台湾子会社の解散・清算の流れ|株主が複数なら総会は3分の2以上、清算は6か月、債権申報の公告は3回以上
株主が複数なら解散決議は3分の2以上の出席。清算は6か月以内、当期決算の申告は45日以内。

台湾の子会社を畳む場合、公司を解散して清算し、税務の手続を終えるまで、決まった期限が続きます。株主が複数の股份有限公司の解散は、株主総会で発行済株式総数の3分の2以上が出席し、出席株主の議決権の過半数が賛成して決議します(公司法第316条)。政府または法人の株主1人だけの股份有限公司には、株主総会の規定が適用されません(公司法第128条の1)。清算人は就任から15日以内に裁判所へ聲報し、原則として6か月以内に清算を終えます。税務では、解散日までの当期決算を45日以内に申告し、清算所得を清算結了から30日以内に申告し、税籍の註銷を15日以内に申請します。日本の親会社が、撤退のスケジュールを組むための一覧を、条文で整理します。
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解散の原因と決議
公司法第128条の1第1項は、政府または法人の株主1人だけで組織する股份有限公司について、株主総会の職権を董事会が行使し、公司法の株主総会の規定は適用しないと定めています。日本の親会社が100%出資する台湾子会社が、ここでいう「法人股東1人」に当たるかどうかは、この記事では確認していません。以下の株主総会の決議は、株主が複数の股份有限公司の整理です。
公司法第315条は、株式会社に当たる股份有限公司の解散事由を、次のとおり挙げます。
- 章程が定める解散事由
- 公司の事業が成就、または成就できなくなったこと
- 株主総会の解散決議
- 記名株式の株主が2人未満になったこと(政府または法人株主が1人の場合を除く)
- 他の公司との合併
- 分割
- 破産
- 解散の命令または裁判
株主総会の決議は、非公開発行の公司では、発行済株式総数の3分の2以上が出席し、出席株主の議決権の過半数が同意する方法で行います。公開発行の公司は、出席株主の株式総数がこれに足りないときに、発行済株式総数の過半数の出席と、出席株主の議決権の3分の2以上の同意で足りる緩和があります(第316条第2項)。公司が解散するときは、破産を除き、董事会が速やかに解散の要旨を各株主に通知します(第316条)。解散した公司は、合併、分割、破産の場合を除き、清算を行います(第24条)。清算の範囲では、解散していないものとみなされ(第25条)、清算の期間中も、現務の了結と清算のために、暫定的に営業できます(第26条)。
有限公司の解散は、株主の議決権の3分の2以上の同意が必要です(第113条)。
清算人と報告
| 手続 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 清算人 | 原則として董事が清算人。章程に別の定めがあるか、株主総会で別の清算人を選んだ場合は除く | 第322条 |
| 就任の聲報 | 清算人は就任後15日以内に、氏名、住所、就任日を裁判所へ聲報 | 第83条(第334条で準用) |
| 財産の検査 | 就任後すぐ財産を検査し、財務諸表と財産目録を作り、監察人の審査と株主総会の承認を経て、裁判所に報告 | 第326条 |
| 債権者への催告 | 就任後すぐ、3回以上の公告で、債権者に3か月以内の債権申報を催告。申報しない債権は清算に入らない(清算人が知る債権者を除く) | 第327条 |
| 清算期間 | 6か月以内に完結。できなければ理由を書いて裁判所に延長を申請 | 第87条(第334条で準用) |
| 完結時 | 15日以内に収支表と損益表を作り、監察人の審査と株主総会の承認を受ける | 第331条 |
| 裁判所への聲報 | 株主総会の承認から15日以内に、収支表と損益表を裁判所に聲報 | 第331条 |
| 書類の保存 | 清算完結の聲報の日から、帳簿と書類を10年保存 | 第332条 |
期限に違反した場合は、清算人に罰鍰が科されます。たとえば、清算の完結の聲報を怠ると、1万元以上5万元以下です(第331条)。
税務の手続
所得税法第75条は、営利事業が解散、廃止、合併、譲渡をするとき、その日までの当期決算を行い、45日以内に営利事業所得額と納付額を申告し、申告の前に自分で納付すると定めます。清算期間中の清算所得は、清算結了の日から30日以内に申告し、申告前に、その年度に適用される営利事業所得税率で計算して納付します。清算期間は、公司組織の場合は公司法の定める期間です。
営業税の税籍は、解散、廃止、譲渡、合併による消滅の事実が発生した日から15日以内に、註銷登記を申請します(稅籍登記規則第10条)。
手順
- 株主が複数の場合は、株主総会の招集通知を出し、発行済株式総数の3分の2以上の出席を確認して解散を決議する。法人株主1人の場合は、第128条の1により、董事会が職権を行使する。
- 解散の要旨を、董事会が各株主に通知する。
- 清算人(原則として董事)が就任し、15日以内に裁判所へ聲報する。
- 財産を検査し、財務諸表と財産目録を作って、監察人と株主総会の承認を受ける。
- 債権者に、3回以上の公告と通知で、3か月以内の債権申報を催告する。
- 解散日までの当期決算を45日以内に申告し、清算結了から30日以内に清算所得を申告する。
- 税籍の註銷を15日以内に申請し、帳簿を10年保存する。
注意点
- 本稿は股份有限公司の手続です。有限公司の清算は、無限公司の規定を準用し、手続が異なります。
- 清算期間の6か月は、延長を申請できます。税務の清算申報の期限は、清算結了の日から数えます。
- 解散の登記(会社の登記主管機関)や投資審議の報告など、本稿で扱っていない手続があります。
- 清算人に就任できる者や、債権者への通知の方法は、公司法の条文で確認します。
よくある質問
台湾子会社の解散決議には、何が必要ですか。
株主が複数の非公開発行の股份有限公司は、発行済株式総数の3分の2以上の株主が出席し、出席株主の議決権の過半数が同意する決議です。法人株主1人の公司には、株主総会の規定が適用されません(第128条の1)。
清算はどのくらいかかりますか。
清算人は6か月以内に完結することが求められ、できなければ裁判所に延長を申請します。
解散のとき税務で何を出しますか。
解散日までの当期決算を45日以内に申告し、清算所得を清算結了から30日以内に申告します。税籍の註銷は15日以内です。
帳簿はいつまで保存しますか。
清算完結を裁判所に聲報した日から10年です。
出典
- 全國法規資料庫「公司法」第24〜26・83・87・113・315・316・322・326・327・331・332・334條(2026-10-17 查證):清算人於就任後,應即以三次以上之公告,催告債權人於三個月內申報其債權。
- 全國法規資料庫「所得稅法」第75條、「稅籍登記規則」第10條(2026-10-17 查證):營利事業在清算期間之清算所得,應於清算結束之日起三十日內,依規定格式書表向該管稽徵機關申報。