台湾の就業保険(失業給付)|加入できる外国人は限られる、給付は平均月投保薪資の60%で最長6か月(45歳以上は9か月)
失業給付は平均月投保薪資の60%で最長6か月、45歳以上は9か月。外国人の加入は限られる。

台湾の就業保険は、労工保険とは別の社会保険で、失業した労働者に給付を出す仕組みです。台湾の子会社が従業員を採用するとき、保険料の負担だけでなく、離職した従業員がどんな給付を受けられるかも、確認しておく必要があります。この記事では、就業保険法にもとづいて、加入できる人、給付の種類、失業給付の条件と金額、請領の手続き、請求権の時効を整理します。保険料の料率や負担割合は、別の記事(台湾の労工保険料率と負担割合)で扱います。外国人の加入の可否は、外国専門人材法の規定も関わるため、両方を確認します。
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加入できる人
就業保険法第5条第1項は、15歳以上65歳以下の雇われる労働者のうち、次の人が、雇主を保険の加入単位として、被保険者になると定めています。
- 中華民国の国籍を持つ人。
- 台湾に戸籍のある国民と結婚し、居留が認められて、法に従い台湾で働く外国人、大陸地区の人、香港やマカオの住民。
つまり、台湾の国籍がなく、台湾人との婚姻による居留の許可もない日本人の駐在員は、就業保険法の本文では、加入の対象に当たりません。これとは別に、外国専門人材法第25条は、外国専門人材、外国特定専門人材、外国高級専門人材のうち、台湾で雇われて働き、移民署から永久居留の許可を受けた人に、就業保険法を適用すると定めています。永住の許可が雇われた後に出た場合、雇主は許可の日に加入を届け出ます。
次の人は、加入できません(第5条第2項)。公教人員保険や軍人保険に加入する義務がある人、労工保険の老年給付や公教人員保険の養老給付をすでに受けた人、法令で登記が免除されていて、課税の決定がない、または統一発票の購票証がない雇主に雇われる人。2つ以上の雇主に雇われる場合は、1つを選んで加入します。
給付の種類
第10条は、給付を5種類に分けています。
| 給付 | 内容 |
|---|---|
| 失業給付 | 失業中の生活費 |
| 提早就業奨助津貼 | 早く再就職した場合の奨励 |
| 職業訓練生活津貼 | 全日制の職業訓練中の生活費 |
| 育嬰留職停薪津貼 | 育児休職中の給付 |
| 健康保険料の補助 | 失業した被保険者と加入する家族の全民健康保険料 |
失業給付の条件
第11条第1項第1号は、失業給付の請領の条件を、次のように定めています。
- 非自発的に離職して保険を脱退した日の前3年以内に、保険の年資が合計1年以上ある。
- 働く能力と、働き続ける意思がある。
- 公立の就業サービス機関で求職登記を行い、登記から14日以内に、仕事の紹介も職業訓練の手配もされない。
「非自発的離職」は、投保単位が工場を閉鎖、移転、休業、解散、破産宣告を受けて離職した場合、または労働基準法第11条、第13条ただし書、第14条、第20条の事由で離職した場合です(同条第3項)。定期契約が満了して離職した人は、満了後1か月を超えても就職できず、離職前の1年以内に契約期間が合計6か月以上あれば、非自発的離職とみなされます(同条第2項)。
自分の都合で辞めた場合は、失業給付の対象になりません。
金額と期間
第16条第1項は、失業給付を、離職して保険を脱退した月からさかのぼる6か月の平均月投保薪資の60%を、毎月支給すると定めています。期間は最長6か月です。ただし、離職して保険を脱退したときに45歳以上の人、または、社会行政の主管機関が発行した身心障害の証明書を持つ人は、最長9か月です。
経済の不況による大量の失業などの場合は、中央主管機関が、給付期間を最長9か月まで延ばし、必要なら最長12か月まで延長することがあります(同条第2項)。給付期間を満了した人が、2年以内に再び請求する場合は、給付は元の期間の2分の1までです(同条第5項)。
給付は、求職登記をした日から数えて15日目から始まります(第20条第1項)。
申請の手続き
第25条は、離職して保険を脱退した後2年以内に、離職の証明書類と、国民身分証などの身分証明書類を持って、本人が公立の就業サービス機関に行き、求職登記、失業の認定、就業相談を受けると定めています。書類が足りない場合は、7日以内に補正します。補正しないと、申請していないものとみなされます。
公立就業サービス機関は、求職登記をした日から14日以内に、仕事を紹介するか、職業訓練を手配します。できなければ、翌日に失業認定を終え、保険人(労工保険局)に給付を請求します。
給付を受ける権利は、請求できる日から2年間行使しないと、時効で消滅します(第24条)。
手順
- 従業員が就業保険の被保険者かどうかを、国籍と居留の種類で確認する。
- 従業員が離職するとき、離職の証明書類を、離職の理由が分かる内容で発行する。
- 本人は、離職して2年以内に、公立の就業サービス機関で求職登記を行う。
- 14日以内に仕事の紹介がなければ、失業認定を受ける。
- 給付の期間中は、再就職したときや、働いた収入があったときに、規定に従って通知する。
注意点
- 離職証明書の離職の理由は、非自発的離職かどうかの判断に使われます。事実と異なる理由を書かないようにします。
- 定期契約の満了による離職は、1か月を超えて就職できなかったことと、離職前1年間の契約期間の合計6か月以上が必要です。
- 外国人の駐在員の加入は、就業保険法の本文と外国専門人材法の両方を確認する必要があります。
よくある質問
台湾で働く日本人は、就業保険に入れますか。
就業保険法の本文では、台湾人との婚姻で居留している外国人などが対象です(第5条)。外国専門人材法による扱いは、別に確認します。
失業給付はいくらもらえますか。
離職前6か月の平均月投保薪資の60%です。最長6か月で、45歳以上は9か月です(第16条)。扶養する無収入の父母、配偶者、未成年の子、障害のある子がいる場合は、1人につき10%が加給され、最大20%までです(第19条の1)。
自己都合で退職した場合は。
非自発的離職ではないため、失業給付の対象になりません(第11条)。
申請の期限はありますか。
離職して保険を脱退した後2年以内に、求職登記と申請をします(第25条)。給付の請求権は2年で時効です(第24条)。
出典
- 全國法規資料庫「就業保險法」第5・10・11條(2026-10-19 查證):被保險人於非自願離職辦理退保當日前三年內,保險年資合計滿一年以上。
- 全國法規資料庫「就業保險法」第16・20・24・25條(2026-10-19 查證):失業給付按申請人離職辦理本保險退保之當月起前六個月平均月投保薪資百分之六十按月發給。