台湾の未消化の特別休暇の買取|年度末か契約終了時に未休の日数の賃金を支払う、1日の賃金は「前日の正常な賃金」、年度終了後30日以内に支払い
未消化の特別休暇は、年度末か契約終了時に賃金で精算。年度終了後30日以内に支払う。

台湾の子会社で、従業員が特別休暇(年次有給休暇)を使い切らないまま、年度が終わる、あるいは退職する場合、雇主は、未消化の日数分の賃金を支払う必要があります。特別休暇は、年度の終わりに精算するのが基本です。この記事では、労働基準法第38条と同法施行細則第24条の1にもとづいて、買取りの対象、1日の賃金の計算、支払いの期限、翌年度への繰越し、賃金台帳への記載、争いになったときの挙証責任を整理します。特別休暇の日数そのものは、別の記事(台湾の特別休暇)で扱います。
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買取りの対象
労働基準法第38条第4項は、特別休暇のうち、年度の終了または契約の終了で、まだ使っていない日数について、雇主が賃金を支払うと定めています。ただし、年度の終了時に使っていない日数を、雇主と労働者が協議して次の年度に繰り越した場合は、次の年度の終了時、または契約の終了時に、なお休まなかった日数について、賃金を支払います。
つまり、特別休暇の日数は、原則として、その年度のうちに、休暇で消化するか、賃金で精算するかのどちらかになります。繰り越すのは、労使が協議して合意した場合だけです。
年度の終わりの数え方
施行細則第24条の1第1項は、第38条第4項の「年度終結」を、特別休暇を数える期間(前条第2項の期間)の満了日とします。施行細則第24条第2項は、特別休暇を使える期間を、労使が協議して、次のどれかにできると定めています。入社日から数えて1年ごとの期間(勤続6か月以上1年未満の場合は、権利を得てから6か月の期間)、毎年1月1日から12月31日まで、学校の学年度、会社の会計年度、または労使が約束した年度の期間です。どれを使うかで、年度の終わりの日が変わります。雇主は、労働者が特別休暇の条件を満たした日から30日以内に、日程を決めるよう労働者に知らせます(同条第3項)。
1日あたりの賃金
施行細則第24条の1第2項は、賃金を次のように計算すると定めています。
- 未消化の特別休暇の日数に、1日の賃金をかける。
- 1日の賃金は、労働者が、年度の終了または契約の終了の前日に、正常な労働時間で得た賃金。月給制の場合は、年度の終了または契約の終了の前日に最も近い1か月間の、正常な労働時間の賃金を30で割った額。
- 労使が協議して翌年度に繰り越した日数は、元の特別休暇の年度の終了時に支払うはずの賃金の基準で計算する。
つまり、繰り越した日数を、後で賃金で精算する場合、基準は元の年度の終了時の賃金です。繰り越した後に昇給しても、昇給後の賃金では計算しません。
支払いの期限
第24条の1第2項第2号は、支払いの期限を、次のように定めています。
- 年度の終了のとき:契約で決めた賃金の支払日、または、年度の終了後30日以内。
- 契約の終了のとき:施行細則第9条により、雇主は直ちに賃金を清算して支払う。
繰り越した日数は、翌年度に休暇を取るとき、優先して差し引かれます(第24条の1第3項)。
賃金台帳への記載と通知
第38条第5項は、雇主が、各労働者の特別休暇の期日と、未消化の日数について支払った賃金の額を、第23条の賃金台帳に書き、毎年定期に、その内容を書面で労働者に通知しなければならないと定めています。賃金台帳は、5年間保存します(第23条第2項)。
また、第38条第3項は、労働者が特別休暇の条件を満たしたとき、雇主が、特別休暇の日程を決めるよう、労働者に知らせなければならないと定めています。
争いになったとき
第38条第6項は、労働者がこの条の権利を主張したとき、雇主が、その権利は存在しないと考えるなら、雇主が証明する責任を負うと定めています。たとえば、雇主が「休暇を消化させた」「協議して繰り越した」と主張するなら、その記録は雇主が示す必要があります。
手順
- 従業員ごとに、特別休暇の年度の期間と、年度の終わりの日を確認する。
- 年度の終わりの前に、未消化の日数を調べ、日程を決めるよう従業員に知らせる。
- 繰り越す場合は、労使の協議の記録を残す。
- 未消化の日数に、年度の終了の前日の1日の賃金をかけて、支払額を計算する。
- 年度の終了後30日以内(または賃金の支払日)に支払う。
- 賃金台帳に特別休暇の期日と支払額を書き、書面で従業員に通知する。
注意点
- 月給制の1日の賃金は、前日に最も近い1か月間の正常な賃金を30で割ります。
- 繰り越す場合は、協議が必要です。雇主が一方的に繰り越すことはできません。
- 賃金台帳は5年間保存します。
よくある質問
特別休暇を使い切らずに年度が終わったら。
未消化の日数分の賃金を、雇主が支払います(労働基準法第38条第4項)。
1日の賃金は、どう計算しますか。
年度の終了または契約の終了の前日の、正常な労働時間で得た賃金です。月給制なら、前日に最も近い1か月間の賃金を30で割ります(施行細則第24条の1第2項)。
いつまでに支払いますか。
契約で決めた賃金の支払日、または年度の終了後30日以内です(施行細則第24条の1第2項第2号)。
翌年度に繰り越せますか。
労使が協議して合意すれば繰り越せます。繰り越した日数は、翌年度に休暇を取るとき、優先して差し引かれます(第38条第4項但書、施行細則第24条の1第3項)。
出典
- 全國法規資料庫「勞動基準法」第23・38條(2026-10-19 查證):勞工之特別休假,因年度終結或契約終止而未休之日數,雇主應發給工資。
- 全國法規資料庫「勞動基準法施行細則」第24-1條(2026-10-19 查證):發給工資之期限:年度終結:於契約約定之工資給付日發給或於年度終結後三十日內發給。