台湾の従業員の退職予告と離職手続き|不定期契約は勤続に応じて10日・20日・30日前に予告、最低服務年限の約定の条件
不定期契約の退職予告は勤続に応じて10日・20日・30日前。最低服務年限の約定には条件がある。
台湾で従業員が会社を辞めるとき、何日前に伝える必要があるのか、会社は引き留めのために最低勤続年数を約束させられるのか、離職の際に会社が行う手続きは何か、という点は、台湾子会社の人事担当者がよく確認するところです。勞動基準法は、不定期契約の従業員の予告期間、定期契約の特則、最低服務年限の約定の条件を定めています。この記事では、これらの条文にもとづいて、従業員側の退職の予告、約定の有効性、離職時に会社が行う手続きを整理します。会社側から契約を終了する場合は、別稿で扱っています。
契約の種類(勞基法第9条)
第9条第1項は、労働契約を定期契約と不定期契約に分け、臨時的、短期的、季節的、特定的な仕事は定期契約にでき、継続的な仕事は不定期契約にすると定めています。派遣事業単位と派遣労働者の契約は、不定期契約でなければなりません。
定期契約が満了した後、労働者が働き続けて使用者がすぐに反対しない場合などは、不定期契約とみなされます(同条第2項)。
従業員の予告期間(第15条)
第15条第2項は、不定期契約の労働者が契約を終了するとき、第16条第1項の予告期間を準用して、雇用主に予告すると定めています。期間は次のとおりです。
| 継続勤務の期間 | 予告の時期 |
|---|---|
| 3か月以上1年未満 | 10日前 |
| 1年以上3年未満 | 20日前 |
| 3年以上 | 30日前 |
第15条第1項は、特定性定期契約で、期間が3年を超えるものについて、3年が経過した後は、労働者が契約を終了でき、30日前に雇用主へ予告すると定めています。
最低服務年限の約定(第15条の1)
雇用主は、次のどちらかに当たらない限り、労働者と最低服務年限の約定を結んではなりません。
- 雇用主が、労働者のために専門技術の研修を行い、その費用を提供した場合。
- 雇用主が、労働者に最低服務年限を守らせるために、合理的な補償を提供した場合。
最低服務年限の約定は、次の事項を総合的に考慮し、合理的な範囲を超えてはなりません(同条第2項)。
- 雇用主が行う研修の期間と費用。
- 同じまたは類似の職務の労働者の代替の可能性。
- 雇用主が提供する補償の額と範囲。
- その他、最低服務年限の合理性に影響する事項。
これらに違反する約定は無効です(同条第3項)。労働者の責めに帰すことができない事由で、最低服務年限が終わる前に契約が終了した場合は、労働者は最低服務年限の約定に違反した責任や、研修費用を返す責任を負いません(同条第4項)。
離職時に会社が行う手続き
条文で確認できる、離職時の主な手続きは次のとおりです。
- 服務証明書。 労働者が請求したら、雇用主や代理人は拒んではなりません(勞基法第19条)。
- 未消化の特別休暇。 契約が終了して使い切れなかった特別休暇の日数は、雇用主が賃金を払います(勞基法第38条第4項)。
- 社会保険の通知。 勞工退職金条例の個人専用の口座への提繳は、離職の日から7日以内に勞保局へ通知して停止します(条例第18条)。
- 労工保険の退保。 離職の当日に、リストを作って保険者へ通知します(勞工保險條例第11条)。
手順
- 従業員の契約が、定期か不定期かを確認する。
- 不定期契約の場合は、従業員の勤続に応じて、10日、20日、30日前の予告を受ける。
- 最低服務年限の約定がある場合は、研修費用の提供または合理的な補償があるかを確認する。
- 離職の日に、未消化の特別休暇の賃金を計算する。
- 離職の当日に労工保険の退保を通知し、7日以内に勞工退職金の提繳の停止を通知する。
- 従業員が求めたら、服務証明書を発行する。
注意点
- 予告期間の短縮や、会社側の承認について、条文は書いていません。
- 最低服務年限の約定が合理的な範囲を超える場合は、無効です。
- 定期契約の期間の途中の退職について、この記事では扱いません。
- 離職後の競業禁止の約定は、この記事では扱いません。
よくある質問
台湾で従業員が辞めるとき、何日前に伝えますか。
不定期契約では、勤続3か月以上1年未満は10日前、1年以上3年未満は20日前、3年以上は30日前に予告します(勞基法第15条第2項、第16条第1項)。
会社は最低勤続年数を約束させられますか。
研修を行って費用を出した場合や、合理的な補償を出した場合に限られます。範囲が合理的でなければ無効です(第15条の1)。
離職証明書は必ず出しますか。
服務証明書は、労働者が請求したら、拒めません(第19条)。
年次有給休暇は、離職のときどうなりますか。
未消化の特別休暇の日数について、雇用主が賃金を払います(第38条第4項)。
出典
- 全國法規資料庫「勞動基準法」第9・15・15-1・19條(2026-10-17 查證):不定期契約,勞工終止契約時,應準用第十六條第一項規定期間預告雇主。
- 全國法規資料庫「勞工退休金條例」第18條(2026-10-17 查證):雇主應於勞工到職、離職、復職或死亡之日起七日內,列表通知勞保局。