台湾の住宅賃貸の敷金(押金)の上限|租賃住宅市場発展及管理条例第7条は家賃の2か月分まで、契約終了時に返還、借主の中途解約は30日前の書面通知など
押金は家賃の2か月分まで。契約が終わり住宅を返したら、返還または債務に充当した残りを返す。

台湾に赴任する日本人の駐在員が、現地でマンションを借りるとき、または日本企業の台湾法人が社宅を借りるとき、敷金(台湾では「押金」)の金額や返還のルールは、契約書だけで決まるわけではありません。台湾の租賃住宅市場発展及管理条例は、住宅を借りる契約について、押金の上限、解約できる場合、引き渡しの方法を定めています。この記事では、この条例の第3条から第7条、第10条から第13条にもとづいて、適用される契約、押金の上限と返還、貸主と借主の中途解約、引き渡しの点検、広告の規定を整理します。法人名義の賃貸や、不動産会社の仲介の規制は、この記事では扱いません。
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適用される賃貸
第3条は、租賃住宅を、居住のために貸す建物と定義し、住宅租賃契約を、一方が建物を他方に居住のために貸し、他方が賃料を払う契約と定めています。
次の場合は、この条例が適用されません(第4条)。
- 休暇や旅行を目的とする賃貸。
- 政府、またはその専門の法人・機関が経営管理するもの。
- 合作社が経営管理するもの。
- 賃貸の期間が30日に満たないもの。
貸主と借主は、消費の関係にあるものとみなされ、消費者保護法の関連規定が適用されます(第5条第1項)。賃料は、貸主と借主が約定でき、土地法第97条は適用されません(第6条)。
押金の上限と返還
第7条第1項は、押金の金額は、賃料の総額の2か月分を超えてはならないと定めています。「賃料の2か月分」は、条文では「二個月之租金總額」と書かれています。
第7条第2項は、貸主が、賃貸契約が終了し、借主が住宅を返還して、契約から生じた債務を弁済したときに、押金を返すか、債務に充当した後の残りの押金を返すと定めています。
押金とは、借主が、賃貸住宅の損害賠償や遺留物の処理の責任を担保するために、前もって払う金銭です(第3条第13号)。
貸主が中途解約できる場合
第10条第1項は、賃貸期間中に、次の場合、貸主が契約を解約でき、借主は賠償を求められないと定めています。
- 借主が住宅や付属設備を壊し、修繕も相当の賠償もしない。
- 借主が賃料や費用の支払いを、2か月分遅らせ、相当の期限を定めた催告を受けても払わない。
- 借主が、貸主の書面の同意なく、第三者に転貸した。
- 貸主が、建て替えのために、必要があって回収する。
- その他、法律が定める場合。
貸主が解約するときは、証拠を添えて書面で借主に通知します。第1号から第3号、第5号の場合は、終了の30日前、第4号の場合は、終了の3か月前までに通知します(同条第2項)。
借主が中途解約できる場合
第11条第1項は、借主が解約でき、貸主が賠償を求められない場合を、次のとおり定めています。
- 病気や事故で、長期の療養が必要になった。
- 住宅が居住に適さず、修繕の必要があるのに、借主が相当の期限を定めて催告しても、貸主が修繕しない。
- 借主の責任でない事由で、住宅の一部が滅失し、残りでは居住を続けにくい。
- 第三者が住宅について権利を主張し、約定の居住ができなくなった。
借主が死亡した場合は、相続人が解約を主張できます(同条第2項)。借主または相続人が解約するときは、終了の30日前までに、証拠を添えて書面で貸主に通知します(同条第3項)。
引き渡しの点検
第12条第1項は、契約が終了したとき、住宅の返還は、貸主と借主が共同で、屋内の状態と付属設備の点検(点交)を行うと定めています。一方が点検に立ち会わず、他方が相当の期限を定めて催告しても立ち会わない場合は、点検が完了したとみなされます。
点検の後に残された物は、約定がなければ、貸主が相当の期限を定めて催告しても取りに来ないときは、所有権を放棄したとみなされ、処理の費用は押金から差し引けます(同条第2項)。
修繕と広告
貸主は、契約の前に、貸主が修繕を負担する項目と範囲を、借主に説明します(第8条第2項)。貸主が修繕を、借主の定めた適当な期限内にしないときは、借主が自分で修繕して、費用の償還を請求するか、賃料から差し引けます(同条第3項)。
貸主が出す賃貸住宅の広告の内容は、事実と合っていなければなりません(第13条第1項)。
手順
- 契約書の押金の額が、賃料の2か月分以内であるか確認する。
- 契約期間が30日以上か、休暇・旅行目的でないかを確認し、この条例の適用対象かを確かめる。
- 修繕の負担項目を、契約前に貸主から説明してもらう。
- 契約が終わるときは、貸主と共同で、屋内と設備の点検を行う。
- 押金の返還または充当の結果を、確認する。
注意点
- 押金の上限は、「賃料の総額の2か月分」と書かれています。
- 賃貸期間が30日に満たない場合は、適用除外です。
- 中途解約の通知は、書面で、30日前または3か月前までに行います。
よくある質問
押金は、家賃の何か月分までですか。
2か月分までです(租賃住宅市場発展及管理条例第7条第1項)。
契約が終わったら、押金はいつ返りますか。
借主が住宅を返し、契約から生じた債務を弁済したときに返還されます(第7条第2項)。
貸主が建て替えのために解約するには。
終了の3か月前までに、書面で通知します(第10条第2項)。
借主が病気で解約できますか。
長期の療養が必要な場合は、終了の30日前までに書面で通知すれば、賠償なく解約できます(第11条)。
出典
- 全國法規資料庫「租賃住宅市場發展及管理條例」第3・4・5・6・7條(2026-10-19 查證):押金之金額,不得逾二個月之租金總額。
- 全國法規資料庫「租賃住宅市場發展及管理條例」第8・10・11・12・13條(2026-10-19 查證):於終止前三十日,檢附相關事證,以書面通知承租人。