台湾の炭素費(カーボンフィー)の対象と申告|年間排出量が2万5,000トンCO2e以上の電力・ガス供給業と製造業が対象、毎年5月末までに前年分を自己計算して申告納付、滞納は1日0.5%
年排出量2万5,000トンCO2e以上の電力・ガス供給業と製造業が対象。毎年5月末までに前年分を申告納付。

台湾で工場を運営する日本企業の子会社は、温室効果ガスの排出量が一定の規模以上の場合、台湾の気候変遷因応法にもとづく「炭素費」を、国に納める義務があります。この記事では、気候変遷因応法の第28条から第30条、第60条と、碳費收費辦法の第2条から第5条、第15条、第18条にもとづいて、炭素費の位置づけ、課される対象、計算の式、申告と納付の期限、優遇と減量額度、滞納したときの扱いを整理します。徴収費率(1トン当たりの金額)は、中央主管機関が別に公告するもので、この記事では扱いません。
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炭素費とは
気候変遷因応法第28条第1項は、中央主管機関(環境部)が、国の温室効果ガスの長期の減量目標と各期の目標を達成するために、段階的に、次の排出源から炭素費を徴収できると定めています。
- 直接排出源:その排出量に応じて、排出源の所有者から徴収する。所有者が使用者や管理者でない場合は、実際の使用者や管理者から徴収する。
- 間接排出源:電力の使用による間接の排出量に応じて、同様に徴収する。
碳費收費辦法第2条は、炭素費を、事業が盤査・登録・検証した、温室効果ガスの直接排出量と、電力の使用による間接排出量を、二酸化炭素当量に換算して徴収する費用と定めています。
徴収の対象
辦法第3条は、炭素費の徴収対象を、次の条件に合う、電力・ガス供給業と製造業の事業と定めています。
- 気候変遷因応法第21条第1項が公告した、排出量の盤査・登録・検証が必要な排出源であること。
- 工場全体の直接排出と、電力の使用による間接排出の、温室効果ガスの年間排出量の合計が、2万5,000公噸二酸化炭素当量(トンCO2e)以上であること。
最初にこの条件に合った事業は、その前の年度の排出量の盤査・登録・検証を行う年度の翌年から、申告と納付の義務が始まります(辦法第3条の1)。
計算の式
辦法第5条は、炭素費を、収費排出量に徴収費率をかけて計算すると定めています。
収費排出量 =(年排出量 − K値)× 排出量調整係数
K値は2万5,000トンCO2eで、高い炭素漏洩リスクがあると認定された事業は、K値がゼロです。収費排出量は小数点以下3位まで四捨五入し、納める費額は整数で、小数点以下は切り捨てます。
申告と納付
辦法第4条第1項は、事業が、炭素費の徴収費率が公告されて効力が生じた翌年から、毎年5月末までに、前年度の1月1日から12月31日までの排出量にもとづいて、公告された費率で自分で費額を計算し、申報書と納付書を作って、前年度の炭素費を、指定の金融機関の口座に納付し、インターネットで申報すると定めています。
第1年が1年に満たない場合は、徴収費率が効力を生じた月から、月数の比率で計算します(同条第2項)。
優遇と減量額度
気候変遷因応法第29条は、炭素費の徴収対象が、低炭素燃料への転換、省エネ、再生可能エネルギー、製造工程の改善などの減量措置で、中央主管機関が指定した目標を達成できる場合、自主減量計画を提出して、優遇費率の認定を申請できると定めています。
第30条は、徴収対象が、減量額度で排出量を差し引く申請ができると定めています。
滞納したとき
第60条第1項は、期限内に炭素費を納めなかった場合、遅れた1日ごとに、滞納金額の0.5%の滞納金を加え、30日を過ぎても納めなければ、強制執行に移すと定めています。第2項は、郵便貯金の1年定期の固定金利で、日割りの利息も加えると定めています。
辦法第15条は、自主減量計画が目標を達成しなかった場合、減量額度が取り消された場合などに、中央主管機関が、90日以内に炭素費を納めるよう命じると定めています。
事業が、休業、廃業、解散した場合は、事実が生じた日から90日以内に、関係書類を添えて、炭素費の結算と徴収停止を申請します。納めすぎたときは、利息なしで返されます(辦法第18条)。
手順
- 工場の年間の温室効果ガス排出量(直接排出と、電力の間接排出の合計)を確認する。
- 2万5,000トンCO2e以上の電力・ガス供給業または製造業に当たるかを確認する。
- 排出量の盤査・登録・検証を行う。
- 前年度の排出量から、収費排出量を計算し、公告された費率をかけて費額を出す。
- 毎年5月末までに、納付し、インターネットで申報する。
注意点
- 対象は、電力・ガス供給業と製造業で、年間排出量が2万5,000トンCO2e以上の事業です。
- 申告は、毎年5月末までです。
- 滞納は、1日ごとに0.5%の滞納金が加わります。
- 徴収費率は、別に公告されます。この記事では、費率の数字は確認していません。
よくある質問
炭素費はどの事業が納めますか。
電力・ガス供給業と製造業で、工場全体の年間排出量が2万5,000トンCO2e以上の事業です(碳費收費辦法第3条)。
いつ申告しますか。
毎年5月末までに、前年度の排出量にもとづいて申告し、納付します(辦法第4条)。
炭素費の計算式は。
(年排出量−K値)×排出量調整係数で収費排出量を求め、徴収費率をかけます(辦法第5条)。
滞納するとどうなりますか。
1日ごとに滞納金額の0.5%が加わり、30日を過ぎると強制執行に移されます(気候変遷因応法第60条)。
出典
- 全國法規資料庫「氣候變遷因應法」第28・29・30・60條(2026-10-19 查證):中央主管機關為達成國家溫室氣體長期減量目標及各期階段管制目標,得分階段對下列排放溫室氣體之排放源徵收碳費。
- 全國法規資料庫「碳費收費辦法」第2・3・3條之1・4・5・15・18條(2026-10-19 查證):每年五月底前,依其前一年度一月一日至十二月三十一日之溫室氣體排放量。