台湾に自社で法人を作らず、現地の販売代理店(ディストリビューター)を通じて販売する方法は、進出の選択肢の一つです。代理店選びと契約内容は、販売の結果に大きく関わります。
候補の見つけ方
- ジェトロなどの商談会・ビジネスマッチング
- 業界の展示会(日本・台湾)
- 同業の日本企業からの紹介
- 店頭やECで、自社に近い商品を扱っている輸入元を調べる
企業情報を確認する
候補が見つかったら、会社の登記情報(統一編号、設立年、資本金、代表者)を確認しましょう → 台湾企業の調べ方
面談で聞くこと
| テーマ | 質問例 |
|---|---|
| 販路 | どの小売・EC・業務用ルートに強いか |
| 取扱商品 | 競合商品を扱っていないか |
| 体制 | 営業人数、倉庫・物流、輸入許可の有無 |
| 販促 | 販促費の負担の考え方 |
| 実績 | 他の日本ブランドの扱い実績 |
契約で確認したい点
- 独占権の有無と範囲(台湾全域か、チャネル限定か)
- 期間と更新、解約条件
- 最低購入量・目標と、未達時の扱い
- 価格・支払条件・通貨
- 商標の扱い:代理店に商標を出願させない(自社名義で出願)→ 商標登録
- 在庫・返品、製品責任、準拠法と紛争解決
契約書は日本と台湾双方の法律に詳しい専門家に確認してもらいましょう。
次にすること
候補リストを作り、上の面談質問を使って2〜3社を比較しましょう。
「代理店」の形によって法律上の扱いが変わる
日本語では「代理店」とひとまとめに呼ばれることがありますが、契約の形によって法律上の扱いが変わります。
| 形 | 主な特徴 | 台湾の法律との関係 |
|---|---|---|
| 販売店(ディストリビューター) | 代理店が自社から商品を買い取り、自分の名前で再販売する | 主に売買契約として扱われると考えられる |
| 代理商(エージェント) | 代理店が自社の名前で、自社のために取引する | 民法の「代辦商」(第558条)などが関係する可能性がある |
どちらにあたるかは契約の内容で判断されるため、契約書を作る前に専門家に確認しましょう。
代辦商についての民法の規定(第558条・第561条)
- 代辦商とは、経理人ではなく、商号から委託を受けて、一定の場所や地域で、その商号の名前で事務の全部または一部を行う人です(第558条)。
- 代辦商は、委託された事務について、第三者との関係では必要な行為をすべて行う権限があるとみなされます(第558条)。代理店が自社の名前でどこまで行えるかを、契約で明確にしておくことが大切です。
- 期間を決めていない場合は、どちらからでも契約を終了できますが、3か月前に通知する必要があります(第561条)。
価格や販売先を縛るときの注意:公平交易法
代理店に販売価格や販売先の条件をつける場合は、台湾の公平交易法(独占禁止法に近い法律)に注意が必要です。
再販売価格の拘束(第19条)
事業者は、取引の相手が商品を第三者に転売するときの価格を制限してはいけません。ただし、正当な理由がある場合は除かれます。サービスにも同じルールが準用されます。
「台湾での販売価格は○○元以上にすること」といった条件を契約に入れる場合は、この規定に触れないか、専門家に確認しましょう。希望小売価格を示すことと、価格を拘束することの違いについては、公平交易委員会の情報を確認してください。
競争を制限するおそれのある行為(第20条)
競争を制限するおそれがある場合、正当な理由のない差別的な取り扱いや、取引の相手の事業活動を不当に制限することを条件にした取引などは禁止されています。独占販売権や販売地域の制限などの条件が問題になるかどうかは、事情によって判断されるため、専門家に確認してください。
契約書のチェック項目(詳しく)
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 契約の形 | 販売店か代理商か |
| 独占権 | 独占の有無、地域・チャネル、自社が直接売る場合の扱い |
| 期間・終了 | 期間、更新、終了の通知期間、終了後の在庫の扱い |
| 価格 | 卸価格、価格改定の方法。再販売価格を縛らない書き方か(公平交易法第19条) |
| 目標 | 最低購入量や目標と、達成できなかったときの扱い |
| 商標 | 権利者は自社、代理店には使用を許諾する形 → 商標登録 |
| 表示・許可 | 輸入や販売に必要な許可・登録をだれが取るか、名義はだれか |
| 責任 | 製品の欠陥、回収、クレーム対応の分担 |
| 紛争 | 準拠法、裁判か仲裁か → 紛争解決 |
とくに、輸入や販売の許可・登録を代理店の名義で取った場合、契約が終わった後に別の代理店へ切り替えにくくなる可能性があります。許可の名義と、契約終了時の協力義務を確認しておきましょう。
よくある質問
Q. 独占契約にしたほうがいいですか? A. 独占にすると代理店が力を入れやすくなる一方、成果が出ないときに切り替えにくくなる可能性があります。期間や目標とあわせて検討しましょう。
Q. 契約を途中でやめられますか? A. 契約書の終了条件によります。期間を決めていない代辦商の場合は、3か月前の通知で終了できるとされています(民法第561条)。
候補を比べるときの評価表(例)
| 観点 | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 強い販路(小売・EC・業務用) | |||
| 競合商品の取り扱い | |||
| 物流・倉庫の体制 | |||
| 必要な許可・登録 | |||
| 登記情報の確認結果 | |||
| 提案された条件 |
面談の内容は記録に残し、同じ質問で比べると判断しやすくなります。
契約の前に社内で決めておくこと
- 台湾で売りたい商品と、優先する販路
- 代理店に任せる範囲(輸入、在庫、販促、アフターサービス)
- 自社で直接販売する可能性(ECなど)を残すかどうか
関連ガイド
参考資料
- ジェトロ 台湾 https://www.jetro.go.jp/world/asia/tw/ (閲覧日 2026-10-23)
- 全國法規資料庫「公平交易法」第19、20條 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=J0150002 (閲覧日 2026-10-23)
- 全國法規資料庫「民法」第558、561條 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=B0000001 (閲覧日 2026-10-23)
內部編輯附錄
契約重點為一般性實務,專業審查 pending(法務)。已加公平交易法§19,20、民法代辦商§558,561;經銷契約定性未確認。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。