台湾の土地増値税(土地の値上がり益課税)|土地税法第33条は20%・30%・40%の累進、30日以内に移転現値を申報、自用住宅は10%の優遇、保有20年超で減免
土地の値上がり総額に20%・30%・40%の累進で課税。契約から30日以内に申報。自用住宅用地は10%。

台湾で、土地や、土地付きの建物を売る日本企業や日本人は、売却益の課税として、土地の部分に「土地増値税」がかかることを確認しておく必要があります。台湾の土地税法は、土地の所有権を移転するとき、土地の値上がり総額に課税する仕組みを定めています。建物の売却益にかかる税は、別の制度で、この記事では扱いません。この記事では、土地税法の第5条、第28条、第30条、第31条、第33条、第34条、第35条、第49条、第50条にもとづいて、納税義務者、課税の対象、値上がり総額の計算、税率、減免、自用住宅用地の優遇、申報と納付の期限を整理します。
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納税義務者と課税の対象
第28条は、すでに地価が定められている土地の所有権を移転するとき、土地の値上がり総額に土地増値税を課すと定めています。ただし、相続による移転、各級政府が売却または法律にもとづいて贈与する公有地、受贈した私有地には課税しません。
第5条は、納税義務者を、有償移転(売買、交換、政府の買収・収用など)の場合は元の所有者、無償移転(遺贈、贈与)の場合は所有権を取得する人、典権(担保の一種)を設定する場合は出典人と定めています。
値上がり総額の計算
第31条第1項は、値上がり総額を、土地の所有権を移転するときに審査・決定された申報移転現値から、次を引いた残額と定めています。
- 地価が定められてから移転されていない土地は、元の地価。移転されたことのある土地は、前回の移転現値。
- 土地所有者が土地の改良のために支払った費用の全額(工事受益費、土地区画整理の費用など)。
持有期間内に、地価の再設定で増えた地価税は、移転する土地の部分について、納めるべき土地増値税から差し引けます。ただし、差し引ける総額は、移転時に納めるべき増値税総額の5%が上限です(同条第3項)。
税率
第33条第1項は、土地の値上がり総額が、元の地価または前回の移転現値に対して、どれだけ超えるかで、税率を次のとおり定めています。
| 値上がり総額の割合 | 税率 |
|---|---|
| 100%未満 | 値上がり総額に20% |
| 100%以上200%未満 | 上の20%に加えて、超過部分に30% |
| 200%以上 | 上の2段階に加えて、超過部分に40% |
土地の保有期間が長い場合は、最低税率(20%)を超える部分の増値税が、次のとおり減免されます。
- 保有20年超:20%減免。
- 保有30年超:30%減免。
- 保有40年超:40%減免。
自用住宅用地の優遇
第34条第1項は、土地所有者が自用住宅用地を売る場合、都市土地は3公畝までの部分、非都市土地は7公畝までの部分に限り、値上がり総額の10%を税として徴収すると定めています。超える部分には、第33条の税率が適用されます。
この優遇は、売却の前の1年以内に、営業用に使われたか、賃貸されたかした土地には適用されません(同条第2項)。この優遇の適用は、原則として1回に限られます(同条第4項)。
買い替えによる還付
第35条は、土地を売った後、完成した移転登記の日から2年以内に、条件に合う土地を買い替えた場合、新しく買った土地の地価が、売った土地の地価(増値税を引いた額)を超えれば、すでに納めた土地増値税の範囲で、不足分に当たる額の還付を申請できると定めています。対象は、自用住宅用地、自営工場用地、自耕の農業用地です。
申報と納付の期限
第49条第1項は、土地の所有権を移転するときは、権利者と義務者が、契約を結んだ日から30日以内に、契約書の写しなどを添えて、稽徴機関に、土地の移転現値を共同で申報すると定めています。
申報移転現値の審査は、契約から30日以内に申報した場合は、契約日の当期の公告土地現値が基準になります。30日を過ぎて申報した場合は、受理した機関が受け付けた日の当期の公告土地現値が基準です(第30条第1項第1号、第2号)。
稽徴機関は、申報の受理から7日以内に税額を決定して、税の通知書を納税義務者に送ります(第49条第2項)。自用住宅用地の税率を申請した案件は、20日に延長されます。
納税義務者は、通知書を受け取った後、30日以内に国庫に納めます(第50条)。
手順
- 売却する土地が、すでに地価が定められている土地かを確認する。
- 契約を結んだら、30日以内に、買主と共同で、稽徴機関に移転現値を申報する。
- 自用住宅用地の10%の優遇を申請する場合は、申報書に自用住宅と記載し、関係書類を添付する。
- 通知書が届いたら、30日以内に納付する。
- 納付の後、地政機関に、所有権の移転登記を申請する。
注意点
- 税率は、値上がり総額の割合に応じた累進です。
- 保有期間が20年を超えると、減免があります。
- 契約から30日を過ぎて申報すると、基準となる公告土地現値が変わります。
- 欠税が残る土地は、税を納めるまで、移転登記ができません(第51条第1項)。
よくある質問
土地を売ったとき、誰が土地増値税を納めますか。
有償移転の場合は、元の所有者です(土地税法第5条)。
税率はいくらですか。
値上がりの割合に応じて、20%、30%、40%の累進です(第33条)。
申報はいつまでですか。
契約を結んだ日から30日以内です(第49条第1項)。
自用住宅の優遇は。
都市土地は3公畝まで、非都市土地は7公畝までの部分に10%の税率が適用されます(第34条第1項)。
出典
- 全國法規資料庫「土地稅法」第5・28・30・31條(2026-10-19 查證):土地漲價總數額之計算,應自該土地所有權移轉或設定典權時,經核定之申報移轉現值中減除下列各款後之餘額。
- 全國法規資料庫「土地稅法」第33・34・35・49・50・51條(2026-10-19 查證):土地所有權人出售其自用住宅用地者,都市土地面積未超過三公畝部分或非都市土地面積未超過七公畝部分,其土地增值稅統就該部分之土地漲價總數額按百分之十徵收之。