台湾への日本食品輸出|輸入者の業者登録、輸入査験の申請、中国語表示、2025年11月の規制撤廃
食品輸入は輸入者が業者登録と輸入査験を行う。日本産食品(酒類を除く)の産地証明書は2025年11月21日から不要。
日本の食品を台湾へ輸出する場合、手続を行うのは台湾側の輸入者です。輸入者(食品の輸入業者)は、食品安全衛生管理法にもとづいて食品業者として登録し、貨物が港に着く前後に輸入査験を申請します。包装の表示は中国語で行う必要があります。ジェトロによれば、台湾は2025年11月21日に日本産食品の輸入規制の撤廃を発表し、福島県など5県の食品の放射性物質検査報告書と、日本産すべての食品の産地証明書が不要になりました。輸入規定のコードF01の中身にあたる手続を、条文で整理します。
輸入者の登録(食品業者登録)
食品安全衛生管理法第8条は、中央主管機関が公告した類別と規模の食品業者は、主管機関に申請して登録しなければ営業できないと定めます。「食品業者登録辦法」第4条は、輸入業の登録事項を次のように定めています。
- 申請担当者(填報人)と食品業者の基本資料
- 製品責任保険の資料
- 輸入する類別
- 輸入する製品の情報
- 倉庫の基本資料
- 小分けやその他の輸入行為の説明
登録の申請、変更、廃止、定期の申告は、書面または電子証明書によるネット送信で、直轄市・県(市)の主管機関に行います(第3条)。日本の輸出者は、取引先の台湾の輸入者が、この登録を済ませているかを確認します。
輸入査験の申請
「食品及相関産品輸入査験辦法」第3条は、報験義務人(輸入者)が、産品が港に到着する前の15日以内、または到着後に、輸入港の所在地の査験機関に申請すると定めます。申請書類は、査験申請書、産品資料表、輸入報単の写し、その他の指定資料で、電子などの指定の方法で提出します(第4条)。
同じ報験案号(同批)の産品は、輸入報単、貨品分類号列、品名、成分、ブランド、製造工場、産地が全て同一である必要があります(第5条)。魚類、エビ類、カニ類、貝・軟体類で、生きたもの・生鮮・冷蔵のものは、同じ類別なら併せて1批にできます。
書類が不備でも補正できる場合は、査験機関が期限を決めて補正を通知します。補正は通知の送達から30日以内で、延長の申請は1回、最長30日です(第6条)。
査験の方式と確率
査験機関は、逐批査験、抽批査験、逐批査核、検証査験、監視査験の中から選んで実施します(第8条)。
| 方式 | 内容 |
|---|---|
| 逐批査験 | 申請された全ての批を査核と検査 |
| 加強抽批査験 | 20%〜50%の確率で批を抽出し、抽出された批を査核と検査 |
| 一般抽批査験 | 2%〜10%の確率で批を抽出し、抽出された批を査核と検査 |
| 逐批査核 | 全ての批を査核(外観・表示などの確認) |
| 検証査験 | 台湾と輸出国の機関の協定などにもとづく方式 |
逐批査験の対象になるのは、年度の査験計画で指定された産品、前の批が加強抽批査験で不合格だった同産地・同分類の産品、監視査験の産品が連続2批不合格だった場合などです(第9条)。加強抽批査験に切り替わるのは、計画で指定された場合や、前の批が一般抽批査験で不合格だった場合などです(第10条)。
中国語の表示
食品安全衛生管理法第22条は、食品と食品原料の容器または外包装に、中国語と通用の記号で、次の事項を明確に表示すると定めます。
- 品名
- 内容物の名称(2種類以上の混合物は含有量の多い順)
- 正味重量、容量または数量
- 食品添加物の名称
- 製造者または台湾内の責任者の名称、電話番号、住所
- 原産地(国)
- 賞味・消費の期限
- 栄養表示
- 遺伝子組換え食品原料を含むこと
- その他、中央主管機関が公告する事項
第5号は、台湾内の責任者だけを表示する場合、製造者や輸入者の名称、電話番号、住所を、管轄の主管機関に通報する必要があります。食品添加物には第24条が別に表示を定めます。
日本産食品の規制撤廃(2025年11月)
ジェトロの年報とビジネス短信によると、台湾は2011年の福島第一原子力発電所の事故の後に実施した日本産食品の輸入規制を段階的に緩和し、2025年11月21日に衛生福利部食品薬物管理署が、輸入検査停止の規定の撤廃を発表しました。その結果、福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県産の食品(酒類を除く)に義務付けられていた放射性物質検査報告書と、日本産のすべての食品(酒類を除く)に求めていた産地証明書の添付が、不要になりました。
手順
- 取引先の台湾の輸入者が、食品業者として登録されているかを確認する。
- 輸出する商品のHSコードに対応する台湾の貨品号列で、輸入規定(F01など)を確認する。
- 包装を、第22条の項目を満たす中国語表示にする。
- 輸入者が、貨物の到着前15日以内、または到着後に、輸入査験を申請する。
- 抽出された批は、査核と検査を受け、合格後に通関する。
注意点
- 規制撤廃の対象は、放射性物質検査報告書と産地証明書の添付です。本稿で確認した輸入査験の辦法と、中国語表示の規定は、これとは別の規定です。
- 同批に混載すると、成分や産地が1つでも違えば、別の批として申請する必要があります。
- 食品添加物と、食品器具などの食品関連製品は、別の表示規則と査験の対象です。
- 食肉製品は、輸入規定コード113のように、輸出国政府の検疫・食品安全の証明書を求める規定があります。品目ごとに確認します。
よくある質問
日本産食品を台湾に輸出するのに産地証明書は必要ですか。
2025年11月21日の撤廃の発表により、日本産のすべての食品(酒類を除く)に求められていた産地証明書の添付は不要になりました。
輸入査験はいつ申請しますか。
貨物が港に到着する前の15日以内、または到着後に、輸入者が輸入港の査験機関に申請します。
検査はすべての貨物で行われますか。
査験の方式は、逐批、抽批(一般は2%〜10%、加強は20%〜50%)、逐批査核などから選ばれます。抽出された批が査核と検査を受けます。
表示は日本語のままでよいですか。
いいえ。食品安全衛生管理法第22条により、中国語と通用の記号で明確に表示します。
出典
- 全國法規資料庫「食品及相關產品輸入查驗辦法」第3〜10條(2026-10-17 查證):報驗義務人應於產品到達港埠前十五日內或到達港埠後,向輸入港埠所在地之查驗機關申請查驗。
- 全國法規資料庫「食品安全衛生管理法」第8・22條、「食品業者登錄辦法」第3・4條(2026-10-17 查證):食品及食品原料之容器或外包裝,應以中文及通用符號,明顯標示下列事項。
- ジェトロ ビジネス短信「台湾、日本産食品の輸入規制撤廃を公表」(2025年11月25日)(2026-10-17 確認):福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県の5県産の食品に義務付けてきた放射性物質検査報告書と、日本産の全ての食品に対して求めていた産地証明書が不要となる。