台湾の労働時間と残業|1日8時間・週40時間、残業は月46時間まで(労使同意で54時間)
台湾の正常労働時間は1日8時間・週40時間。残業は1日12時間、月46時間まで。
台湾の勞働基準法(労基法)は、正常な労働時間を1日8時間、週40時間と定めています(第30条)。残業は、労働組合の同意(組合がなければ労使会議の同意)があって初めて可能で、正常時間と合わせて1日12時間、残業は月46時間までです(第32条)。台湾に現地法人を置く日本企業は、上限、割増、休息、例外を条文で確認する必要があります。
正常労働時間と記録
第30条第1項は、正常労働時間を1日8時間、週40時間以内と定めます。雇用主は、労働者の出勤記録を備え、5年間保存しなければなりません。記録は、1日ごとに出勤の状況を分単位まで記載する必要があり、労働者が出勤記録の写しを求めたときは、雇主は拒否できません。
労使の同意(労働組合がなければ労使会議の同意)で、2週間以内の2日分の正常労働時間を他の日に割り振ることができます。その場合、割り振った分は1日2時間以内、週の総労働時間は48時間以内です。このような変形は、中央主管機関が指定する業種にのみ適用されます。
残業の上限(第32条)
| 項目 | 上限 |
|---|---|
| 1日の総労働時間(正常時間+残業) | 12時間 |
| 残業時間(1か月) | 46時間 |
| 労使同意がある場合の残業(1か月) | 54時間 |
| 労使同意がある場合の残業(3か月) | 138時間 |
残業を命じるには、労働組合の同意、組合がない事業単位では労使会議の同意が必要です。月46時間を超えて月54時間まで延ばす場合も、労働組合(なければ労使会議)の同意が条件で、30人以上を雇う雇用主は地方の主管機関に届け出ます。
天災、事変または突発事件で働かせる必要があるときは、例外的に延長できます。その場合は、延長開始から24時間以内に労働組合へ通知し、組合がなければ主管機関へ届け出ます。事後に、適切な休息を補って与えなければなりません。
残業代の割増(第24条)
第24条は、平日の残業の工資を、次のように加給すると定めます。
- 延長が2時間以内:平日の1時間あたりの工資額に3分の1以上を加給
- さらに延長して2時間以内:平日の1時間あたりの工資額に3分の2以上を加給
休息日に働かせる場合は、2時間以内なら平日の1時間あたりの工資額にさらに1と3分の1以上、2時間を超えて続けるなら1と3分の2以上を加給します。第39条により、国定假日などに同意を得て出勤させたときは、工資は倍額です。
休憩と交替制
第35条は、労働者が4時間継続して働いたとき、少なくとも30分の休憩を与えると定めます。交替制の場合は、シフトを週に1回更換し、更換のときは少なくとも連続11時間の休息時間を設けます(第34条)。業種の特性によって、中央主管機関の公告があれば連続8時間まで短縮できますが、労働組合(なければ労使会議)の同意が必要で、30人以上を雇う場合は地方の主管機関に届け出ます。
第36条は、労働者に7日ごとに2日の休みを与えると定め、1日を例假(法定休日)、1日を休息日とします。
責任制の例外(第84条の1)
中央主管機関が核定・公告する次の仕事は、労使が別に労働時間、例假、休假などを約定でき、第30条、第32条、第36条、第37条などの制限を受けません。
- 監督・管理人員または責任制の専門職
- 監視的または間歇的な仕事
- その他の性質が特殊な仕事
約定は書面で行い、地方の主管機関に届け出ます。また、労働基準法が定める基準を参考にし、労働者の健康や福祉を損なってはなりません。
手順
- 就業規則と雇用契約に、1日8時間・週40時間の正常労働時間を書く。
- 勤怠システムで、出勤記録を分単位で残し、5年間保存する体制にする。
- 残業の可能性がある事業所は、労働組合または労使会議の同意を取る。
- 月ごとの残業時間を集計し、月46時間(同意があれば54時間、3か月で138時間)の上限を超えないか管理する。
- 休息日の勤務、残業の割増、シフトの休息時間(11時間)を、給与計算とシフト表に反映する。
注意点
- 台湾の上限は、1日の総労働時間(12時間)と、1か月の残業時間(46時間)の2本立てです。
- 責任制の約定(第84条の1)は、対象職種が公告で限定されています。管理職という名称だけでは当てはまりません。
- 出勤記録の写しを求められたとき、会社は拒否できません。
- 本稿は2024年7月31日修正版の条文にもとづきます。改正がないか確認してから運用します。
よくある質問
台湾の正常労働時間は何時間ですか。
1日8時間、週40時間です。
残業は月に何時間までですか。
月46時間までです。労働組合(なければ労使会議)の同意があれば、月54時間、3か月で138時間までです。
平日の残業の割増率はいくらですか。
最初の2時間は3分の1以上、次の2時間は3分の2以上を、平日の1時間あたりの工資額に加給します。
管理職には残業の規制が適用されませんか。
第84条の1で公告された、監督・管理人員や責任制の専門職などは、労使が別に約定できます。約定は書面で行い、主管機関への届出が必要です。
出典
- 全國法規資料庫「勞動基準法」第24・30・32・34・35・36・84-1條(2026-10-17 查證):延長之工作時間,一個月不得超過四十六小時。
- 勞動部「國定假日及補假」(2026-10-17 確認):雇主如果取得勞工同意在該日出勤工作,須加給該工作時間的工資。