台湾の有限公司から股份有限公司への組織変更|公司法第106条は株主の表決権の過半数の同意、債権者への通知と公告、変更前の債務は承継、変更登記は15日以内
組織変更は株主の表決権の過半数の同意で可能。債権者へ通知・公告し、債務を承継。変更登記は15日以内。

台湾で、有限公司の形で子会社を設立した日本企業が、後から、資金調達や株式の流動性を考えて、股份有限公司に変更したいと考えることがあります。台湾の公司法は、有限公司を股份有限公司に組織変更する決議の要件と、債権者の保護、登記の期限を定めています。この記事では、公司法の第106条、第107条、第12条、第128条と、公司登記辦法の第4条にもとづいて、決議の要件、反対する株主の扱い、債権者の保護、変更後の債務、登記の期限、変更後の会社の発起人に関する規定を整理します。税務の取り扱いや、外国人投資の承認が必要な場合の手続きは、この記事では扱いません。
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決議の要件
公司法第106条第3項は、有限公司は、株主の表決権の過半数の同意により、減資、または、股份有限公司への組織変更ができると定めています。
同条第4項は、第1項から第3項で同意しなかった株主は、定款の修正の部分について、同意したとみなされると定めています。つまり、組織変更に反対した株主も、定款の修正には同意したことになります。
なお、同じ第106条は、増資にも、株主の表決権の過半数の同意を求めています。ただし、株主が増資に同意しても、元の出資の割合に応じて出資する義務はありません(第1項)。
債権者の保護
第107条第1項は、組織変更の決議をした後、直ちに、各債権者に個別に通知し、公告するよう求めています。
組織変更の後の会社は、組織変更の前の会社の債務を承継します(同条第2項)。つまり、有限公司の債務は、組織変更後の股份有限公司が負います。
登記の期限と対抗力
公司登記辦法第4条第1項は、公司の登記事項に変更があったときは、変更後15日以内に、主管機関に変更の登記を申請すると定めています。ただし、目的事業主管機関が特定の日に登記するよう認めている場合は除きます。
公司法第12条は、設立登記の後、登記すべき事項を登記しない、または、登記した事項に変更があったのに変更の登記をしない場合は、その事項を第三者に対抗できないと定めています。
変更後の会社の発起人
股份有限公司は、2人以上の発起人を持たなければなりません(第128条第1項)。ただし、同条は、発起人に関する規定です。有限公司から組織変更する場合に、この規定が、どのように適用されるかは、この記事では確認していません。
手順
- 有限公司の定款を確認し、組織変更について、定款に別の定めがないかを確認する。
- 株主の議決で、組織変更を決議する。株主の表決権の過半数の同意が必要。
- 決議の後、直ちに、各債権者に個別に通知し、公告する。
- 変更後の股份有限公司の定款など、登記に必要な書類を準備する。
- 変更後15日以内に、主管機関に変更の登記を申請する。
注意点
- 組織変更に反対した株主も、定款の修正部分には同意したとみなされます。
- 組織変更の後の会社は、変更前の会社の債務を承継します。
- 外国人が出資している場合の手続きや、税務は、この記事では扱いません。
- 登記が遅れると、変更を第三者に対抗できなくなるおそれがあります。
よくある質問
有限公司を、株式会社(股份有限公司)に変更できますか。
株主の表決権の過半数の同意で、組織変更ができます(公司法第106条第3項)。
債権者への通知は必要ですか。
決議の後、直ちに、各債権者に個別に通知し、公告します(第107条第1項)。
反対した株主はどうなりますか。
定款の修正の部分については、同意したとみなされます(第106条第4項)。
組織変更の登記の期限は。
登記事項の変更後15日以内に、変更の登記を申請します(公司登記辦法第4条第1項)。
出典
- 全國法規資料庫「公司法」第106・107條(2026-10-19 查證):公司得經股東表決權過半數之同意減資或變更其組織為股份有限公司。
- 全國法規資料庫「公司法」第12・128條、「公司登記辦法」第4條(2026-10-19 查證):公司及外國公司登記事項如有變更者,應於變更後十五日內,向主管機關申請為變更之登記。