台湾の公傷病假と労災の賃金補償|治療期間は公傷病假で全勤獎金に影響せず、雇主は原賃金を補償、職災保険の傷病給付は4日目から最長2年
労災の治療期間は公傷病假。雇主は原賃金を補償。職災保険の傷病給付は4日目から最長2年。

台湾の子会社の従業員が、仕事中にけがをしたり、業務が原因で病気になったりした場合、通常の病気休暇とは別に、労災のための休暇と補償の制度があります。治療のための休暇は「公傷病假」といい、賃金の補償は、労働基準法と、職業災害保険の2つの仕組みが関わります。この記事では、勞工請假規則、労働基準法第59条、勞工職業災害保險及保護法(以下、職災保険法)にもとづいて、公傷病假、雇主の賃金補償、保険の傷病給付、全勤獎金と平均工資への影響を整理します。職災保険への加入や保険料の負担は、別の記事(台湾の職災保険と雇主の義務)で扱います。
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公傷病假
勞工請假規則第6条は、労働者が労災で、障害、けが、または病気になった場合、その治療や療養の期間に、公傷病假を与えると定めています。
普通傷病假にある日数の上限(未入院で1年に30日)は、第6条の公傷病假には書かれていません。期間は、治療と療養の期間です。
全勤獎金への影響
規則第9条第1項は、労働者が公傷病假を取ったとき、雇主は欠勤とみなして全勤獎金に影響させてはならないと定めています。婚姻休暇、喪假、公傷病假、公假が対象です。
雇主の賃金補償(労働基準法第59条)
労働基準法第59条は、労働者が労災で死亡、障害、けが、病気になったとき、雇主が次のように補償すると定めています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 医療費 | けがや職業病のとき、必要な医療費を補償する |
| 治療中の賃金 | 治療中で働けないときは、原賃金の額を補償する。ただし、治療期間が2年を過ぎても治らず、指定病院が原来の仕事の能力を失ったと診断し、障害補償の基準に当たらない場合、雇主は、40か月分の平均工資を一括で払って、賃金補償の責任を免れる |
| 障害補償 | 治療が終わり、障害が残ったと指定病院が診断したとき、平均工資と障害の程度に応じて一括で補償する |
| 死亡補償 | 労災で死亡したとき、葬祭費として5か月分の平均工資、遺族に一括で40か月分の平均工資を補償する |
同じ事故について、労工保険条例などの法令により、雇主がすでに費用を払って補償している場合は、雇主はその分を差し引くことができます(第59条ただし書)。
職災保険の傷病給付
職災保険法第42条第1項は、被保険者が労災で働けず、もとの給与を得られず、治療中の場合、働けなくなった日から数えて4日目から、傷病給付を請求できると定めています。第2項は、給付の額を、最初の2か月は平均月投保薪資、3か月目からは平均月投保薪資の70%と定めています。支払いは半月に1回で、最長2年です。
つまり、働けない最初の3日間は、傷病給付の対象になりません。この3日間の賃金の扱いは、公傷病假の賃金や、労働基準法第59条の補償との関係で、確認が必要です。この記事では、最初の3日間の賃金の扱いは確認していません。
平均工資への影響
施行細則第2条は、平均工資を計算するとき、労災の治療中の期間は計算に入れないと定めています(第2号)。そのため、公傷病假の期間に賃金が下がっても、平均工資は下がりません。
雇主の責任の整理
労働者が労災にあったとき、雇主は、保険の給付を受けるための書類(医療書単など)を、投保単位として出す義務があります(職災保険法第39条)。投保の手続きをしていなかった投保単位には、保険人が給付を出した後、その範囲の金額を期限を決めて納めるよう命じます(職災保険法第36条)。
手順
- 労災が起きたら、治療を受けさせ、医療書単を出す。
- 治療中の期間は、公傷病假として扱う。
- 公傷病假を理由に、全勤獎金を減らさない。
- 治療中で働けない期間は、職災保険の傷病給付(4日目から)と、雇主の賃金補償(労働基準法第59条)の関係を整理する。
- 治療が終わって障害が残る場合は、指定病院の診断を受け、障害補償を計算する。
- 平均工資の計算では、治療中の期間を除く。
注意点
- 公傷病假の日数に、通常の病気休暇のような上限は書かれていません。
- 傷病給付は4日目からです。最初の3日間は、給付の対象外です。
- 雇主が既に払った補償は、保険の給付と差し引き(抵充)できます。
よくある質問
労災のときの休暇は、何と呼びますか。
公傷病假です(勞工請假規則第6条)。
公傷病假を取ると、全勤獎金は減りますか。
減らせません(規則第9条第1項第1号)。
傷病給付は、いつから出ますか。
働けなくなった日から数えて4日目からです。最初の2か月は平均月投保薪資、3か月目からは70%、最長2年です(職災保険法第42条)。
治療が2年を超えたら。
指定病院が原来の仕事の能力を失ったと診断し、障害補償の基準に当たらない場合、雇主は、40か月分の平均工資を一括で払って、賃金補償の責任を免れます(労働基準法第59条第2号)。
出典
- 全國法規資料庫「勞工請假規則」第6・9條(2026-10-19 查證):勞工因職業災害而致失能、傷害或疾病者,其治療、休養期間,給予公傷病假。
- 全國法規資料庫「勞動基準法」第59條、「勞工職業災害保險及保護法」第42條(2026-10-19 查證):勞工在醫療中不能工作時,雇主應按其原領工資數額予以補償。