台湾の房地合一税(不動産の譲渡所得税)|2016年以後に取得した家と土地の売却益が対象、居住者の個人の税率は保有2年以内45%・2〜5年35%・5〜10年20%・10年超15%(非居住者は45%・35%)、30日以内に申告
2016年以後取得の売却益が対象。居住者は45%・35%・20%・15%、非居住者は45%・35%。申告は30日以内。

台湾の不動産を売る日本人や日本企業にとって、売却益にかかる税金として、土地の増値税のほかに、「房地合一税」があります。これは、所得稅法に定められた、房屋(建物)と土地の取引で生じた所得にかかる所得税で、2016年1月1日以後に取得した不動産が対象です。この記事では、所得稅法の第4条の4、第4条の5、第14条の4から第14条の8、第24条の5にもとづいて、課税の対象、所得の計算、個人と営利事業の税率、自住用の免税、申告の期限、買い替えの特例を整理します。土地増値税は、別の記事で扱います。
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課税の対象
第4条の4第1項は、個人と営利事業が、2016年1月1日以後に取得した房屋、房屋とその敷地、または建築許可を発給できる土地を取引した場合、その取引の所得に所得税を課すと定めています。
預売屋(建築前の売買)や、地上権の方式による房屋の使用権の取引も、同様に扱われます(同条第2項)。また、個人や営利事業が、過半数の株式や出資額を持つ会社の株式を取引し、その会社の株式の価値の50%以上が、台湾内の房屋と土地で構成される場合は、その取引も、房屋・土地の取引とみなされます。ただし、上場、上櫃、興櫃の会社の株式は除きます(同条第3項)。
所得の計算
第14条の4第1項は、個人の所得を、取引の価額から、取得した原価と、取得、改良、移転のために支払った費用を引いた残額と定めています。相続や贈与で取得した場合は、取得時の評定現値や公告土地現値を、物価指数で調整した価値を、原価とします。
個人の取引による損失は、取引の日の後の3年以内の房屋・土地の取引の所得から引けます(同条第2項)。
この所得から、土地税法第30条第1項の公告土地現値で計算した土地の値上がり総額を引いた残額が、総合所得とは別に、次の税率で課税されます(同条第3項)。
個人の税率
台湾に居住する個人(居住者)の税率は、保有期間で次のとおりです。
| 保有期間 | 税率 |
|---|---|
| 2年以内 | 45% |
| 2年超5年以内 | 35% |
| 5年超10年以内 | 20% |
| 10年超 | 15% |
そのほか、財政部が公告した転勤、非自発的離職などの非自発的な要因で、保有5年以下で売った場合は20%、都市更新に参加して取得した房屋・土地の初回の移転で、保有5年以下の場合も20%です。自住用の房屋・土地で、課税される所得が400万元を超える部分は、10%です。
台湾に居住しない個人(非居住者)の税率は、保有2年以内が45%、2年超が35%です。
相続や遺贈で取得した場合は、被相続人の保有期間を合算できます(第14条の4の最終項)。
営利事業の税率
営利事業の房屋・土地の取引所得は、営利事業の所得とは別に、分けて税額を計算します。ただし、営利事業が自ら建築した房屋とその敷地の初回の移転は、この分離課税の対象外で、土地の値上がり総額を引いた残額が営利事業所得に含めて課税されます(第24条の5第4項)。独資・合夥組織の営利事業は、出資者個人に第14条の4〜14条の7が適用されます(同条第6項)。本店が台湾内にある営利事業の税率は、保有2年以内45%、2年超5年以内35%、5年超20%です。本店が台湾の外にある営利事業は、2年以内45%、2年超35%です(第24条の5第2項)。
自住用の免税
第4条の5第1項は、次の条件を満たす自住用の房屋・土地を、免税としています。ただし、免税される所得は、計算した残額が400万元を超えない範囲に限られます。
- 個人、配偶者、未成年の子の戸籍を置き、その房屋を持ち、居住して、連続して満6年になる。
- 取引の前の6年以内に、賃貸、営業、業務の執行に使っていない。
- 個人、配偶者、未成年の子が、取引の前の6年以内に、この免税を使っていない。
収用された土地や、公共施設の保留地なども、免税の対象です。
申告の期限
第14条の5は、個人が、取引による所得や損失があるときは、税額の有無にかかわらず、次の各日から30日以内に、申告書に契約書の写しなどを添えて、稽徴機関に申告すると定めています。税額があるときは、納付の領収書も添えます。
- 所有権の移転登記が完了した日の次の日(房屋・土地)。
- 預売屋や使用権の取引日の次の日。
- 株式の取引日の次の日。
買い替えの特例
第14条の8は、個人が自住用の房屋・土地を売って納めた税額について、移転登記の日から2年以内に、自住用の房屋・土地を買い替えた場合、買い替えの価額が売却価額に占める割合に応じて、納めた税額の還付を申請できると定めています。買い替えた房屋・土地を5年以内に別の用途にしたり、再び移転したりすると、還付や控除された税額が追徴されます。
手順
- 売る不動産の取得日が、2016年1月1日以後かを確認する。
- 保有期間と、自住用の免税の条件(6年の居住、戸籍など)を確認する。
- 売却益を、取得原価と費用、土地の値上がり総額を引いて計算する。
- 所有権の移転登記の次の日から30日以内に、申告書を提出し、納税する。
- 買い替える場合は、2年以内の買い替えと還付の条件を確認する。
注意点
- 申告は、税額がゼロでも必要です。
- 非居住者の税率は、居住者より高く、保有2年超でも35%です。
- 自住用の免税は、6年間の居住や戸籍などの条件があり、所得400万元の上限があります。
よくある質問
房地合一税は、いつ取得した不動産が対象ですか。
2016年1月1日以後に取得した房屋・土地です(所得稅法第4条の4第1項)。
税率はどのくらいですか。
居住者の個人は、保有期間により、45%、35%、20%、15%です(第14条の4第3項)。
申告はいつまでですか。
移転登記の完了日の次の日から30日以内です(第14条の5)。
自分が住んでいた家は免税ですか。
6年間の居住などの条件を満たせば、所得400万元までが免税です(第4条の5第1項)。
出典
- 全國法規資料庫「所得稅法」第4條之4・4條之5(2026-10-19 查證):個人及營利事業交易中華民國一百零五年一月一日以後取得之房屋、房屋及其坐落基地或依法得核發建造執照之土地。
- 全國法規資料庫「所得稅法」第14條之4・14條之5・14條之8・24條之5(2026-10-19 查證):稅率為百分之四十五。