台湾の授乳時間と授乳室|2歳未満の子に1日60分の授乳時間は労働時間、3歳未満の子で1日1時間短縮、100人以上の雇主は授乳室と託児を提供
2歳未満の子の授乳に1日60分(労働時間扱い)。100人以上の雇主は授乳室と託児を提供する義務。

台湾の子会社で働く女性の従業員が、出産後に職場へ復帰するとき、授乳や育児のための時間は、「性別平等工作法」(以下、性平法)が保障しています。就業規則は、この法律の最低基準を満たす必要があります。この記事では、性平法第18条、第19条、第20条、第21条、第23条にもとづいて、授乳時間、育児のための勤務時間の短縮、家庭照顧假、授乳室と託児の義務、請求を拒否できないことを整理します。産前産後休暇や育児休業は、別の記事で扱います。
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授乳時間(第18条)
第18条第1項は、2歳未満の子を、本人が授乳する必要のある従業員に、通常の休憩時間とは別に、1日に60分の授乳時間(哺集乳時間)を与えると定めています。
第2項は、従業員が、毎日の正常な労働時間のほかに、1時間以上の残業をした場合は、雇主が、さらに30分の授乳時間を与えると定めています。
第3項は、授乳時間を労働時間とみなすと定めています。つまり、授乳時間の分の賃金を、減らすことはできません。
育児のための勤務時間の短縮(第19条)
第19条第1項は、従業員が30人以上の雇主の下で働く従業員は、3歳未満の子を育てるために、雇主に、次の2つのうち1つを請求できると定めています。
- 毎日の労働時間を1時間短縮する。短縮した時間は、報酬を請求できない(無給)。
- 労働時間を調整する。
従業員が30人未満の雇主の下で働く従業員は、雇主と協議して合意すれば、同じ方法を使えます(第2項)。
家庭照顧假(第20条)
第20条第1項は、従業員が、家族が予防接種を受けるとき、重い病気にかかったとき、そのほか重大な事故があって、自分で世話をする必要があるとき、家庭照顧假を請求できると定めています。日数は、事假の日数に含まれ、1年に7日が上限です。家庭照顧假の賃金は、事假の規定にしたがって計算します(第2項)。事假は無給です(勞工請假規則第7条)。
授乳室と託児の義務(第23条)
第23条第1項は、従業員が100人以上の雇主は、次の2つを提供しなければならないと定めています。
- 授乳室(哺集乳室)。
- 託児施設、または適当な託児の措置。
主管機関は、雇主が授乳室、託児施設、託児措置を設けるとき、経費を補助します(第2項)。設置の基準と補助の辦法は、中央主管機関が関係機関と協議して定めます(第3項)。
従業員の数は、雇主のすべての事業所の従業員の合計で数えるのか、事業所ごとに数えるのか、第23条には書かれていません。この記事では、数え方の細目は確認していません。
雇主は請求を拒否できない
第21条第1項は、従業員が、第14条から第20条までの規定にもとづいて請求したときは、雇主が拒否できないと定めています。第2項は、雇主が、請求を欠勤とみなして、全勤獎金、考績に影響させたり、そのほかの不利益な処分をしたりしてはならないと定めています。
違反した雇主には、第38条第1項により、2万元以上30万元以下の罰鍰が科されます。違反した雇主の名称や負責人の氏名は公表され、期限を決めて改善が命じられます。
手順
- 就業規則に、授乳時間(1日60分、1時間以上の残業で30分)と、労働時間として扱うことを書く。
- 従業員が30人以上なら、3歳未満の子を育てる従業員の、1時間短縮または時間調整の請求に応じる体制を作る。
- 従業員が100人以上なら、授乳室と、託児施設または託児措置を用意する。
- 従業員が請求したら、拒否せず、全勤獎金や考績に影響させない。
- 家庭照顧假を、事假の日数の中で7日まで認める。
注意点
- 授乳時間は労働時間なので、賃金は減りません。
- 勤務時間の1時間短縮は、無給です。
- 30人未満の事業所では、短縮や時間調整は、雇主との協議で合意した場合に使えます。
よくある質問
台湾で、授乳のための時間は取れますか。
2歳未満の子を授乳する従業員は、1日に60分の授乳時間を取れ、労働時間として扱われます(性別平等工作法第18条)。
授乳室は、必ず設けますか。
従業員が100人以上の雇主は、授乳室と、託児施設または託児措置を提供します(第23条第1項)。
子が3歳未満のとき、勤務時間を短くできますか。
従業員が30人以上の雇主の下では、1日1時間の短縮、または時間の調整を請求できます。短縮した時間は無給です(第19条)。
請求を断られたら。
雇主は拒否できません。違反した雇主は、2万元以上30万元以下の罰鍰です(第21条、第38条)。
出典
- 全國法規資料庫「性別平等工作法」第18・19・20條(2026-10-19 查證):子女未滿二歲須受僱者親自哺(集)乳者,除規定之休息時間外,雇主應每日另給哺(集)乳時間六十分鐘。
- 全國法規資料庫「性別平等工作法」第21・23・38條(2026-10-19 查證):僱用受僱者一百人以上之雇主,應提供下列設施、措施。