台湾の税務の不服申立て手続き|稅捐稽徵法第35条は復査の申請を原則30日以内、復査決定は2か月以内、その後の訴願は30日以内、行政訴訟は訴願決定の送達後2か月以内
税の処分への不服は、まず30日以内に復査を申請。決定は2か月以内。その後の訴願は30日以内、行政訴訟は2か月以内。

台湾の子会社や支店が、税務署(稅捐稽徵機関)から、納税額の通知を受けたり、税務調査の結果で追加の税額を求められたりしたとき、その処分に不服があるなら、決まった手順と期限の中で、不服を申し立てる必要があります。期限を過ぎると、処分を争えなくなるおそれがあります。この記事では、台湾の稅捐稽徵法の第35条、第38条から第40条と、訴願法の第14条、行政訴訟法の第106条にもとづいて、復査、訴願、行政訴訟の順で、期限、強制執行の猶予、還付と追徴の利息を整理します。調査の手続きや、罰鍰の細則は、この記事では扱いません。
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手続きの流れ
台湾の税の不服申立ては、次の順で進みます。
- 復査:処分をした稅捐稽徵機関に申請する。
- 訴願:復査の決定に不服があるとき、上級の機関に申し立てる。
- 行政訴訟:訴願の決定に不服があるとき、行政法院に訴える。
稅捐稽徵法第38条第1項は、納税義務者が、復査の決定に不服があるときは、法にもとづいて訴願と行政訴訟を提起できると定めています。
復査の申請
第35条第1項は、納税義務者が、課税の処分に不服があるときは、所定の様式で理由を記し、証明の書類を添えて、次の期限内に復査を申請すると定めています。
| 場合 | 期限 |
|---|---|
| 核定税額通知書に、納めるべき税額または追徴の税額がある場合 | 納付書が送達された後、納付期間が満了した翌日から30日以内 |
| 核定税額通知書に、納める税額も追徴の税額もない場合 | 通知書が送達された翌日から30日以内 |
| 公告をもって通知書に代える場合 | 公告の翌日から30日以内 |
申請の日は、稽徴機関が申請書を受け取った日です。郵便で出した場合は、発信地の消印の日付です(同条第2項)。
天災、事変、不可抗力で期限を過ぎたときは、その原因がなくなった後1か月以内に、具体的な証明を添えて、元の状態に戻す申請ができます。ただし、期限を過ぎて1年を超えた場合は申請できません(同条第3項)。
復査の決定の期限
第35条第4項は、稽徴機関が、復査の申請書を受け取った日の翌日から2か月以内に、復査の決定をして、決定書で納税義務者に通知すると定めています。この期間が過ぎても決定が出ない場合は、納税義務者は、そのまま訴願を提起できます(同条第5項)。
訴願
訴願法第14条第1項は、訴願は、行政処分が到達した日(または公告期間が満了した日)の翌日から30日以内に提起すると定めています。復査の決定に不服の場合は、決定の到達の翌日から数えます。
行政訴訟
行政訴訟法第106条第1項は、訴願を経て行政訴訟を提起するときは、訴願決定書が送達された後、2か月の不変期間内に提起しなければならないと定めています。訴願の決定書が送達された後、3年を過ぎた場合は、提起できません(同条第2項)。
強制執行の猶予
稅捐稽徵法第39条第1項は、納税義務者が納めるべき税を、納付期間が満了して30日を過ぎても納めない場合、稽徴機関が強制執行に移すと定めています。ただし、納税義務者が、第35条にもとづいて復査を申請している場合は、移送を猶予します。
猶予した案件は、次の場合を除いて、強制執行に移されます(同条第2項)。
- 納税義務者が、復査の決定で定められた納税額の3分の1を納め、法にもとづいて訴願を提起した。
- 3分の1の納付が難しく、稽徴機関の許可を得て、相当の担保を提供した。
- 上の2つが難しく、稽徴機関が、復査の決定で定められた納税額に相当する財産について、移転や他項権利の設定をしないよう、関係機関に通知した。
還付と追徴の利息
復査、訴願、行政訴訟で、税の還付が決まった場合、稽徴機関は、決定書や判決書の正本を受け取った後10日以内に還付します。納税義務者が税を払った日から還付の日まで、郵便貯金の1年定期の固定金利で、日割りの利息も加えて返します(第38条第2項)。
税の追徴が決まった場合は、決定書などを受け取った後10日以内に、追徴の納付通知書を出します。元の納付期間が満了した翌日から通知書を出した日まで、同じ固定金利の利息も徴収されます(同条第3項)。
手順
- 税の通知書を受け取ったら、種類(納付書の有無)を確認し、30日の期限を計算する。
- 理由を記した復査の申請書と、証明の書類を、期限内に稽徴機関に提出する。
- 納付期間の満了から30日を過ぎる前に、強制執行の猶予が必要か確認する。
- 復査の決定に不服なら、30日以内に訴願を提起する。
- 訴願の決定に不服なら、決定書の送達後2か月以内に、行政法院に提訴する。
注意点
- 復査の期限は、30日です。起算の日は、通知書の種類で異なります。
- 復査の決定が2か月以内に出ない場合は、訴願へ進めます。
- 強制執行を猶予してもらうには、3分の1の納付や担保が必要な場合があります。
- 行政訴訟の期間は、2か月の不変期間です。
よくある質問
税の処分に不服なとき、最初にすることは。
稽徴機関に、復査を申請します。期限は、原則として30日以内です(稅捐稽徵法第35条)。
復査の結果は、いつまでに出ますか。
申請書を受け取った翌日から2か月以内です(同条第4項)。
税を払わずに争えますか。
復査の間は強制執行への移送が猶予されます。復査の決定のあと訴願をする場合は、3分の1の納付などが条件です(第39条)。
行政訴訟はいつまでに起こしますか。
訴願の決定書が送達された後、2か月以内です(行政訴訟法第106条)。
出典
- 全國法規資料庫「稅捐稽徵法」第35・38・39・40條(2026-10-19 查證):應於繳款書送達後,於繳納期間屆滿之翌日起三十日內,申請復查。
- 全國法規資料庫「訴願法」第14條、「行政訴訟法」第106條(2026-10-19 查證):應於訴願決定書送達後二個月之不變期間內為之。