台湾子会社から受ける配当の日本側課税|外国子会社配当益金不算入は持株25%以上・6か月以上、5%相当が課税
持株25%以上を6か月以上保有すれば益金不算入の対象。配当額の5%は課税側に残り、外国源泉税は損金不算入。
台湾の子会社から日本の親会社へ配当を送るとき、台湾側の源泉徴収だけでなく、日本側の法人税の扱いも確認する必要があります。日本の法人税法は、一定の外国子会社から受ける配当について、その大部分を益金に算入しない「外国子会社配当益金不算入制度」を置いています。この記事では、e-Govで公開されている法人税法第23条の2、第39条の2と、法人税法施行令第22条の4の条文にもとづいて、制度の要件と注意点を整理します。台湾側の源泉徴収の率は別稿で扱い、個別の申告書の書き方は扱いません。
制度の概要
法人税法第23条の2第1項は、内国法人が外国子会社から受ける剰余金の配当等の額がある場合に、その額から、費用の額に相当するものとして政令で定めるところにより計算した金額を引いた残りを、各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しないと定めています。
法人税法施行令第22条の4第2項は、この「費用の額に相当する金額」を、剰余金の配当等の額の5%に相当する金額としています。したがって、配当額の5%に当たる部分は課税の対象に残り、残りの部分が益金不算入になります。
外国子会社の要件
法人税法第23条の2第1項は、外国子会社を、内国法人が保有する株式または出資の数または金額が、発行済株式または出資の総数または総額の25%以上に当たることなど、政令で定める要件を備えた外国法人としています。
施行令第22条の4第1項は、政令の要件を、次のとおり定めています。
- 発行済株式等のうち、内国法人が保有する株式または出資の割合、または議決権のある株式等のうち内国法人が保有する割合のいずれかが25%以上であること。
- その状態が、剰余金の配当等の額の支払義務が確定する日以前、6か月以上続いていること(その外国法人が確定する日以前6か月以内に設立された法人である場合は、設立の日から確定する日まで)。
国税庁の法人税基本通達3-3-2は、1つの事業年度に同じ外国法人から2回以上の配当を受ける場合の外国子会社の判定を、それぞれの配当の支払義務が確定する日の保有株式数で行うと定めています。
適用されない場合
第23条の2第2項は、次の配当には益金不算入の規定を適用しないと定めています。
- 外国子会社の所在地国の法令で、その配当の全部または一部が外国子会社の所得の計算上、損金の額に算入される配当(損金算入される部分)。
- 自己株式の取得が予定されている株式に関する、一定の配当。
外国子会社の所得の計算で、配当の一部が損金に算入されている場合は、その損金算入された部分は益金不算入の対象外とし、残りに制度を適用できる扱いが第3項にあります。
外国源泉税の扱い
法人税法第39条の2は、内国法人が外国子会社から受ける配当について第23条の2の適用を受ける場合に、その配当に係る外国源泉税等の額は、所得の金額の計算上、損金の額に算入しないと定めています。
つまり、台湾で源泉徴収された税は、制度の適用を受ける配当については、日本側で損金に算入されません。外国税額控除(法人税法第69条など)との関係は、別の条文で確認が必要です。
適用を受けるための手続
法人税法第23条の2第5項は、確定申告書などに、益金の額に算入されない配当等の額とその計算に関する明細を記載した書類を添付し、かつ財務省令で定める書類を保存している場合に限り、この規定を適用すると定めています。
国税庁の通達3-3-6は、財務省令が求める外国源泉税等の額の納付を証する書類に、申告書の写しや現地の税務官署が発行する納税証明書などが含まれると説明しています。
手順
- 台湾子会社の発行済株式等のうち、親会社の保有割合が25%以上かを確認する(議決権株式の割合でもよい)。
- 配当の支払義務が確定する日以前の6か月以上、その状態が続いているかを確認する。
- 配当額の5%に相当する額を、課税の対象に残して計算する。
- 台湾で源泉徴収された税の額と、その納付を証する書類(納税証明書など)を保存する。
- 確定申告書に、益金不算入の配当等の額とその計算の明細を添付する。
- 台湾側の損金算入の有無(第23条の2第2項第1号)を確認する。
注意点
- 25%以上かつ6か月以上の保有は、配当の支払義務が確定する日で判定します。直前に買い増しても、6か月に満たなければ対象になりません。
- 制度の適用を受ける配当に係る台湾の源泉税は、損金に算入されません。外国税額控除との関係は、別に確認します。
- 日台の取決めによる持株割合の特例(施行令第22条の4第7項)が台湾に使えるかは、この記事では確認していません。
- 通算グループの場合の判定は、別の通達(3-3-1など)があります。
よくある質問
台湾子会社からの配当は、日本で非課税になりますか。
持株25%以上を6か月以上保有していれば、配当額の5%を除いた部分が益金に算入されません(法人税法第23条の2、施行令第22条の4)。
持株が20%だと、制度は使えますか。
法人税法は25%以上を要件としています。ただし、租税条約の二重課税排除条項に25%未満の割合が定められている場合の特例が、施行令第22条の4第7項にあります。
台湾で払った源泉税は、日本の法人税から引けますか。
制度の適用を受ける配当に係る外国源泉税等は、損金に算入されません(法人税法第39条の2)。
申告で必要な書類は。
益金不算入の配当等の額とその計算の明細を記載した書類を確定申告書に添付し、財務省令が定める書類を保存します(第23条の2第5項)。
出典
- e-Gov法令検索「法人税法」第23条の2・第39条の2(2026-10-17 確認):当該剰余金の配当等の額から…費用の額に相当するものとして政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額は、…益金の額に算入しない。
- e-Gov法令検索「法人税法施行令」第22条の4(2026-10-17 確認):剰余金の配当等の額の百分の五に相当する金額とする。
- 国税庁「法人税基本通達 第3節 外国子会社から受ける配当等の益金不算入」(2026-10-17 確認):外国子会社の判定は、それぞれの剰余金の配当等の額の支払義務が確定する日において…判定する。