台湾の越境電子役務の営業税|日本のサービス事業者は個人向け売上が年60万元超で税籍登記
台湾の個人向け電子役務の年間売上が60万元を超えると、税籍登記と営業税の申告が必要。
台湾に拠点を持たない日本の事業者が、アプリ、動画配信、オンラインゲームなどの電子役務をインターネットで台湾内の個人に販売する場合、台湾の営業税が課されます。財政部の「跨境電子勞務交易課徵營業稅規範」(2025年4月7日修正)は、こうした「境外電商営業人」の台湾内の個人向け年間売上が新台湾ドル60万元を超えるときは、税籍登記が必要だと定めています。財政部の公告によると、基準は従来の48万元から60万元へ引き上げられました。日本のデジタルサービスの事業者が、課税の範囲、登記、申告を整理します。
対象となる事業者と電子役務
営業税法第6条第4号は、台湾内に固定の営業場所がない外国の事業者が、インターネットなどのデジタル方式で電子役務を台湾内の個人に販売する場合も、営業人に含めます。規範は、電子役務を次の3つとしています。
- インターネットなどのデジタル方式で伝送し、パソコンやスマートフォンにダウンロードして使う役務
- ダウンロードせずにインターネット上で使う役務。オンラインゲーム、広告、動画視聴、音声配信、情報コンテンツ(映画、ドラマ、音楽など)、インタラクティブな交流など
- その他のデジタル方式で提供される役務。たとえば、境外電商営業人のプラットフォームを通じて提供され、実際の場所で使われる役務
台湾の個人かどうかの判定
購入する役務に実際の使用場所がない場合、台湾内に住所または居所を持つ個人のほか、次のいずれかに当たる個人が「台湾内の自然人」です。
- 役務の購入に使う電子機器の設置場所が、台湾内であること
- モバイル機器で購入し、買い手の電話番号の国番号が台湾の886であること
- 請求先住所、支払い銀行口座の情報、利用機器のIPアドレス、SIMなどの情報から、台湾内の個人と判断できること
宿泊や建物の修繕、運輸、展覧会など、実際の使用場所がある役務は、その使用場所が台湾内かどうかで判断します。
税籍登記と申告
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登記の基準 | 台湾内の個人への電子役務の年間売上(規範は「年銷售額」と記載)が60万元を超える |
| 登記の方法 | 本人または報税代理人が、財政部税務入口網の「境外電商課税専区」で申請し、書類の電子ファイルをアップロード |
| 申告 | 営業税法第35条の期限(2か月を1期、次の期の初めから15日以内)に、同専区で申告・納付 |
| 変更登記 | 代理人の変更などは、事実の発生日から15日以内に申請 |
| 税額 | 収受した全ての代金について、営業税を申告・納付 |
規範の2025年4月7日の修正で、基準が48万元から60万元に上がりました。財政部の公告によると、修正の発効(2025年4月7日)前に年間売上が48万元を超えていた事業者は、修正前の規定が引き続き適用されます。
外貨建ての売上の換算
売上を外貨で受け取っている場合は、申告期間の末日の、台湾銀行が公表する外貨の終値の即時買い入れレート(なければ現金買い入れレート)で新台湾ドルに換算します。台湾銀行の表にない通貨は、取引銀行のレートを経て台湾銀行の外貨に換算し、さらに新台湾ドルに換算します。末日が土日・祝日の場合は、翌日(土曜の場合は次の月曜)を基準日とします。営業税は新台湾ドルで納付し、送金の手数料は事業者が負担します。
プラットフォームを使う場合
日本の事業者Aが、海外のプラットフォームBを使って台湾の個人に役務を売るときの扱いは、代金を誰が受け取るかで変わります。
| 代金の受取者 | 営業税を申告・納付する者 |
|---|---|
| 事業者A(自分で代金を受け取る) | 実際の使用場所がない役務なら、Aが登記基準を満たすとき、Aが全額を申告。Bの手数料は台湾の営業税の対象外 |
| プラットフォームB(Bが代金を受け取る) | Bが買い手から受け取る全額を申告。AがBから受ける代金は台湾の営業税の対象外 |
台湾内の営業人が役務を売るために境外のプラットフォームを使う場合は、別の扱いです。
手順
- 販売するサービスが、規範の電子役務に当たるかを確認する。
- 台湾内の個人への売上を年間で集計し、60万元を超えそうか確認する。集計期間の取り方は、規範の記載を確認する。
- 超える場合は、本人または報税代理人が、境外電商課税専区で税籍登記を申請する。
- 登記後、2か月ごとの期限までに、同専区で営業税を申告・納付する。
- 外貨建ての売上は、期間末日の台湾銀行のレートで換算して申告する。
注意点
- 60万元の基準は、台湾内の個人(B2C)への売上だけで数えます。台湾の法人向け売上は含めません。
- 台湾の営業人が、境外の事業者から電子役務を買う場合は、買い手が営業税を申告・納付する規定が営業税法第36条にあります。
- 登記や申告を怠ると、税捐稽徴法、営業税法などで処罰される可能性があります。
- 基準額は財政部が定めるため、改正される場合があります。登記の前に財政部の最新の規範を確認します。
よくある質問
日本のサービス事業者に台湾の営業税はかかりますか。
台湾内の個人にデジタル方式で電子役務を販売する場合、営業税の対象です。年間売上が60万元を超えると、税籍登記が必要です。
60万元は何の売上ですか。
台湾内の個人への電子役務の年間売上で判断します。台湾の事業者向けの売上は含みません。
登記や申告はどこでしますか。
財政部税務入口網の「境外電商課税専区」です。
外貨建ての売上はどう申告しますか。
期間末日の台湾銀行の即時買い入れレートで、新台湾ドルに換算して申告します。
出典
- 財政部賦稅署「跨境電子勞務交易課徵營業稅規範」(民國114年4月7日修正)(2026-10-17 查證):年銷售額逾新臺幣六十萬元者,應依營業稅法第二十八條之一及稅籍登記規則第三章規定,自行或委託報稅之代理人辦理稅籍登記。
- 全國法規資料庫「加值型及非加值型營業稅法」第6・28-1・35・36條(2026-10-17 查證):年銷售額逾一定基準者,應自行或委託中華民國境內居住之個人或有固定營業場所之事業、機關、團體、組織為其報稅之代理人,向主管稽徵機關申請稅籍登記。