台湾で外国人を雇うときの雇主の義務|許可なしの就労は不可、就業服務法第57条の禁止9項目、無許可雇用は15万〜75万元の罰鍰、許可は最長3年
外国人の就労は雇主の申請による許可が必要。無許可の雇用は15万〜75万元の罰鍰。許可は最長3年。

台湾の子会社が、日本人の駐在員や、台湾で採用した外国籍の従業員を雇う場合、本人の在留資格だけでは足りません。就業服務法は、外国人が台湾で働くために、雇主の申請による許可を求めています。この記事では、就業服務法の第42条から第58条、第63条、第67条、第68条にもとづいて、雇主が確認すべき原則、許可を受ける対象の職種、許可期間、雇主が禁じられている行為、違反したときの罰則を整理します。申請の書類や審査基準の細目(学歴や給与の基準など)は、別の記事で扱い、この記事では扱いません。
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原則:許可なしの就労は不可
第42条は、外国人を雇うときは、国民の就業機会、労働条件、国民経済の発展、社会の安定を妨げてはならないと定めています。第43条は、この法律に別の定めがある場合を除き、外国人は、雇主の申請による許可を受けずに、台湾国内で働いてはならないと定めています。
許可の申請は、雇主が、必要な書類をそろえて、中央主管機関に出します(第48条第1項)。次の場合は、許可の申請が要りません。
- 各級政府とその研究機関が、外国人を顧問や研究者として招く場合。
- 外国人が、台湾に戸籍がある国民と結婚し、居留を許可されている場合。
- 公立または立案された私立の大学で、講座や学術研究を行い、教育部が認めた場合。
雇える仕事の種類
第46条は、外国人を雇って働かせられる仕事を、次の分野に限っています。
| 号 | 内容 |
|---|---|
| 第1号 | 専門性または技術性の仕事 |
| 第2号 | 政府の許可を得て投資・設立した事業の主管 |
| 第3号 | 学校の教師(大学、外国語課程、バイリンガル学校など) |
| 第4号〜第7号 | 補習班の専任教師、スポーツ、宗教・芸術・演芸、船員 |
| 第8号〜第10号 | 海洋漁撈、家庭の幫傭・看護、国家の重要建設工事など |
| 第11号 | その他、専案で中央主管機関が認めた特殊な仕事 |
日本企業の駐在員や専門職は、第1号の「専門性または技術性の仕事」や、第2号の主管に当たることがあります。第46条に挙がる仕事に就く外国人の工作資格と審査の基準は、別に定められています(第46条第2項)。
許可期間
第52条第1項は、第46条第1項の第1号から第7号と第11号の仕事の許可期間を、最長3年と定めています。期間の満了後も雇用を続ける必要がある場合は、雇主が展延(延長)を申請できます。
雇主が禁じられている行為
第57条は、雇主が外国人を雇うときの禁止事項を、次の9項目で定めています。
- 許可を受けていない外国人、許可が失効した外国人、または他人が申請した外国人を雇うこと。
- 自分の名義で外国人を雇って、他人のために働かせること。
- 許可された仕事以外の仕事を、外国人に指示すること。
- 第46条第1項の第8号から第10号の仕事の外国人について、許可なく働く場所を変えること。
- 健康診断を、規定どおりに受けさせないこと、または結果を衛生主管機関に報告しないこと。
- 外国人を雇ったために、台湾人の労働者を解雇または整理解雇する結果になること。
- 暴力や脅迫などの違法な方法で、労働を強制すること。
- 外国人のパスポート、居留証、財物を、違法に留め置いたり、横領したりすること。
- その他、この法律(就業服務法)またはこの法律にもとづく命令に違反すること。
罰則
違反の内容によって、罰則は次のように分かれます。
| 違反 | 罰則 | 根拠 |
|---|---|---|
| 非合法に外国人を留め置いて働かせる(第44条)、または第57条第1号・第2号 | 15万元以上75万元以下の罰鍰。5年以内に再び違反すると、3年以下の有期懲役、拘役、または120万元以下の罰金(併科もありうる) | 第63条 |
| 第57条第5号・第8号・第9号 | 6万元以上30万元以下の罰鍰 | 第67条 |
| 第57条第3号・第4号 | 3万元以上15万元以下の罰鍰 | 第68条第1項 |
| 第57条第6号 | 解雇・整理解雇された人1人につき、2万元以上10万元以下の罰鍰 | 第68条第2項 |
法人の代表者や従業員が、業務のために第44条または第57条第1号・第2号に違反したときは、行為者のほか、その法人や自然人にも、同じ罰鍰や罰金が科されます(第63条第2項)。
就業安定費
雇主が、第46条第1項の第8号から第10号の仕事(漁撈、家庭の幫傭・看護、重要建設工事など)で外国人を雇うときは、就業安定基金に、就業安定費を納めます(第55条第1項)。第1号の専門職の外国人については、この条文は、就業安定費を挙げていません。
手順
- 雇う外国人の仕事が、第46条のどの号に当たるかを確認する。
- 許可が要らない場合(第48条第1項各号)に当たるかを確認する。
- 当たらない場合は、雇主が、必要な書類をそろえて、中央主管機関に許可を申請する。
- 許可された仕事の内容と期間の範囲内で働かせ、第57条の禁止行為を避ける。
- 許可の期間が満了する前に、続けて雇う場合は延長を申請する。
注意点
- 許可の申請は、雇主が出します。外国人本人の就労資格だけでは足りません。
- 許可された仕事以外の仕事を指示すると、第57条第3号の違反になります。
- 国内での募集(第47条)は第8号から第11号、就業安定費(第55条)と期間の展延(第52条第2項)は第8号から第10号の外国人に関する規定で、ほかの号と異なります。
よくある質問
外国人が、許可なく働くとどうなりますか。
第43条により、雇主の申請による許可なしの就労は禁じられています。違反した外国人は、出国を命じられます(第68条第3項)。
許可なしの外国人を雇ったら。
15万元以上75万元以下の罰鍰です。5年以内に再び違反すると、刑罰の対象になります(第63条)。
許可の期間は、どのくらいですか。
第1号から第7号と第11号の仕事は、最長3年で、延長を申請できます(第52条第1項)。
台湾人と結婚している外国人は、許可が必要ですか。
台湾に戸籍がある国民と結婚し、居留を許可されている場合は、第48条第1項第2号により、許可の申請が要りません。
出典
- 全國法規資料庫「就業服務法」第42・43・46・48・52條(2026-10-19 查證):外國人未經雇主申請許可,不得在中華民國境內工作。
- 全國法規資料庫「就業服務法」第55・57・63・67・68條(2026-10-19 查證):處新臺幣十五萬元以上七十五萬元以下罰鍰。