台湾の労工退職金の自願提繳(自主拠出)|新制の対象者(本国籍の労働者、台湾国民の配偶者、永久居留の外国人など)は賃金の6%まで、拠出分はその年の給与所得に課税されない、年2回まで率を調整、雇主は労働者から受け取って納付
対象は本国籍の労働者、台湾国民の配偶者、永久居留の外国人など。自願提繳は賃金の6%まで、拠出分は課税されない。

台湾の労工退休金新制の対象は、本国籍の労働者、台湾に戸籍のある国民と結婚して居留する外国人(離婚・死亡後も居留して働く人を含む)、永久居留を許可されて働く外国人などです(勞工退休金條例第7条第1項)。この対象の労働者について、雇主が賃金の6%以上を拠出する義務がありますが、労働者自身も、賃金の一部を上乗せして拠出できます。これを「自願提繳」といい、拠出した分は、その年の給与所得の課税対象から外れます。台湾の子会社が、従業員から自願提繳の申し出を受けたとき、雇主が行う手続きと、期限、率の調整の回数を把握しておく必要があります。この記事では、勞工退休金條例の第14条から第20条にもとづいて、自願提繳の上限、課税の扱い、率の調整、雇主の受け取りと納付、労働者が休職するときの申告を整理します。雇主の6%の拠出や、年金の請求は、別の記事(台湾の労工退職金の新制)で扱います。
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自願提繳の上限と課税
勞工退休金條例第14条第3項は、第7条に定める対象者(台湾国籍の労働者、台湾国民と結婚して居留する外国人、永住許可を受けた外国人など。いずれも労働基準法の適用がある人)が、毎月の賃金の6%の範囲で、自願して退職金を拠出できると定めています。自願提繳した退職金は、拠出した年度の給与所得の課税に含めません。
つまり、賃金が月に5万元なら、月に最大3,000元(6%)を自願提繳でき、その分は課税所得から除かれます。(算術は本稿のものです。)
月の賃金は、中央主管機関が決めた月提繳分級表で区分されます(第14条第5項)。上限の6%は、この月提繳分級表に当てはめた賃金に対する率です。
率の調整
第15条第1項は、同じ雇主の下で、自願提繳を含めて、1年のうちに労働者の退職金の提繳率を調整できるのは、2回までと定めています。調整するときは、雇主が、調整する月の月末までに、提繳率調整表を労保局に出して通知します。調整は、通知の翌月1日から効力が生じます。率は、小数点以下1桁までです。
賃金を調整した場合の申告の期限は、次のとおりです(同条第2項)。
- 当年の2月から7月に賃金を調整した場合:当年の8月末までに、調整後の月提繳賃金を労保局に通知する。
- 当年の8月から翌年の1月に賃金を調整した場合:翌年の2月末までに通知する。
いずれも、通知の翌月1日から効力が生じます。
雇主の手続き
雇用されている労働者が自願提繳する場合、雇主は、その分を労働者から受け取り、雇主負担の分と合わせて労保局に納めます。自願提繳は、自願提繳を申告した日から、離職または停繳を申告した日まで行われます(第19条第2項)。なお、第17条は、第7条第2項に当たる人(実際に労働する雇主、自営作業者、受委任者、労働基準法の適用がない労働者)が自願提繳する場合の手続きの規定で、雇用されている労働者の自願提繳の規定は第19条第2項です。
第18条は、雇主が、労働者の入社、離職、復職、死亡の日から7日以内に、一覧表で労保局に通知して、提繳の開始または停止の手続きをするよう定めています。
第19条第1項は、雇主が提繳して集める退職金の額は、労保局が納付書を作り、翌月の25日までに事業所へ送ると定めています。雇主は、その次の月の月末までに納めます。納付書の対象には、労働者の自願提繳の分も含まれます(同条第2項)。
第20条は、労働者が休職(留職停薪)、兵役、停職、勾留の判決前の状態になったとき、雇主は、その事由が生じた日から7日以内に、書面で労保局に提繳の停止を申告すると定めています。復職したときは、書面で提繳の開始を申告します。
年金保険の場合
勞工退休金條例は、個人専用口座の方式のほか、雇主が年金保険に加入する方式も定めています。年金保険の場合も、雇主が負担する保険料は、労働者の月の賃金の6%以上です(第36条第1項)。労働者が離職して再就職するとき、年金保険の契約は、新しい雇主が要保人になって引き継ぎます(第38条)。提繳率が新旧の雇主で違う場合の差額は、労働者の負担になります。ただし、新しい雇主が負担することもできます。
手順
- 従業員が自願提繳を希望した場合、率(0%から6%、小数点以下1桁まで)を確認する。
- 自願提繳の率(提繳率調整表)を、雇主が労保局に通知する。
- 労働者から自願提繳の分を受け取り、雇主の分とあわせて納める。
- 率を調整するときは、年2回までの範囲で、調整表を調整する月の月末までに通知する。
- 休職や復職があったときは、7日以内に、書面で申告する。
注意点
- 自願提繳の上限は、月提繳分級表に当てはめた賃金の6%です。
- 率の調整は、1年に2回までです。
- 課税の扱いは、拠出した年度の給与所得で除かれる、という扱いです。引き出すときの課税は、この記事では扱いません。
よくある質問
自願提繳は、何%まで可能ですか。
賃金の6%までです(勞工退休金條例第14条第3項)。
拠出分に課税されますか。
拠出した年度の給与所得の課税には含まれません(同項)。
率はいつでも変えられますか。
同じ雇主の下では、1年に2回までです(第15条第1項)。
従業員が休職するときは。
雇主は、事由が生じた日から7日以内に、書面で提繳の停止を労保局に申告します(第20条)。
出典
- 全國法規資料庫「勞工退休金條例」第14・15條(2026-10-19 查證):其自願提繳之退休金,不計入提繳年度薪資所得課稅。
- 全國法規資料庫「勞工退休金條例」第17・18・19・20・36・38條(2026-10-19 查證):雇主應提繳及收取之退休金數額,由勞保局繕具繳款單於次月二十五日前寄送事業單位。