台湾の意匠(設計専利)の要件と期間|専利法第121条は物品の形状・花紋・色彩を保護、新規性の例外は公開後6か月、権利期間は出願日から15年、優先権は6か月
設計専利は物品の外観が対象。権利期間は出願日から15年。優先権は6か月、公開後の例外も6か月。

日本の製品を台湾で販売する企業が、製品の外観を、台湾で独占的に保護したいと考えたときは、台湾の「設計専利」を出願します。専利法が定める制度です。この記事では、専利法の第121条から第129条、第135条から第138条、第142条にもとづいて、設計の定義、取得できない設計、新規性と創作性の要件、公開後の例外、優先権、1設計1出願の原則、衍生設計、権利期間を整理します。出願の手数料の額と審査の期間は、この記事では扱いません。
あわせて読みたい:台湾の輸入通関の流れ|申告は到着翌日から15日以内、関税は納付書の送達翌日から14日以内
設計の定義
専利法第121条第1項は、設計を、物品の全部または部分の形状、花紋、色彩、またはこれらの結合で、視覚によって訴える創作と定めています。物品に応用されるコンピューター画像や、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)も、設計専利を出願できます(同条第2項)。
取得できない設計
第124条は、次のものに設計専利を与えないと定めています。
- 純粋に機能的な物品の造形。
- 純粋な芸術創作。
- 集積回路の回路配置や、電子回路の配置。
- 公序良俗を害する物品。
新規性と創作性
第122条第1項は、産業上利用できる設計で、次のいずれにも当たらないものについて、設計専利を出願できると定めています。
- 出願の前に、同一または近似の設計が、刊行物に載っていた。
- 出願の前に、同一または近似の設計が、公開で実施されていた。
- 出願の前に、公衆に知られていた。
これらに当たらなくても、その分野の通常の知識を持つ人が、出願前の先行技術から容易に思いつくときは、設計専利を取得できません(同条第2項)。
公開後6か月の例外
第122条第3項は、出願人の意思による公開、または意思によらない公開があった事実から、6か月以内に出願した場合は、その事実を、新規性を失う事情として扱わないと定めています。ただし、専利の出願のために、台湾または外国で法令にもとづいて公報に載せられた公開が、出願人の意思によるものである場合は、この例外を適用しません(同条第4項)。
先に出願され、後で公告された設計専利の出願の説明書や図面と同一または近似の設計は、出願人が同じ場合を除き、取得できません(第123条)。
優先権
設計専利の優先権の期間は、6か月です(専利法第142条第2項、第28条第1項の準用)。外国で最初に出願した日から6か月以内に、台湾に出願した場合に、優先権を主張できます。優先権を主張するときは、出願と同時に、最初の出願の日、国、番号を申告します(第29条)。
優先権を主張した場合の要件の審査は、優先権日が基準です(第28条第4項)。
出願の単位
設計専利は、1つの設計ごとに出願します(第129条第1項)。2つ以上の物品が、同じ類別で、習慣として組物(セット)として販売または使用される場合は、1つの設計として出願できます(同条第2項)。出願のときは、設計を施す物品を指定します(同条第3項)。
出願日は、願書、説明書、図面がそろった日です(第125条第2項)。外国語で出願し、指定期間内に中国語の翻訳を補正した場合は、外国語の出願をした日が出願日です(同条第3項)。
衍生設計
同じ人が、近似する2つ以上の設計を持つ場合は、設計専利と衍生設計専利を出願できます(第127条第1項)。衍生設計の出願日は、原設計の出願日より前にはできず(同条第2項)、原設計の専利が公告された後は、出願できません(同条第3項)。衍生設計の専利権は、単独で主張でき、近似の範囲にも及びます(第137条)。
権利期間
第135条は、設計専利権の期間を、出願日から15年で満了すると定めています。衍生設計の期間は、原設計の専利権と同時に満了します。
専利権の範囲は、図面が基準で、説明書も参考にできます(第136条第2項)。
手順
- 保護したい外観が、物品の形状、花紋、色彩、または画像・GUIに当たるかを確認する。
- 公開済みの設計がないか、公開後6か月以内かを確認する。
- 日本などで先に出願している場合は、その日から6か月以内に、台湾に出願する。
- 願書、説明書、図面をそろえる。設計を施す物品を指定する。
- 近似する設計が複数ある場合は、原設計と衍生設計の出願の関係を整理する。
注意点
- 純粋に機能的な造形は、保護されません。
- 公開後6か月の例外は、すべての公開に当てはまるわけではありません。
- 優先権の期間は、設計専利では6か月で、発明の12か月とは異なります。
よくある質問
台湾で外観を保護できる期間は。
出願日から15年です(専利法第135条)。
展示会で公開したあとでも出願できますか。
公開した事実から6か月以内なら、新規性を失う事情として扱われない場合があります(第122条第3項)。ただし、第4項の例外があります。
日本で出願した後、いつまでに台湾へ出願しますか。
優先権を主張する場合は、最初の出願の日から6か月以内です(第142条第2項)。
画面のアイコンも保護されますか。
物品に応用されるコンピューター画像やGUIは、設計専利を出願できます(第121条第2項)。
出典
- 全國法規資料庫「專利法」第121・122・123・124條(2026-10-19 查證):申請人出於本意或非出於本意所致公開之事實發生後六個月內申請者,該事實非屬第一項各款或前項不得取得設計專利之情事。
- 全國法規資料庫「專利法」第125・127・129・135・137・142條(2026-10-19 查證):設計專利權期限,自申請日起算十五年屆滿。