台湾の営業税(VAT)の基本|標準税率5%・零税率・免税と仕入税額控除の対象外
台湾の営業税は標準税率5%。輸出は零税率、小規模営業人は1%。
台湾の営業税は、日本の消費税に当たる付加価値税で、標準税率は5%です。営業税法第1条は、台湾内で貨物や役務を販売する場合と、貨物を輸入する場合に課税すると定めています。輸出取引は税率ゼロ、規模の小さい事業者は1%の査定課税、銀行・保険などの金融業は別の税率というように、区分ごとに計算方法が異なります。台湾に子会社や支店を置く日本企業が、日本の消費税の感覚で処理して誤らないよう、税率、課税対象、控除できない仕入税額を整理します。
税率の区分
営業税法第10条は、一般の営業税率を5%以上10%以下の範囲とし、徴収率は行政院が定めると規定しています。財政部の税務入口網は現行の標準税率を5%としています。
| 課税方式 | 税率 | 備考 |
|---|---|---|
| 一般税額計算(標準) | 5% | 当期の売上税額から仕入税額を引いた残りを納付 |
| 零税率 | 0% | 輸出貨物、輸出に関連する役務、国内で提供して国外で使われる役務など(第7条) |
| 小規模営業人 | 1% | 規模が小さく査定課税される事業者。農産物の小規模販売者は0.1%(第13条) |
| 銀行・保険の本業収入 | 5% | 保険の再保険料収入は1%(第11条) |
| 証券・期貨・票券などの本業収入 | 2% | 第11条 |
| ナイトクラブ、娯楽番組のある飲食店 | 15% | 財政部の節税手冊 |
| 酒家、同伴サービス付きの茶室・バー | 25% | 同上 |
税額の計算例は、財政部の節税手冊に載っています。売上額300,000元に5%を掛けると売上税額は15,000元で、控除できる仕入税額が10,000元なら、納付額は5,000元です。
課税対象と納税義務者
第2条は、納税義務者を、貨物や役務を販売する営業人、貨物を輸入する荷受人、そして台湾内に固定の営業場所がない外国の事業者から役務を買う買い手などと定めています。外国の事業者が台湾に固定の営業場所を持っていれば、その場所も営業人(第6条)です。第6条第4号は、台湾に固定の営業場所がなくても、インターネットなどのデジタル方式で電子役務を台湾内の個人に販売する外国の事業者を営業人に含めています。
第4条は、貨物の販売が台湾内になるのは、運搬が必要な場合は起点が台湾内にあるときだと定めます。役務は、台湾内で提供または使用されるものが台湾内の販売になります。
仕入税額を控除できない5つのケース
第19条は、次の仕入税額を売上税額から控除できないと定めています。
- 第33条の証憑(統一発票など)を取得・保存していない購入
- 本業および付随業務に使わない貨物・役務の購入(国防への協力、軍への慰労、政府への寄付を除く)
- 交際・接待に使う貨物・役務
- 従業員個人への報酬に当たる貨物・役務
- 自家用の乗用小型自動車
専ら第8条の免税貨物・役務だけを扱う営業人は、仕入税額の還付を申請できません。免税と零税率は別の扱いで、零税率なら輸出売上の仕入税額が戻る一方、免税は戻らない点が違います。
申告のサイクル
営業人は売上の有無にかかわらず、2か月を1期として、次の期の初めから15日以内に、売上額と納付額または超過納付額を主管稽徴機関に申告します(第35条)。零税率の取引がある営業人は、月ごとの申告を申請できます(同一年度内は変更不可)。申告の詳細は別稿で扱います。
手順
- 取引ごとに、課税、零税率、免税のどれに当たるかを分類する。
- 課税取引について、売上額に5%を掛けて売上税額を出す。
- 仕入先から受け取る統一発票(営業人宛ては三聯式)を整理し、控除できる仕入税額を集計する。
- 交際費、従業員個人への給付、乗用車の仕入税額を控除対象から外す。
- 売上税額から仕入税額を引いた額を、2か月ごとの申告書で納付する。
注意点
- 小規模営業人の1%は、規模が小さいことを理由に、主管機関が売上額を査定して課税する方式です。事業者が自由に選べる制度ではありません。
- 営業税法第32条は、応税の貨物・役務の定価に営業税を内含するよう定めています。契約書では、税込みか税抜きかを明記します。
- 零税率の適用範囲と必要書類は、財政部の規定で確認します。第7条の本文には、書類の要件は書かれていません。
- 免税事業のみを営む事業者は、仕入税額が還付されません。
よくある質問
台湾の営業税率はいくらですか。
標準税率は5%です。小規模営業人は1%、輸出などは0%です。
輸出取引にも営業税がかかりますか。
かかりません。輸出貨物と、輸出に関連する役務の税率はゼロです(第7条)。仕入税額は控除できます。
交際費の仕入税額は控除できますか。
できません。第19条は、接待・交際用の貨物・役務を控除対象から外しています。
営業税はいつ申告しますか。
2か月を1期として、次の期の初めから15日以内に申告します。
出典
- 全國法規資料庫「加值型及非加值型營業稅法」第1・2・6・7・10・11・13・19・32・35條(2026-10-17 查證):營業稅稅率,除本法另有規定外,最低不得少於百分之五,最高不得超過百分之十。
- 財政部稅務入口網「營業稅節稅手冊 課稅方式」(2026-10-17 確認):一般稅額計算 5%。