名(繁体字)。台湾の消費者が呼ぶ名前を想定
- 区分を決める:現在の商品だけでなく、将来扱う商品も
- 出願人を自社にする:代理店や現地パートナー名義で出願させない
起こりうるトラブル
- 進出前に第三者が先に出願していた
- 代理店が自社名義で出願し、契約終了後に商標を使えなくなった → 販売代理店の契約
- 中国語名を決めないまま現地で別の呼び名が広まった
条文で確認する商標のルール
台湾の商標制度は「商標法」で定められています。進出前に知っておきたい規定を、条文に沿って整理します。
登録しないと権利は生まれない(第2条・第35条)
商標権を得るには、商標法に基づいて登録を申請する必要があります(第2条)。登録すると、指定した商品・サービスについて商標権を持ち、同じ商品に同じ商標を使うことや、混同のおそれがある似た商標を使うことなどには、商標権者の同意が必要になります(第35条)。
日本で有名なブランドでも、台湾で登録していなければ、この保護を受けられない可能性があります。
何を商標にできるか(第18条)
商標は、文字、図形、記号、色、立体的な形、動き、ホログラム、音など、またはその組み合わせで、識別性があるものです。識別性とは、消費者がその商品やサービスの出どころを見分けられる性質のことです。
ロゴ、英字、日本語、中国語名を別々に出願するか、組み合わせて出願するかは、使い方に合わせて弁理士と相談しましょう。
出願日と同じ日の出願(第19条・第22条)
申請書を出した日が出願日になります(第19条)。同じ日に、同じまたは似た商標を、同じまたは似た商品について別々の人が出願し、どちらが先かわからない場合は、出願人どうしの協議で決め、まとまらなければくじ引きで決めます(第22条)。1日の差が結果を分けることがあるため、早めの出願が大切です。
日本の出願をもとにした優先権(第20条)
台湾と優先権を互いに認め合う国やWTOの加盟国で最初に出願した人は、その出願日から6か月以内に、台湾で同じ商標を同じ商品の全部または一部について出願すれば、優先権を主張できます。日本で出願したばかりの場合は、この期間を意識して台湾での出願を検討しましょう。日本からの出願にこの規定が当てはまるかの詳細は、弁理士に確認してください。
代理人が必要な場合(第6条)
台湾に住所や営業所がない場合は、代理人に依頼して手続きをする必要があります。代理人は、台湾に住所があり、商標代理の業務ができる専門職の人などに限られます。
権利の期間と延長(第33条・第34条)
- 商標権は、登録公告の日から10年間です。
- 延長の申請は、期間が終わる前の6か月以内に行います。期間が終わった後6か月以内でも申請できますが、延長の登録料が2倍になります(第34条)。
使わないと取り消されることがある(第63条)
登録した後、正当な理由なく3年以上使わない場合などは、登録が取り消されることがあります。ただし、使用許諾を受けた人が使っている場合は除かれます。進出が遅れる場合は、この点にも注意しましょう。
代理店との関係で気をつけること
代理店に商標を使わせる場合は、出願人・権利者を自社にしたうえで、使用を許諾する形にしておくと、契約が終わった後のトラブルを防ぎやすくなります。許諾の範囲や期間、契約終了後の扱いは契約書に書いておきましょう → 契約書
チェックリスト
- [ ] TIPOの検索で、英字・日本語・中国語名の先行商標を調べた
- [ ] 日本での出願日から6か月以内かを確認した(優先権)
- [ ] 指定する商品・サービスの区分を決めた
- [ ] 台湾の代理人を決めた
- [ ] 出願人を自社にした
- [ ] 登録後に使い続ける計画がある(3年の不使用に注意)
よくある質問
Q. 日本の商標登録があれば、台湾でも守られますか? A. 台湾で商標権を得るには、台湾の商標法に基づいて登録を申請する必要があります(第2条)。日本の登録だけで台湾の商標権が生まれるわけではありません。
Q. 中国語名も出願したほうがいいですか? A. 台湾で使う予定がある名前は、出願を検討する価値があります。中国語名を決めないうちに別の呼び名が広まることもあるため、進出の計画とあわせて考えましょう。
Q. 出願から登録までどのくらいかかりますか? A. 審査の期間はこの記事では未確認です。TIPOの最新の案内を確認するか、代理人に確認してください。
Q. 費用はいくらですか? A. 出願の料金や代理人の報酬は、この記事では扱いません。TIPOの料金表と代理人の見積もりを確認してください。
Q. 第三者がすでに出願していた場合は? A. 異議や無効の手続きなどが考えられますが、使えるかどうかは事情によります。早めに台湾の弁理士に相談しましょう。
次にすること
まずTIPOの商標検索で、自社ブランドの英字・日本語・中国語名を調べてみましょう。出願は台湾の弁理士に相談しましょう。
関連ガイド
参考資料
- 経済部智慧財産局 https://www.tipo.gov.tw/ (閲覧日 2026-10-23)
- 全国法規資料庫「商標法」https://law.moj.gov.tw/ (第2、6、18、19、20、22、33、34、35、63条を照合済み)
- 全國法規資料庫「商標法」第2、6、18、19、20、22、33、34、35、63條 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=J0070001 (閲覧日 2026-10-23)
內部編輯附錄
已照合商標法§2,6,18,19,20,22,33,34,35,63(存續期間自註冊公告日起10年);fact_review pending;不寫規費。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。