台湾の本票(約束手形)と支票(小切手)の要件|票據法は本票8項目・支票8項目の記載を求め、本票は裁判所の裁定で強制執行でき、発行人への時効は本票3年・支票1年
本票は8項目の記載が必要で、裁定で強制執行できる。発行人への時効は本票3年、支票1年。

台湾の取引先から、代金の支払いとして、本票や支票を受け取る日本企業は、台湾の票據法が定める記載事項、提示の期限、時効を確認しておく必要があります。この記事では、票據法の第22条、第120条から第124条、第125条、第128条、第130条、第141条にもとづいて、本票と支票の記載事項、記載が欠けた場合の扱い、強制執行、提示の期限、時効、空頭支票の罰則を整理します。為替手形(匯票)や、拒絶証書の細則は、この記事では扱いません。
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本票の記載事項
票據法第120条第1項は、本票に次の事項を記載し、発行人が署名するよう定めています。
| 号 | 内容 |
|---|---|
| 第1号 | 本票であることを表す文字 |
| 第2号 | 一定の金額 |
| 第3号 | 受取人の氏名または商号 |
| 第4号 | 無条件で支払いを引き受けること |
| 第5号 | 発行地 |
| 第6号 | 発行の年月日 |
| 第7号 | 支払地 |
| 第8号 | 満期日 |
記載がない場合の扱いも定められています。満期日の記載がなければ、一覧払い(見票即付)とみなされます。受取人の記載がなければ、所持人(執票人)が受取人です。発行地の記載がなければ、発行人の営業所、住所または居所の所在地が発行地で、支払地の記載がなければ、発行地が支払地です(同条第2項から第5項)。
一覧払いで受取人の記載がない本票は、金額が500元以上でなければなりません(同条第6項)。
発行人の責任と強制執行
第121条は、本票の発行人の責任は、為替手形の引受人と同じと定めています。執票人が、本票の発行人に対して遡及権(さかのぼって請求する権利)を行使するときは、裁判所に裁定を申し立てて、強制執行をすることができます(第123条)。
支票の記載事項
第125条第1項は、支票に次の事項を記載し、発行人が署名するよう定めています。
- 支票であることを表す文字。
- 一定の金額。
- 支払人の商号。
- 受取人の氏名または商号。
- 無条件で支払いを委託すること。
- 発行地。
- 発行の年月日。
- 支払地。
受取人の記載がなければ、執票人が受取人です(同条第2項)。発行地の記載がなければ、発行人の営業所、住所または居所が発行地です(第3項)。発行人は、自分または支払人を受取人にでき、自分を支払人にすることもできます(第4項)。
支票の特徴と提示の期限
支票は、一覧払いに限られます。これと異なる記載は無効です(第128条第1項)。票面の発行日より前に、執票人は支払いの提示をすることができません(同条第2項)。
第130条は、執票人が支払いを提示する期限を、次のとおり定めています。
- 発行地と支払地が、同じ省(市)区内にある場合:発行日から7日以内。
- 発行地と支払地が、同じ省(市)区内にない場合:発行日から15日以内。
- 発行地が外国で、支払地が台湾にある場合:発行日から2か月以内。
時効
第22条は、票據上の権利の時効を、次のとおり定めています。
- 本票の発行人に対する権利:満期日から3年(一覧払いの本票は、発行日から3年)。
- 支票の発行人に対する権利:発行日から1年。
- 本票の執票人の前者への遡及権:拒絶証書を作成した日から1年。
- 支票の執票人の前者への遡及権:4か月。
- 本票の裏書人の前者への遡及権:弁済の日、または訴えられた日から6か月。支票の裏書人は、2か月。
時効や手続きの欠缺で、票據上の権利が消滅しても、執票人は、発行人または引受人に対して、受けた利益の限度で返還を請求できます(同条第4項)。
空頭支票の罰則
第141条第1項は、発行人が預金残高がなく、支払人の立替もないのに支票を発行し、執票人が提示しても支払われなかった場合は、3年以下の有期懲役、拘役、または支票の金額以下の罰金(併科もあり)と定めています。金額が預金額を超えると知って発行した場合などにも、同様の規定があります(同条第2項、第3項)。
手順
- 受け取った本票が、第120条の8項目の記載を満たしているかを確認する。
- 支票は、発行日、支払地を確認し、第130条の期限内に提示する。
- 満期日を過ぎたら、本票の発行人に請求する。支払われなければ、裁判所に強制執行の裁定を求める。
- 発行人への時効の期限を、本票は満期日から3年、支票は発行日から1年で管理する。裏書人への遡及権は、別の短い期間がある(第22条第2項、第3項)。
注意点
- 記載が欠けている場合に条文が補うのは、本票では満期日、受取人、発行地、支払地の4項目(第120条第2〜5項)、支票では受取人と発行地の2項目(第125条第2項、第3項)です。
- 支票の提示期限は、発行地と支払地の関係で、7日・15日・2か月に分かれます。
- 記載事項や期限は、票據法の条文で確認します。
よくある質問
本票があれば、裁判なしで強制執行できますか。
裁判所に裁定を申し立てたうえで、強制執行ができます(票據法第123条)。
支票はいつまでに銀行に出しますか。
発行日から、7日、15日、または2か月以内です(第130条)。
支票の時効は。
発行人に対しては、発行日から1年です(第22条第1項)。
預金がないのに支票を切ったら。
3年以下の有期懲役などの刑事罰の対象になります(第141条)。
出典
- 全國法規資料庫「票據法」第120・121・122・123・124條(2026-10-19 查證):執票人向本票發票人行使追索權時,得聲請法院裁定後強制執行。
- 全國法規資料庫「票據法」第22・125・128・130・141條(2026-10-19 查證):對支票發票人自發票日起算,一年間不行使,因時效而消滅。