台湾への植物・農産物の検疫|輸入禁止の土壌、検疫証明書の提出、郵送は原則不可、輸入禁止物品の無断輸入は15万元以下の罰金
検疫が必要。禁止物品の無断輸入は3年以下の懲役か15万元以下の罰金、未申請は3万〜15万元の罰鍰。

日本の農産物、苗、種子、木材、花などを台湾へ輸出する会社や、日本から植物の関連商品を持ち込む会社は、台湾の植物防疫検疫法に従って検疫を受ける必要があります。この法律は、台湾の植物の病害虫を防ぐために、植物や植物産品を輸入するときの検疫、禁止される物品、罰則を定めています。この記事では、検疫の対象、輸入できないもの、輸入の手続き、郵送の扱い、違反したときの罰則を、条文で整理します。国ごとの検疫条件や、品目ごとの許可の有無は、中央主管機関の公告で決まるため、この記事では品目の一覧は扱いません。
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検疫の対象
植物防疫検疫法第3条は、法の対象を次のように定義しています。
- 植物:種子植物、シダ、コケ、有用な真菌類などの本体と、繁殖や栽培に使える部分。
- 植物産品:種子、球根、地下茎、生の果物、堅果、乾果、野菜、生花、乾燥花、穀物、生薬材、木材、有機の栽培培地、植物性の肥料など。未加工、または加工後でも有害生物を広げるおそれのあるもの。
- 有害生物:菌、ウイルス、寄生植物、雑草、線虫、昆虫など、植物に害を与える生物や、生態系を壊すおそれのある外来の植物。
これらの検疫物を輸入するとき、中央主管機関は、有害生物の発生状況と危険の程度に応じて、検疫の規定を公告します。公告の内容は、検疫物、有害生物の種類、特定の国や地域、検疫の条件、取る措置などです(第14条第1項、第2項)。措置は3つで、輸入の禁止、検疫条件による管理、隔離検疫です。
輸入できないもの
第15条第1項は、次の物品の輸入を禁止しています。
- 有害生物。
- 有害生物の防除に使う天敵や拮抗生物などの生物防治体(評価で危険がないと確認されたものなどを除く)。
- 土壌。
- 土壌が付着した植物、植物産品、その他の物品。
- 前の4つに使った包装や容器。
政府機関、学校、法人などが、実験、研究、教育、展示などのために必要な場合は、中央主管機関の許可を得て、これらの物品を輸入できます(第15条第2項)。
日本から台湾へ鉢植えや苗木を送るとき、根に土が付いたままだと、禁止の対象になります。泥炭土などは、第3条第6号の栽培培地に当たり、第3条第2号の植物産品(有機の栽培培地)として、検疫の対象になります。
輸入の手続き
輸入の手続きは、次の流れです。
- 輸入する人(輸入人)または代理人が、輸出国の植物検疫機関が出した検疫証明書を提出します(第16条第1項)。公告で提出が免除される品目は、証明書が不要です。
- 検疫物が港や空港に着いたら、輸入人または代理人が植物検疫機関に検疫を申請します(第17条第1項)。検疫が終わるまで、包装を開けたり、勝手に動かしたりしてはいけません。
- 検疫の結果が規定に合えば、合格文書が出ます。合わなければ不合格文書が出て、輸入できません(第18条)。
検疫証明書がない、または記載が検疫条件と合わない場合、植物検疫機関は、期限付きの補正、検疫処理、積み戻し、廃棄のいずれかを求めます。その費用は輸入人が負担します(第16条第2項)。
繁殖力のある検疫物で、その国や地域からの輸入の記録がないものは、輸出国または輸入人が、先に危険評価に必要な資料を出し、植物検疫機関の許可を得る必要があります(第14条第4項)。
郵送と旅客の携帯
検疫物は、郵便で輸入できません。郵便で届いたものは、積み戻しか廃棄になります。例外は、公告で検疫証明書の提出が免除されている場合と、受取人が事前に植物検疫機関へ申請して許可を得た場合です(第17条第3項)。旅客が検疫物を持って入国するときは、入境の際に検疫を申請します(第17条第2項)。
違反したときの罰則
違反の内容により、罰則は次のとおりです。
| 違反の内容 | 罰則 | 条 |
|---|---|---|
| 輸入禁止の物品(有害生物、土壌など)を勝手に輸入する | 3年以下の懲役、拘役、または15万元以下の罰金(併科あり)。物品は没収・没入 | 第22条 |
| 検疫の申請をしない、検疫が終わる前に包装を開ける・動かす | 3万元以上15万元以下の罰鍰 | 第24条第1項第6号 |
| 許可を得て輸入した禁止物品を、許可なく分譲する。または申報・保管・記録の規定に違反する | 3万元以上15万元以下の罰鍰 | 第24条第1項第4号 |
| 旅客が入境のときに検疫を申請しない | 3,000元以上1万5,000元以下の罰鍰 | 第25条の1 |
| 検査の拒否、妨害 | 1万元以上5万元以下の罰鍰 | 第25条第1項第1号 |
検疫の申請をしなかった場合でも、情節が軽微なときは、罰が軽くなるか免除されることがあります(第25条の2)。軽微の基準は、中央主管機関が定めます。
手順
- 輸出する品目が、植物、植物産品、栽培培地のどれに当たるかを確認する。
- 中央主管機関の公告で、その品目と産地の検疫条件(禁止、条件付き、隔離)を確認する。
- 土壌や栽培培地が付いていないか、包装・容器も含めて点検する。
- 日本の植物検疫機関に、検疫証明書を発行してもらう。
- 輸入人(台湾の会社)が、到着時に植物検疫機関へ検疫を申請する。
- 検疫が終わるまで、包装を開けず、荷物を動かさない。
注意点
- 郵便で送る個人向けの小包も、原則として検疫物の郵送輸入は認められません。EC事業者は、発送方法を確認します。
- 検疫の条件は、品目と国ごとに変わります。公告の更新に注意します。
- 検疫の費用は、検疫が不合格のときの積み戻しや廃棄の費用も含めて、輸入人が負担します。
よくある質問
日本から果物を台湾へ送るとき、まず何を確認しますか。
中央主管機関の公告で、その果物と産地について、輸入が禁止か、検疫条件があるかを確認します(第14条)。
土が付いた植物は輸入できますか。
土壌と、土壌が付着した植物は輸入禁止です。研究などの目的で、中央主管機関の許可を得た場合を除きます(第15条)。
検疫物を国際郵便で送ってもよいですか。
原則として認められません。検疫証明書の提出が免除される品目と、受取人が事前に許可を得た場合だけが例外です(第17条第3項)。
検疫を受けずに輸入したら、どうなりますか。
禁止物品の勝手な輸入は、3年以下の懲役、拘役、または15万元以下の罰金です(第22条)。申請をしなかった場合は、3万元以上15万元以下の罰鍰です(第24条)。
出典
- 全國法規資料庫「植物防疫檢疫法」第3・14・15條(2026-10-19 查證):下列物品,不得輸入。
- 全國法規資料庫「植物防疫檢疫法」第16・17・18・22・24・25條(2026-10-19 查證):輸入檢疫物,應於到達港、站時,由輸入人或其代理人向植物檢疫機關申請檢疫。