台湾の営業税の免税項目|土地の売却・医療・教育・金融など31号(第7号は削除)、専営の免税は仕入税額の還付なし、免税の放棄は3年間変更不可
営業税の免税は31号。免税の売上だけの事業者は仕入税額の還付なし。免税の放棄は3年間変更不可。

台湾の営業税は付加価値型の税ですが、すべての売上が課税されるわけではなく、法律が列挙した貨物や役務は免税です。台湾の子会社が、土地を売る、医療や教育のサービスを提供する、金融の取引をするといった場合は、この免税の規定に当たるかどうかで、申告の方法も、仕入れにかかった営業税の扱いも変わります。この記事では、加値型及び非加値型営業税法(以下、営業税法)第8条の免税項目、免税とゼロ税率の違い、免税の事業者の仕入税額の扱い、免税の放棄を、条文で整理します。税率や申告の頻度は、別の記事で扱います。
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免税の項目
営業税法第8条第1項は、次の貨物や役務を免税としています。第1号から第32号まで列挙されています(第7号は削除されたので、現行は31号です)。代表的なものだけ紹介します。
| 号 | 内容 |
|---|---|
| 第1号 | 売却した土地 |
| 第3号 | 病院、診療所、療養院が提供する医療の役務、薬品、病室の宿泊と食事 |
| 第5号 | 学校、幼稚園、その他の教育文化機関が提供する教育の役務 |
| 第9号 | 登記された新聞社、雑誌社、通信社、テレビ局、ラジオ局が自社の事業で販売する新聞、出版物、通信原稿、広告、番組の放映など(ただし、新聞社が売る広告とテレビ局の広告の放映は含まない) |
| 第11号 | 農会、漁会、工会などが会員に売る貨物や役務。農会、漁会、協同組合、政府の出資比率が合計70%以上の農産品卸売市場が徴収する管理費 |
| 第19号 | 飼料と、加工していない生鮮の農林漁畜産物、副産物。農民・漁民が自分で収穫、捕獲したものを売る場合 |
| 第21号 | 米と小麦粉の販売、精米加工 |
| 第22号 | 第4章第2節の方式で税額を計算する営業人が、頻繁には売買せずに持っている固定資産を売却する場合 |
| 第29号 | 銀行の本支店間の利息、信託資金の収入、質屋が売る流質品(元利を超えないもの) |
| 第30号 | 金の延べ棒、金の塊、金貨、純金の装飾品。加工費は免税の対象外 |
| 第32号 | デリバティブ、社債、金融債、新台湾ドルと外貨のコールの売上額。手数料は含まない |
条文には、このほかにも、社会福祉、出版、協同組合、郵便・電信、政府の専売品などが挙がっています。自社の売上が、どの号に当たるかは、条文の文言と照らして確認する必要があります。
免税とゼロ税率の違い
営業税法第10条は、営業税の税率を、原則として最低5%、最高10%と定めています。第7条は、輸出する貨物や、輸出に関連する役務などの税率を、0%としています。ゼロ税率の売上は、仕入れにかかった営業税(進項税額)を控除する対象になり、ゼロ税率の売上で生じた溢付税額は、税務署が調べたうえで還付されます(第39条第1項第1号)。
これに対し、免税の売上は、課税の対象から外れています。第19条第2項は、第8条第1項の免税の貨物や役務を専門に営む営業人(専営)は、進項税額の還付を申請できないと定めています。つまり、免税の売上しかない事業者は、仕入れにかかった営業税を回収できません。
一部が免税、一部が課税の営業人(兼営)は、進項税額のうち、控除できない部分の比率と計算方法を、財政部が定めます(第19条第3項)。比率の中身は、この記事では扱いません。
免税の放棄
第8条第2項は、免税の貨物や役務を売る営業人が、財政部に申請して承認を得れば、免税の規定を適用せず、第4章第1節の方式で営業税額を計算できると定めています。ただし、承認を受けた後の3年間は、変更できません。
この規定により、免税の事業者が、課税事業者の方式を選べます。ただし、3年間は固定されます。放棄が自社に合うかどうかの判断は、この記事では扱いません。
税籍登記の免除
第29条は、第8条第1項の特定の号(第2号から第5号、第8号、第12号から第15号、第17号から第20号、第31号)の免税の貨物や役務だけを専営する営業人と、各級政府機関は、税籍登記を免除できると定めています。すべての免税の事業者が登記不要になるわけではなく、この列挙の範囲に限られます。
手順
- 自社の売上を、課税、ゼロ税率、免税に分類する。
- 免税に当たる売上は、第8条第1項の何号に当たるかを、条文の文言で確認する。
- 免税だけの事業か、課税と免税の両方があるかを確認する。
- 免税だけの場合は、仕入れの営業税を回収できない前提で、価格を設計する。
- 免税を放棄するかどうかを、3年間の固定を踏まえて検討する。
- 免税の売上があるときの申告書の書き方や、控除できない進項税額の比率は、財政部の規定で確認する。申告は原則として2か月を1期として行う。
注意点
- 土地の売却は免税ですが、土地に別の税(土地増値税など)がかかる場合があります。営業税以外の税は、この記事では扱いません。
- 第8条第1項の号数は、営業税法の改正で変わることがあります。引用する際は、現行の条文を確認します。
- 課税の売上と免税の売上を兼営する場合は、仕入れにかかった営業税の控除に比率の制限がかかります(第19条第3項)。
よくある質問
台湾で土地を売ると、営業税はかかりますか。
かかりません。売却した土地は免税です(営業税法第8条第1項第1号)。
免税とゼロ税率は、何が違いますか。
ゼロ税率は、課税の売上で税率が0%で、仕入れにかかった営業税を控除、還付できます。免税の専営は、仕入税額を還付できません(第19条第2項)。
免税を放棄できますか。
財政部の承認を得れば放棄できます。承認後の3年間は変更できません(第8条第2項)。
医療サービスは免税ですか。
病院、診療所、療養院が提供する医療の役務、薬品、病室の宿泊と食事は免税です(第8条第1項第3号)。
出典
- 全國法規資料庫「加值型及非加值型營業稅法」第7・8條(2026-10-19 查證):下列貨物或勞務免徵營業稅。
- 全國法規資料庫「加值型及非加值型營業稅法」第19・29條(2026-10-19 查證):營業人專營第八條第一項免稅貨物或勞務者,其進項稅額不得申請退還。