台湾の労使会議の開催義務と運営|3か月に1回以上、労使同数の代表、代表の任期は4年、決議は共識か出席代表の4分の3
事業単位は労使会議を開く。会議は少なくとも3か月に1回で、代表の任期は4年。
台湾では、勞動基準法第83条が、労使関係を調整し、労使協力を促し、仕事の効率を高めるために、事業単位が労使会議を開くよう定めています。具体的な運営は、「勞資會議実施辦法」が定めています。日本企業の台湾子会社でも、従業員が少人数であっても、この辦法の対象になります。この記事では、辦法の条文にもとづいて、代表の構成と選出、会議の頻度、議事の範囲、決議の要件、代表の保護を整理します。労働組合との関係は扱いません。
開催の義務と対象
辦法第2条は、事業単位が、辦法に従って労使会議を開くと定めています。事業場所の従業員が30人以上の場合は、事業場所ごとに別に開くことも求められます。
従業員が3人以下の事業単位では、労使の雇用主と従業員本人が当然に労使会議の代表になり、代表の人数や選挙に関する規定の制限を受けません(同条第2項)。
代表の構成と人数(第3条)
労使会議は、労使双方が同数の代表で構成します。代表の人数は、事業単位の人数に応じて、各2人から15人です。ただし、事業単位の人数が100人以上の場合は、各5人以上です。
使用者側と労働者側の代表(第4条〜第8条)
使用者側。 使用者側の代表は、事業単位が、代表の任期が終わる30日前に、業務と従業員の状況をよく知る人を指名します(第4条)。
労働者側。 事業単位に企業工会(企業別の労働組合)があれば、その工会の会員または会員代表大会が選出します。工会がない場合は、事業単位が自分で行う全従業員の直接選挙など、辦法が定める方法で選出します(第5条)。選挙は、代表の任期が終わる90日前に工会へ通知して行い、工会が30日以内に選挙を終えられない場合は、事業単位が自分で選挙を行います。事業単位が行う場合は、任期が終わる30日前までに新しい代表を選出します。
女性・男性の比率(第6条)。 事業単位の1つの性別の従業員が従業員数の2分の1を超える場合、当選する労働者側の代表は、労働者側の代表の総数の3分の1以上とします。
選挙権(第7条)。 15歳以上の従業員は、選挙権と被選挙権があります。
除外(第8条)。 使用者の管理権を代表して行使する、一次の業務行政の主管人員は、労働者側の代表になれません。
選挙の公告(第9条)。 選挙の前10日に、投票の日、時間、場所、方法を公告します。
任期と届出(第10条・第11条)
代表の任期は4年で、労働者側は連続して選ばれることができ、使用者側も連続して指名されることができます。代表が選出または指名されたら、事業単位は、代表と労働者側の候補代表の名簿を、15日以内に所在地の主管機関へ届け出ます。補欠、補選、改派、人数の削減の場合も同じです(第11条)。
会議の運営(第13条〜第19条)
議事の範囲(第13条)。 報告事項は、前回の決議事項の実施状況、従業員の異動や離職率、生産計画と市場の状況、従業員の活動・福利・職場環境の改善などです。討議事項は、労使関係の調整、労働条件、福利の企画、効率の向上、代表の選任と解任の方法、会議の運営などです。就業規則(工作規則)の制定と改定も、議事の範囲にできます。
議長(第16条)。 労使双方の代表が、1人ずつ推薦して、交代で務めます。
開催の頻度(第18条)。 労使会議は、少なくとも3か月に1回開きます。必要なときは、臨時会議を開けます。
決議の要件(第19条)。 労使双方の代表それぞれの過半数が出席し、協議して共識(合意)ができたら、決議にします。共識ができない場合は、出席した代表の4分の3以上の同意が必要です。代表が出席できないときは、書面で意見を出せます。
代表の保護(第12条)
代表が辦法に従って会議に出席するとき、雇用主は公務の休暇を与えます。雇用主や管理権を行使する人は、代表が職権を行使したことを理由に、解雇、配置転換、減給、その他の不利益な扱いをしてはなりません。
手順
- 従業員が4人以上の事業単位は、労使会議の代表の人数(2人から15人)を決める。
- 使用者側の代表を指名し、労働者側の代表を、辦法が定める方法で選出する。
- 選出から15日以内に、代表の名簿を所在地の主管機関へ届け出る。
- 少なくとも3か月に1回、会議を開く。議長は労使の代表が交代で務める。
- 議事は、報告事項と討議事項を決めて進める。
- 決議は、共識を目指し、できない場合は出席代表の4分の3以上の同意を得る。
- 4年ごとに、代表を改選する。
注意点
- 従業員が3人以下の場合は、雇用主と従業員が当然の代表になります。
- 代表に対する不利益な扱いは、禁止されています。
- 就業規則の制定や改定を、議事にできます(第13条)。
- 本稿は辦法の条文の整理です。労使会議の議事の記録の書式などは扱いません。
よくある質問
台湾子会社は、労使会議を開く必要がありますか。
事業単位は、勞資會議実施辦法に従って労使会議を開きます(辦法第2条)。
会議はどのくらいの頻度で開きますか。
少なくとも3か月に1回です(第18条)。
労使会議の代表は、何人で、任期はどのくらいですか。
労使が同数で、各2人から15人(100人以上は各5人以上)です。任期は4年です(第3条・第10条)。
決議はどうやって決めますか。
労使双方の代表それぞれの過半数が出席し、共識ができたら決議にします。共識ができなければ、出席した代表の4分の3以上の同意が必要です(第19条)。
出典
- 全國法規資料庫「勞資會議實施辦法」第2・3・10・11・18・19條(2026-10-17 查證):勞資會議至少每三個月舉辦一次,必要時得召開臨時會議。
- 全國法規資料庫「勞動基準法」第83條(2026-10-17 查證):事業單位應舉辦勞資會議。