台湾の会社登記と許認可業務|公司法第17条の「許可を先に取る」順序と登記期限15日
許可が要る業種は許可文書を得てから登記申請。設立・変更登記は15日以内、6か月で開業できなければ延展登記。
台湾で会社を設立するとき、定款や資本金の手続きだけでなく、事業内容によっては、所管官庁の許可を先に取らなければなりません。公司法第17条は、法律または法律にもとづく命令で政府の許可が必要な業務は、許可文書を取得した後でなければ、会社登記を申請できないと定めています。この記事では、許可と登記の関係、登記後に守る期限、許可が取り消されたときの扱いを、条文で整理します。業種ごとの許可の一覧は、本稿では扱いません。
許可と登記の順序
公司法第17条第1項は、会社の業務が、法律または法律にもとづく命令で政府の許可を要するときは、許可文書を取得した後に会社登記を申請できると定めています。商業登記法第6条にも、商業(個人事業や合夥)について同じ趣旨の規定があります。
許可を得た後に、許可が取り消され、または廃止されて確定した場合は、公司法第17条第2項により、所管の目的事業主管機関が中央主管機関に通知し、会社登記の全部または一部の事項が取り消されることがあります。
許可が必要かどうかは、会社が営む業務の内容で決まります。具体例として、法令が許可や登録を求める代表例は次のとおりです。
| 業務 | 根拠の条文 | 内容 |
|---|---|---|
| 食品業 | 食品安全衛生管理法第8条 | 中央主管機関が公告した類別・規模の食品業者は、登録を申請してから営業する |
| 民間の職業紹介 | 就業服務法第34条 | 私立就業服務機関は、設立許可を申請し、許可証を得てから業務を行う |
表は代表例にすぎません。自社の営業項目が許可の対象かどうかは、営業項目ごとに所管官庁を確認します。
登記後の期限
公司登記辦法は、登記の期限を日数で定めています。
| 事由 | 期限 | 条文 |
|---|---|---|
| 設立登記(有限公司は定款の作成後、股份有限公司は代表者の就任後) | 15日以内 | 公司登記辦法第2条 |
| 登記事項の変更 | 変更後15日以内 | 公司登記辦法第4条 |
| 1か月以上の停業 | 停業前または停業の日から15日以内に停業登記、復業前または復業後15日以内に復業登記 | 公司登記辦法第3条 |
| 設立登記後6か月以内に営業を始められない場合 | 6か月の期限内に延展開業登記を申請 | 公司登記辦法第3条 |
停業と延展開業の期間は、1回あたり最長1年です(公司登記辦法第3条)。なお、加值型及非加值型營業稅法の規定にもとづいて申告・届出をした会社は、停業登記の対象から外れます。
登記を怠った場合の影響
公司法第12条は、登記すべき事項を登記しない、または登記済みの事項が変わったのに変更登記をしない場合、その事項を第三者に対抗できないと定めています。たとえば、代表者が交代したのに変更登記をしていなければ、第三者との取引で、交代を主張できない場合があります。
さらに公司法第10条は、次の場合に主管機関が会社に解散を命じることができると定めています。
- 設立登記後6か月たっても営業を始めていない(延展登記をした場合を除く)。
- 営業を始めた後、自ら6か月以上営業を止めた(停業登記をした場合を除く)。
手順
- 会社の営業項目を決め、各項目に許可・登録が必要な法令がないかを確認する。
- 許可が必要な項目は、所管官庁に許可を申請し、許可文書を受け取る。
- 許可文書を添えて、設立登記を申請する。
- 設立登記後6か月以内に営業を始められない場合は、その期間内に延展開業登記を申請する(1回の延展は最長1年)。
- 役員や所在地など登記事項が変わったら、15日以内に変更登記を行う。
- 営業を1か月以上止めるときは、停業登記または營業稅法上の手続きを確認する。
注意点
- 許可の要否は営業項目ごとに決まります。同じ会社でも、許可が必要な項目と不要な項目が混在し得ます。
- 15日の数え方や、休日にあたる場合の扱いは、本稿では確認していません。申請の窓口に確認します。
- 公司登記辦法の別表で定める添付書類は、会社の種類で異なります。
- 外国人の投資に関する制限は、別の法令で定められています。本稿は扱っていません。
よくある質問
許可がまだ下りていない状態で、先に登記してよいですか。
許可が必要な業務を営業項目に入れる場合は、公司法第17条により、許可文書を取得した後でなければ登記を申請できません。
設立後すぐに営業を始められないときはどうしますか。
設立登記後、6か月以内に営業を始められない場合は、その期限内に延展開業登記を申請します。1回の延展は最長1年です。
役員が変わったとき、登記はいつまでに必要ですか。
登記事項の変更は、変更後15日以内に主管機関へ申請します(公司登記辦法第4条)。
許可が取り消されたら、会社はどうなりますか。
目的事業主管機関が中央主管機関に通知し、会社登記の全部または一部が取り消される場合があります(公司法第17条第2項)。
出典
- 全國法規資料庫「公司法」第10・12・17條(2026-10-17 查證):領得許可文件後,方得申請公司登記。
- 全國法規資料庫「公司登記辦法」第2・3・4條(2026-10-17 查證):十五日內申請為停業之登記。
- 全國法規資料庫「商業登記法」第6條(2026-10-17 查證):領得許可文件後,方得申請商業登記。
- 全國法規資料庫「食品安全衛生管理法」第8條、「就業服務法」第34條(2026-10-17 查證):應向中央或直轄市、縣(市)主管機關申請登錄,始得營業。