台湾の定期契約と不定期契約|定期契約にできるのは臨時・短期・季節・特定の4種類の仕事、満了後に働かせ続けると不定期契約とみなす、前後の期間が90日超で間が30日以内でも転換(特定性・季節性を除く)
定期契約にできる仕事は4種類。満了後に働かせると不定期契約とみなす。前後90日超・間30日以内も転換。

台湾の子会社で、契約社員を1年ごとに更新して雇う、あるいは、プロジェクトの期間だけ雇うとき、台湾の労働基準法は、「定期契約」にできる仕事の範囲を限り、更新を重ねた場合に「不定期契約」とみなす規定を置いています。この記事では、労働基準法第9条、第15条と、同法施行細則第6条、第7条にもとづいて、定期契約にできる仕事、不定期契約とみなされる場合、契約書に定める事項、労働者側からの解約を整理します。試用期間は、別の記事(台湾の雇用契約と試用期間)で扱います。
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定期契約にできる仕事
労働基準法第9条第1項は、労働契約を、定期契約と不定期契約に分け、臨時性、短期性、季節性、特定性の仕事は定期契約にでき、継続的な仕事は不定期契約にしなければならないと定めています。派遣事業単位が派遣労働者と結ぶ労働契約は、不定期契約でなければなりません。
施行細則第6条は、4種類の仕事を、次のように定義しています。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 臨時性の仕事 | 予測できない非継続の仕事で、期間が6か月以内 |
| 短期性の仕事 | 6か月以内に完成すると予測できる非継続の仕事 |
| 季節性の仕事 | 季節ごとの原料、材料の入手、市場の販売に影響される非継続の仕事で、期間が9か月以内 |
| 特定性の仕事 | 特定の期間内に完成できる非継続の仕事。期間が1年を超える場合は、主管機関に届け出て、確認を受ける |
つまり、通常の業務が続くのに、有期の契約を更新し続ける形は、定期契約にできる仕事に当たらない可能性があります。
不定期契約とみなされる場合
第9条第2項は、定期契約が満了した後、次のどちらかに当てはまると、不定期契約とみなされると定めています。
- 労働者が仕事を続け、雇主がすぐに反対の意思を示さなかった。
- 新しい契約を結んでも、前後の労働契約の期間を合わせて90日を超え、前後の契約の間の空白が30日以内。
ただし、第3項により、特定性または季節性の定期の仕事には、この規定は適用されません。
たとえば、3か月の契約を2回、間を10日あけて結ぶと、前後の期間の合計は約6か月(90日を超える)で、空白は30日以内です。この場合、特定性・季節性の仕事でなければ、不定期契約とみなされるおそれがあります。(算術は本稿のものです。)
労働契約書に定める事項
施行細則第7条は、労働契約で、労働基準法の関係規定にもとづいて定める事項を、次の13項目としています。
- 仕事の場所と仕事の内容。
- 始業と終業の時刻、休憩、休暇、例假、休息日、請假、シフトの交代。
- 賃金の決め方、調整、計算、締め、支払いの日と方法。
- 契約の締結、終了、退職。
- 資遣費、退職金、その他の手当と賞与。
- 労働者が負担する食費、宿泊費、工具費。
- 安全衛生。
- 教育と訓練。
- 福利。
- 災害補償と一般の傷病補助。
- 守るべき規律。
- 賞罰。
- その他の労使の権利義務。
労働者側からの解約
第15条第1項は、特定性の定期契約で、期間が3年を超える場合、3年を過ぎた後は、労働者が契約を終了できると定めています。ただし、30日前に雇主へ予告する必要があります。
不定期契約で、労働者が契約を終了するときは、第16条第1項の期間(勤続に応じた10日、20日、30日)で、雇主に予告します(第15条第2項)。予告期間の詳しい内容は、別の記事(台湾の従業員の退職予告と離職手続き)で扱っています。
日本人駐在員の契約との関係
日本から派遣される駐在員の就労許可は、最長3年の期間で出ます。許可の期間と、労働契約が定期か不定期かは、別の問題です。この記事では、駐在員の労働契約の定期・不定期の扱いは確認していません。
手順
- 雇う仕事が、臨時性、短期性、季節性、特定性のどれに当たるかを確認する。
- 当てはまらない継続的な仕事は、不定期契約で雇う。
- 定期契約の期間は、臨時性は6か月以内、季節性は9か月以内に収める。
- 契約が満了した後は、労働者を続けて働かせない。続けるなら、新しい契約を結ぶ。
- 更新を重ねる場合は、前後の契約の期間の合計と、間の空白の日数を管理する。
- 契約書に、施行細則第7条の13項目を書く。
注意点
- 特定性または季節性の仕事には、更新による不定期契約への転換の規定が適用されません。
- 特定性の仕事で期間が1年を超える場合は、主管機関に届け出ます。
- 継続的な仕事は、不定期契約が原則です。
よくある質問
台湾で1年契約の社員を更新して雇えますか。
仕事が臨時性、短期性、季節性、特定性のどれにも当たらない継続的な仕事なら、不定期契約にしなければなりません(労働基準法第9条第1項)。
契約の満了後も働いてもらったら。
雇主がすぐに反対の意思を示さなければ、不定期契約とみなされます(同条第2項第1号)。特定性・季節性の定期の仕事は除きます(同条第3項)。
契約を更新するとき、空白があれば問題ありませんか。
前後の契約の期間の合計が90日を超え、空白が30日以内なら、不定期契約とみなされます(同項第2号)。特定性・季節性の定期の仕事は除きます(同条第3項)。
労働契約書に書くことは。
施行細則第7条の13項目です。
出典
- 全國法規資料庫「勞動基準法」第9・15條(2026-10-19 查證):臨時性、短期性、季節性及特定性工作得為定期契約;有繼續性工作應為不定期契約。
- 全國法規資料庫「勞動基準法施行細則」第6・7條(2026-10-19 查證):臨時性工作:係指無法預期之非繼續性工作,其工作期間在六個月以內者。