台湾の営業税で控除できない仕入税額|交際費・社員への報酬・9人乗り以下の自家用車・証憑がない仕入れの5類型
控除できない進項税額は5類型。証憑なし、本業外、交際費、社員個人への報酬、自家用乗用車。

台湾の営業税は、売上にかかる営業税(銷項税額)から、仕入れや経費にかかった営業税(進項税額)を差し引いて納める仕組みです。ただし、仕入れにかかった営業税のすべてが差し引けるわけではなく、営業税法第19条が、差し引けない5つの類型を決めています。台湾の子会社が、接待をする、社用車を買う、従業員に物品を支給するときは、控除できない営業税が含まれていないかを確認する必要があります。この記事では、第19条の5類型、施行細則による用語の定義、控除に必要な証憑、一部が控除できない営業人の扱いを、条文で整理します。営業税の免税項目や、申告の頻度は、別の記事で扱います。
あわせて読みたい:台湾の営業税(VAT)の基本|標準税率5%・零税率・免税と仕入税額控除の対象外
控除に必要な証憑
営業税法第33条は、進項税額を控除するには、営業人の名称、住所、統一編号が載った証憑が必要だと定めています。証憑は、次のいずれかです。
- 貨物や役務を買ったときに取得した、営業税額が載っている統一発票。
- 自社が貨物や役務を販売したものとみなされる場合に、自社で出した、営業税額が載っている統一発票。
- その他、財政部が認めた、営業税額が載っている証憑。
この証憑を、規定どおりに取得せず、保存もしていない仕入れは、第19条第1項第1号により、進項税額を控除できません。
控除できない5類型
第19条第1項は、次の5つを挙げています。
| 号 | 内容 |
|---|---|
| 第1号 | 購入した貨物や役務について、第33条の証憑を、規定どおりに取得して保存していない |
| 第2号 | 本業と、その附属業務に使わない貨物や役務。ただし、国防建設の協力、軍隊の慰労、政府への寄付は除く |
| 第3号 | 交際や接待に使う貨物や役務 |
| 第4号 | 従業員の個人に報酬として渡す貨物や役務 |
| 第5号 | 自家用の乗用の小型自動車 |
施行細則による定義
加値型及非加値型營業稅法施行細則第26条は、第19条の2つの用語を、次のように定義しています。
- 「交際応酬用の貨物または役務」:宴席での接待と、業務の推進と関係のない贈答を含む。
- 「自家用の乗人小汽車」:販売や役務の提供に使わない、9人乗り以下の乗用の小型バス・乗用車。
つまり、販売や役務の提供に使う車(たとえば、レンタカー事業の車両)は、この類型に当たりません。一方、社用の乗用車で、乗車定員が9人以下のものは、事業に使っても、進項税額を控除できません。
免税の事業と一部控除できない場合
第19条第2項は、第8条第1項の免税の貨物や役務を専門に営む営業人(専営)について、進項税額の還付を申請できないと定めています。第3項は、免税の貨物や役務を兼営している営業人や、そのほかの規定で一部が控除できない営業人について、控除できない進項税額の比率と計算方法を、財政部が定めると規定しています。
営業税以外の規定との関係
営業税の控除ができないことと、法人税で費用として認められるかどうかは、別の問題です。交際費の法人税上の限度額は、別の記事(台湾の交際費損金算入限度)で扱います。
手順
- 仕入れや経費の領収書、統一発票に、自社の名称、住所、統一編号が正しく載っているか確認する。
- 取得した統一発票を保存し、紛失しない管理を決める。
- 接待、贈答、社員への支給、社用車を、会計処理の段階で区分する。
- 控除できない進項税額の会計上の処理は、会計士に確認する。
- 免税の売上がある場合は、控除できない比率の計算が必要か、財政部の規定で確認する。
注意点
- 統一発票の抬頭(宛名)や統一編号が誤っていると、控除の証憑として使えなくなります。取引のたびに、その場で確認します。
- 9人乗り以下かどうかの判断の基準(どの書類の定員で見るか)は、この記事では確認していません。
- 営業税の控除は、申告の期間で行います。申告を過ぎてからの追加の控除は、別の規定の確認が必要です。
よくある質問
取引先との会食の営業税は、控除できますか。
できません。宴席での接待は、交際応酬用の貨物・役務に含まれます(営業税法第19条第1項第3号、施行細則第26条第1項)。
社用車を買った場合の営業税は。
9人乗り以下の乗用車で、販売や役務の提供に使わない自家用なら、進項税額は控除できません(第19条第1項第5号、施行細則第26条第2項)。
従業員への祝い品は。
従業員の個人に報酬として渡す貨物は、控除できません(第19条第1項第4号)。
統一発票をなくしたら。
証憑を規定どおり保存していなければ、控除できません(第19条第1項第1号)。
出典
- 全國法規資料庫「加值型及非加值型營業稅法」第19・33條(2026-10-19 查證):營業人左列進項稅額,不得扣抵銷項稅額。
- 全國法規資料庫「加值型及非加值型營業稅法施行細則」第26條(2026-10-19 查證):自用乘人小汽車,係指非供銷售或提供勞務使用之九座以下乘人小客車。