台湾の職業安全衛生の管理体制|第1類事業100人以上は専責の一級管理単位、30人未満は雇主または代理人が教育訓練に合格すれば業務主管を兼任可、委員会は3か月に1回以上開催
第1類事業100人以上は専責の一級管理単位。30人未満は雇主か代理人が教育訓練に合格すれば業務主管を兼任可。

台湾で工場や倉庫、店舗を運営する日本企業の子会社は、従業員の人数や業種のリスクの高さにより、安全衛生を担当する部署や担当者を置く義務が変わります。担当者の置き方は、台湾の条文で確認する必要があります。この記事では、職業安全衛生法第23条と、その委任を受けた職業安全衛生管理辦法にもとづいて、事業の類別、管理単位の設置、管理人員の専職、30人未満の特例、人員の資格と代理、職業安全衛生委員会、違反したときの罰則を整理します。個々の業種が第1類から第3類のどれに当たるかは、辦法の附表一で確認します。この記事では、附表の人数表は扱いません。
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法律の枠組み
職業安全衛生法第23条第1項は、雇主が、事業単位の規模と性質に応じて、安全衛生組織と人員を置き、職業安全衛生管理計画を決めて、安全衛生管理と自動検査を行うと定めています。第2項は、一定の規模に達した事業単位や、製程安全評価が必要な工作場所を持つ事業単位に、職業安全衛生管理システムを作るよう求めています。具体的な規模や職責は、同条第5項にもとづく職業安全衛生管理辦法が決めています。
事業の3つの類別
辦法第2条は、事業を、危害リスクの高さに応じて、第1類(顕著なリスク)、第2類(中程度のリスク)、第3類(低いリスク)に分けています。例示は附表一にあります。類別によって、次の人数の基準が変わります。
管理単位と管理人員
| 類別 | 労働者数 | 求められる体制 |
|---|---|---|
| 第1類事業 | 100人以上 | 雇主の直属の専責の一級管理単位(辦法第2条の1) |
| 第2類事業 | 300人以上 | 雇主の直属の一級管理単位(同条) |
管理人員(業務主管と管理人員)の人数は、辦法第3条により、附表二の規模に従って置きます。第1類事業で100人以上なら、管理人員は専職でなければなりません。第2類事業で300人以上なら、管理人員のうち、少なくとも1人は専職です。専職の管理人員は、事業場に常駐して業務を行い、法令が定める別の専責の職務や、安全衛生と関係のない仕事を兼ねることはできません(同条第3項)。
労働者数の数え方には、原事業単位の労働者のほか、同じ期間、同じ工作場所で働く請負人や再請負人の労働者、指揮監督を受けて働く人も含まれます(辦法第3条の2)。
30人未満の事業単位の特例
辦法第4条は、労働者が30人未満の事業単位では、雇主または代理人が、業務主管の安全衛生教育訓練に合格していれば、職業安全衛生業務主管を兼ねられると定めています。第2類と第3類の事業で、労働者が5人以下の場合は、丁種の業務主管の教育訓練に合格した雇主または代理人でも足ります。
人員の資格と代理
辦法第7条は、職業安全管理師、職業衛生管理師、職業安全衛生管理員の資格を定めています。たとえば、職業安全管理師は、高等考試の職業安全衛生類科の合格者や、工業安全技師、甲級技術士証の保有者などです。
人員が職務を行えないときは、雇主が適切な代理人を指定し、代理の期間は3か月を超えられません。労働者が30人以上の事業単位では、人員が離職したときは、すぐに当地の労働検査機構へ報告します(辦法第8条)。
職業安全衛生委員会
第2条の1の対象事業単位などは、職業安全衛生委員会を置きます(辦法第10条)。委員は7人以上で、雇主が主任委員を務め、任期は2年です。労働者代表は委員の3分の1以上で、労働組合がある事業単位は組合が推薦します(第11条)。委員会は、少なくとも3か月に1回開き、記録を3年間保存します(第12条)。
労働者が50人以上の事業単位は、これとは別に、労働健康服務人員を置くか、専門機関に委託する義務があります(職業安全衛生法第22条)。
違反したときの罰則
第23条第1項に違反し、通知を受けて期限内に改善しなかった場合は、3万元以上75万元以下の罰鍰です(同法第45条)。第23条第2項の管理システムの建置に違反し、同様に改善しなかった場合は、5万元以上300万元以下の罰鍰です(第43条)。
手順
- 台湾の事業所の業種が、第1類、第2類、第3類のどれに当たるかを、辦法の附表一で確認する。
- 請負人などの人数も含めた労働者数を数える。
- 労働者数と類別から、管理単位、管理人員、専職の必要性を、辦法第2条の1と第3条、附表二で確認する。
- 30人未満の事業単位なら、雇主または代理人が業務主管を兼ねる場合の教育訓練を確認する。
- 委員会の対象なら、委員7人以上、労働者代表3分の1以上で組織し、3か月に1回以上開催する。
注意点
- 類別は、業種の名前ではなく、危害リスクの高さで決まります。附表一は例示です。
- 専職の人員は、ほかの法令上の専責の職務を兼ねられません。
- 辦法は改正されることがあるため、設置の時点の条文を、全国法規資料庫で確認します。
よくある質問
労働者の健康管理を担当する人は、必要ですか。
労働者が50人以上の事業単位は、労働健康服務人員を置くか、専門機関に委託します(職業安全衛生法第22条)。
従業員が20人の会社は、安全衛生の担当者が必要ですか。
業務主管は必要ですが、雇主または代理人が教育訓練に合格すれば兼ねられます(辦法第4条)。
委員会は、いつ開く必要がありますか。
少なくとも3か月に1回です(辦法第12条)。
設置義務に違反するとどうなりますか。
通知を受けて期限内に改善しないと、第23条第1項の違反は3万元以上75万元以下の罰鍰です(法第45条)。
出典
- 全國法規資料庫「職業安全衛生法」第22・23・43・45條(2026-10-19 查證):雇主應依其事業單位之規模、性質,設置安全衛生組織、人員。
- 全國法規資料庫「職業安全衛生管理辦法」第2條之1・第3・4・7・8・10・11・12條(2026-10-19 查證):委員會應每三個月至少開會一次。