台湾の会社の登記住所とバーチャルオフィス|建物所有者の同意書か賃貸契約書、稅籍登記の廃止は会社登記が先
登記住所は定款に載せ、同意書か賃貸契約書が必要。稅籍登記の廃止は6か月の休業などが事由で、会社登記の廃止が先。

台湾で会社を設立するとき、登記する住所を決める必要があります。バーチャルオフィスのように、事務所の住所だけを借りる形で登記できるかどうかを調べる日本の企業は少なくありません。この記事では、台湾の公司法、経済部の公司登記の添付書類一覧、稅籍登記規則の条文で確認できる範囲を整理します。結論を先に言うと、バーチャルオフィスという名前の形態に特化した規定は、調べた範囲では見つかりませんでした。登記住所に求められる書類と、住所が実態とずれたときの扱いが確認できる範囲です。
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住所は定款の必須事項
公司法第129条は、股份有限公司の発起人が全員の同意で定める定款に、会社名、事業内容、株式の総数などと並んで、「本公司所在地」を記載すると定めています。公司法第3条第1項は、会社は本公司の所在地を住所とする、と定めています。
登記に必要な書類
経済部商業司の「公司登記応附書表(股份有限公司)」は、設立登記の添付書類として、次の趣旨の書類を求めています(2018年版)。
- 建物所有権者の同意書の写しと、所有権の証明書類の写し。公司登記の所在地の建物所有者が出す同意書には、使用を認める会社の名称を記載します。
- 建物が会社の自有である場合、または賃貸契約書の写しを添付する場合は、同意書を省略できます。
同じ書類一覧には、設立登記費として、実収資本額4,000元につき1元を計算し、1,000元に満たない場合は1,000元を徴収する旨の記載もあります(2018年版。現行の登記費は、別途確認が必要です)。
商業(個人事業や合夥)の登記についても、商業登記申請辦法第5条第1項第4号が、所在地の建物所有権状を求めています。所有者が負責人や合夥人でない場合は、所有者の同意書が必要で、商業と所有者が結んだ賃貸契約書、または営業に使える旨を記載した賃貸契約書で代えられます。
稅籍登記と営業場所
稅籍登記規則は、営業人の事務所、営業所、店舗、事務所などの固定営業場所が対外的に営業する場合、営業を始める前に稅籍登記を申請すると定めています(第3条)。外国の事業が台湾に持つ固定営業場所も、所在地の主管稽徴機関に稅籍登記を申請します。会社そのものの稅籍登記は、これとは別で、同条第2項により、稽徴機関が会社登記の基本資料にもとづいて行い、申請したものとみなされます。
稅籍登記規則第11条第2項は、主管稽徴機関が、次の場合に職権または利害関係人の申請で稅籍登記を廃止できると定めています。
- 登記後6か月たっても営業を始めていない、または営業を始めた後に自ら停止して6か月に達した(正当な理由があって延長が認められた場合を除く)。
- 移転して6か月以上たっても変更登記を申請せず、稽徴機関の通知にも応じない。
- 登記後、関係機関の調査で営業の形跡がなく、建物の所有者が賃貸の事実がないと証明した。
3つ目は、登記した住所に実際の営業が見られない場合の規定です。
バーチャルオフィスについて
上の書類と条文は、登記する所在地の建物に、所有者の同意か賃貸契約があること、実際の営業の形跡があることを前提にしています。バーチャルオフィスの住所を使うことが認められるかどうかは、これらの公的な資料には書かれていません。実際に使う場合は、事業者との契約の内容が「賃貸契約書」や「所有者の同意書」として登記の窓口で受け付けられるか、事前に確認します。
手順
- 登記する住所を決め、建物の所有者を確認する。
- 所有者が自社でない場合は、所有者の同意書(会社名を記載)か、賃貸契約書の写しを用意する。
- 建物所有権の証明書類(登記謄本など)を用意する。
- 定款に、本公司所在地を記載する。
- 設立登記の後、会社の稅籍登記は稽徴機関が会社登記の基本資料にもとづいて行い、申請したものとみなされる(稅籍登記規則第3条第2項。インターネットなどで販売する場合は、核准日から15日以内の補辦が必要)。支店など別の固定営業場所は、営業を始める前に所在地の稽徴機関へ申請する(同条第3項)。
- 移転したときは、変更後15日以内に変更登記を申請する(公司登記辦法第4条、稅籍登記規則第8条)。移転後6か月変更登記をしないと、稅籍登記の廃止の対象になる(稅籍登記規則第11条第2項第2号)。
注意点
- バーチャルオフィスで登記できるかは、本稿の出典では確認できていません。窓口での受付の可否を事前に確認します。
- 会社の稅籍登記は、稅籍登記規則第11条第3項により、稽徴機関が登記主管機関に通報し、その機関が会社登記を撤銷または廃止した後でないと、廃止できません。ただし、登記主管機関が営業人の解散または歇業の登記を通報した場合は、この順序によりません。
- 添付書類は2018年版の書式にもとづきます。申請の前に、最新の書式を確認します。
- 住所の使用目的に関する建築や住居の規制は、本稿では扱いません。
よくある質問
台湾の会社の登記に、住所を証明する書類は必要ですか。
建物所有者の同意書と所有権の証明書類、または賃貸契約書の写しが必要です。建物が会社の自有なら同意書は不要です。
同意書に何を書きますか。
使用を認める会社の名称を記載します(経済部商業司の添付書類一覧)。
登記した住所で営業しないと、どうなりますか。
登記後、営業の形跡がないと調査で分かり、建物所有者が賃貸の事実がないと証明した場合は、稅籍登記の廃止の事由になります(稅籍登記規則第11条第2項第3号)。会社の場合は、会社登記の撤銷・廃止が先です(同条第3項)。
バーチャルオフィスの住所で登記できますか。
調べた範囲では、専用の規定は見つかりませんでした。窓口に確認します。
出典
- 全國法規資料庫「公司法」第3・129條(2026-10-17 查證):載明下列各款事項…四、本公司所在地。
- 全國法規資料庫「稅籍登記規則」第3・11條(2026-10-17 查證):登記後經有關機關調查,發現無營業跡象,並經房屋所有權人證明無租借房屋情事。
- 全國法規資料庫「商業登記申請辦法」第5條(2026-10-17 查證):所在地之建物所有權狀,所有權人非商業負責人或合夥人者,應附具所有權人同意書。
- 經濟部商業司「公司登記應附書表(股份有限公司)」(2026-10-17 查證):建物為公司所自有者或檢附租賃契約影本,免附同意書。