台湾の政府調達と外国企業の参加|政府採購法第17条は条約・協定の定めに従い、条約外は処理辦法、外国廠商は台湾国籍のない自然人と台湾法に基づかない法人など、特定の調達の国内優遇は3%以内・5年以内
外国廠商の参加は条約・協定の定めに従う。条約外は辦法が定める。特定の調達の国内優遇は3%以内・5年以内。

台湾の政府機関、公立学校、公営事業が行う調達(入札)に、日本企業が参加できるかどうかは、台湾の政府採購法と、台湾が結んだ条約・協定で決まります。日本の本社が直接入札する場合と、台湾の子会社が入札する場合では、法律上の扱いが違います。この記事では、政府採購法の第2条、第3条、第17条、第36条、第43条、第44条と、外国廠商参与非条約協定採購処理辦法にもとづいて、調達の範囲、外国廠商の参加の枠組み、外国廠商と原産地の定義、国内産品の優遇、資格書類の扱いを整理します。個別の協定の対象範囲や、入札の手続き、保証金は、この記事では扱いません。
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調達の範囲
政府採購法第2条は、調達を、工事の請負、財物(物品)の購入・特注・賃借、労務の委任や雇用などと定めています。第3条は、政府機関、公立学校、公営事業が行う調達に、この法律が適用されると定めています。
外国廠商の参加の枠組み
第17条第1項は、外国廠商が各機関の調達に参加するときは、台湾が締結した条約・協定の規定に従うと定めています。条約・協定の対象にならない調達については、外国廠商の参加の扱いを、主管機関が辦法で定めます(同条第2項)。
外国の法令が、台湾の廠商や製品・サービスの調達への参加を制限または禁止している場合は、主管機関は、その国の廠商や製品・サービスの参加を制限または禁止できます(同条第3項)。
国家安全に関わる調達では、台湾または外国の廠商に、資格の制限条件を付ける必要がある場合の辦法が、別に定められます(同条第4項)。
条約・協定の対象外の調達
外国廠商参与非条約協定採購処理辦法は、「非条約協定採購」を、台湾が結んだ条約・協定を適用しなくてよい調達と定義しています(辦法第2条)。機関が、非条約協定の調達で、外国廠商の参加を認めるかは、実際の必要に応じて、入札書類に定めます(辦法第5条)。
条約・協定を適用する調達でも、入札書類で非条約協定国の廠商の参加を認める場合は、その参加の部分を、非条約協定の調達とみなします(辦法第2条第2項)。
外国廠商の定義と原産地
辦法第3条は、外国廠商を、台湾の国籍を持たない自然人、または台湾の法律にもとづいて設立登記されていない法人、機関、団体と定めています。
つまり、台湾の法律にもとづいて設立登記された日本企業の台湾子会社は、この定義上、外国廠商には当たりません。
ただし、廠商が供給する財物や労務の原産地も、扱いに関係します(辦法第4条)。財物の原産地は、輸入貨物の原産地の認定基準によります。台湾の廠商が供給する財物や労務の原産地が台湾でない場合は、外国廠商とみなされます(辦法第4条第2項)。条約協定国の廠商が供給する財物の原産地が非条約協定国の場合は、非条約協定国の廠商とみなされます(同条第3項)。
資格書類の扱い
第36条第3項は、外国廠商の入札資格と、提出する資格書類について、実際の必要に応じて別に定めることができ、公証または認証を受けた中国語訳を添付し、入札書類に定めると規定しています。
国内産品の優遇
第43条は、条約・協定が禁止していない限り、機関が次の措置のいずれかを採れると定めています。入札書類への記載が必要です。
- 国内の物品の調達比率、技術移転、投資、輸出支援などの条件を、評価の項目にする。比率は3分の1を超えられない。
- 外国廠商が最低価格で、その価格が決定の原則に合う場合に、その価格で国内の廠商に優先して決定する。
第44条は、特定の調達で、国内産品の付加価値が50%に達する財物などに、外国廠商が最低価格のとき、一定の比率以内で高い価格でも国内廠商に優先して決定できると定めています。この措置は、雇用や産業の発展政策に合う場合に限り、比率は3%を超えられず、優遇の期間は5年を超えられません。
手順
- 参加したい調達が、条約・協定の対象か、非条約協定の調達かを、入札書類で確認する。
- 参加する主体が、日本企業本体か、台湾の子会社かを決める。
- 外国廠商に当たる場合は、資格書類の中国語訳(公証または認証付き)を準備する。
- 供給する財物や労務の原産地を確認する。
- 国内産品の優遇措置が、入札書類に定められているかを確認する。
注意点
- 台湾の子会社は、設立登記が台湾の法律によるため、外国廠商の定義には当たりません。ただし、原産地が台湾でない場合は、外国廠商とみなされることがあります。
- 条約・協定が適用される調達では、優遇措置が禁止されることがあります。
- 入札書類の条件が、個別の調達で異なります。
よくある質問
日本企業は台湾の政府調達に参加できますか。
条約・協定の対象の調達は、その規定に従います。対象外は、機関が入札書類で外国廠商の参加を認めるかを決めます(政府採購法第17条、辦法第5条)。
台湾子会社は外国廠商ですか。
台湾の法律で設立登記された法人は、外国廠商の定義に当たりません(辦法第3条)。ただし、原産地が台湾でない財物は、外国廠商の扱いになることがあります(辦法第4条)。
国内産品の優遇はどのくらいですか。
第44条の特定の調達(国内加値50%以上の財物など)で、条約・協定が禁止していない場合に、機関が採る優遇は、比率3%以内、期間5年以内です(同条第2項)。第43条の評価項目(国内貨物の調達比率など)は、比率が3分の1以内です。
資格書類は日本語のままでいいですか。
公証または認証を受けた中国語訳を添付する、と入札書類に定められます(第36条第3項)。
出典
- 全國法規資料庫「政府採購法」第2・3・17條(2026-10-19 查證):外國廠商參與各機關採購,應依我國締結之條約或協定之規定辦理。
- 全國法規資料庫「政府採購法」第36・43・44條、「外國廠商參與非條約協定採購處理辦法」第2〜5條(2026-10-19 查證):未取得我國國籍之自然人或非依我國法律設立登記之法人、機構或團體。