台湾では、雇用主が自由に労働者を解雇できるわけではなく、労働基準法に定める事由が必要です。

解雇の事由(概要)

  • 経営上の理由(廃業、損失、業務縮小など)や、労働者が職務に堪えない場合など(労働基準法第11条)→ 予告と資遣費が必要
  • 労働者に重大な違反がある場合(第12条)→ 予告なし・資遣費なしの解雇が認められ得るが、要件は厳格

予告期間

勤続期間に応じて予告期間が定められています(第16条)。予告に代えて予告期間分の賃金を支払う方法もあります。

資遣費(新制)

労工退休金条例の退職金制度が適用される労働者の場合(第12条): - 勤続1年ごとに平均賃金の0.5か月分 - 1年未満は按分 - 上限は平均賃金6か月分 - 契約終了後30日以内に支払う

手続き

  • 資遣する場合の通報(主管機関・公立職業紹介機関)
  • 保険の脱退 → 雇用主の負担コスト
  • 離職証明の発行

経営上の理由などによる解雇(労働基準法第11条)

雇用主が予告して契約を終了できるのは、次のどれかに当てはまる場合に限られます。

  1. 廃業または事業を譲渡するとき
  2. 赤字または業務を縮小するとき
  3. 不可抗力で1か月以上仕事を止めるとき
  4. 業務の性質が変わって人を減らす必要があり、配置できる適当な仕事がないとき
  5. 労働者が担当している仕事に本当に堪えられないとき

「業務を縮小する」「仕事に堪えられない」に当てはまるかどうかは、争いになりやすい点です。記録を残し、解雇の前に弁護士に相談しましょう。

予告なしで解雇できる場合(第12条)

労働者に次の事由がある場合、雇用主は予告なしで契約を終了できます。

  1. 契約のときにうその意思表示をし、雇用主に損害を与えるおそれがある
  2. 雇用主や家族、同僚などに暴行や重大な侮辱をした
  3. 懲役以上の刑が確定し、執行猶予や罰金への切り替えが認められなかった
  4. 労働契約や就業規則への違反が重大である
  5. わざと機械や製品などを壊した、または技術上・営業上の秘密を漏らして損害を与えた
  6. 正当な理由なく3日続けて欠勤した、または1か月に6日欠勤した

1・2・4・5・6を理由にする場合は、雇用主が事実を知った日から30日以内に契約を終了する必要があります。

予告期間(第16条)

第11条などで契約を終了する場合の予告期間は、勤続期間によって次のとおりです。

勤続期間 予告期間
3か月以上1年未満 10日前
1年以上3年未満 20日前
3年以上 30日前

予告を受けた労働者は、次の仕事を探すために勤務時間中に外出でき、その時間は1週間に2日分の勤務時間までです。この間の賃金も支払います。

旧制度の資遣費(第17条)

労働基準法の旧制度が適用される勤続期間については、1年ごとに平均賃金の1か月分、1年未満は按分で計算します(1か月未満は1か月として扱います)。これも契約終了から30日以内に支払います。新制度(0.5か月分)と旧制度のどちらが当てはまるかは、入社の時期と制度の選択によって変わる可能性があるため、退職金制度をあわせて確認しましょう。

資遣の通報(就業服務法第33条)

資遣する場合、雇用主は従業員が離職する10日前までに、名前・性別・年齢・住所・電話・仕事・資遣の理由・就職支援が必要かどうかなどを一覧にして、地方の主管機関と公立の職業紹介機関に通報します。天災など不可抗力による場合は、離職日から3日以内です。

労働者側から辞める場合(第14条・第15条)

労働者も、雇用主が暴行や重大な侮辱をした場合などには予告なしで契約を終了できます(第14条)。期間の定めのない契約で労働者が辞めるときは、第16条と同じ期間で予告します(第15条)。

離職証明(第19条)

契約が終わるとき、労働者が勤務証明書を求めたら、雇用主は断れません。

チェックリスト

  • [ ] 解雇の理由が第11条か第12条のどれに当たるか確認した
  • [ ] 第12条の場合、事実を知ってから30日以内か
  • [ ] 予告期間(または予告期間分の賃金)を確認した
  • [ ] 資遣の通報を離職の10日前までに行う
  • [ ] 資遣費を30日以内に支払う

解雇できない期間(第13条)

次の期間中は、原則として契約を終了できません。

  • 第50条による産前産後の休業中 → 産休・育休
  • 第59条による業務上の災害の治療中

ただし、天災や事変などの不可抗力で事業を続けられなくなり、主管機関の認定を受けた場合は例外です。

予告期間の賃金と資遣費を払わなくてよい場合(第18条)

次の場合、労働者は予告期間の賃金と資遣費を請求できません。

  • 第12条(労働者の重大な違反など)や第15条(労働者が自分から辞める場合)で契約が終わったとき
  • 期間の定めのある契約が満了して辞めるとき

平均賃金の計算(第2条)

資遣費の計算に使う「平均賃金」は、原則として、事由が発生した日の前6か月間に受け取った賃金の総額を、その期間の総日数で割った金額です。勤務が6か月に満たない場合は、勤務した期間の賃金総額をその日数で割ります。賞与や手当が「賃金」に含まれるかどうかで金額が変わるため、給与計算の記事もあわせて確認してください。

計算例(新制度)

平均賃金(月額)が50,000元で、勤続3年6か月の場合、新制度では次のように計算します。

  • 3年分:50,000元 × 0.5 × 3 = 75,000元
  • 6か月分:50,000元 × 0.5 × 6/12 = 12,500元
  • 合計:87,500元(上限は平均賃金6か月分=300,000元)

これは仕組みを説明するための例です。実際の金額は、平均賃金の計算や勤続期間の数え方によって変わります。

よくある質問

Q. 試用期間中なら自由に解雇できますか? A. 試用期間中の解雇の扱いは、この記事では未確認です。雇用契約の記事もご覧ください。

Q. 本人が同意すれば、資遣費なしで辞めてもらえますか? A. 合意による退職の扱いは個別の事情によるため、弁護士に相談しましょう。

関連ガイド

参考資料

  • 全国法規資料庫「労工退休金条例」第12条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=N0030020&flno=12 (閲覧日 2026-10-23、条文照合済み)
  • 全国法規資料庫「労働基準法」第11条・第12条・第16条 https://law.moj.gov.tw/
  • 全国法規資料庫「勞動基準法」第11条・第12条・第14条〜第17条・第19条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=N0030001 (閲覧日 2026-10-23)
  • 全国法規資料庫「就業服務法」第33条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=N0090001&flno=33 (閲覧日 2026-10-23)

內部編輯附錄

§12 退休金條例已核;勞基§11/12/16/17/19、就服§33已核。「予告に代えて賃金」之條文依據(§16III)未逐字核對。新舊制適用細節未確認。壞連結 /ja/labor/insurance/ 改為 employer-cost。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。