台湾の董事会の招集と決議|通知は3日前、過半数の出席と出席董事の過半数で決議、ビデオ会議は出席とみなす
董事会は3日前に通知して招集。決議は過半数の董事が出席し、出席董事の過半数が賛成で成立。

台湾の股份有限公司では、会社の業務の意思決定は、董事会が担います。日本の親会社から派遣された人が董事に就く場合、董事会の開き方、決議の要件、議事録の作り方を、公司法に合わせて整える必要があります。この記事では、公司法の第202条から第210条にもとづいて、董事会の招集の通知、代理出席とビデオ会議、決議の要件、利害関係のある董事の扱い、董事長の選出、議事録の備置を整理します。政府または法人の株主が1人だけの会社は、第128条の1により、董事が1人または2人の場合があり、董事会の規定が変わるため、末尾で触れます。上場や公開発行の会社だけに適用される規定は、ここでは省きます。
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董事会の役割
公司法第202条は、会社の業務の執行は、公司法や定款が株主総会の決議を求めている事項を除き、すべて董事会が決議して行うと定めています。つまり、株主総会が決議する事項は法律と定款で限定されており、それ以外の業務の意思決定は、董事会に委ねられています。
最初の董事会
各期の最初の董事会は、選挙票で最も多くの選挙権を代表した董事が、改選の後15日以内に招集します(第203条第1項)。その人が期限内に招集しないときは、当選した董事の過半数が、自分たちで招集できます(同条第4項)。この最初の董事会で、董事長を互選します。
招集の通知
第204条第1項は、董事会の招集は、3日前までに各董事と監察人に通知すると定めています。定款に、これより長い期間の定めがあれば、定款に従います。緊急の事情があるときは、いつでも招集できます(同条第3項)。通知は、相手方の同意があれば、電子的な方法でできます(同条第4項)。通知には、招集の事由を書く必要があります(同条第5項)。
出席の方法
第205条は、董事会の出席について、次のとおり定めています。
- 董事は、原則として本人が出席する。定款に定めがあれば、ほかの董事に代理させられる。
- ビデオ会議で参加した董事は、本人が出席したとみなされる。
- 他の董事に代理出席を委託するときは、会ごとに委任状を出し、招集の事由に応じた授権の範囲を書く。代理人が受けられる委任は、1人分まで。
- 定款に定めがあり、全董事が同意すれば、董事会を開かず、その回の議案について、書面で議決権を行使できる。この場合も、董事会を開いたものとみなす。
書面による議決権の行使(第205条第5項、第6項)は、公開発行の会社には適用されません(同条第7項)。
決議の要件
第206条第1項は、董事会の決議には、董事の過半数の出席と、出席した董事の過半数の賛成が必要と定めています。特別な定めがある場合は、その定めによります。たとえば、新株の発行には、董事の3分の2以上の出席と、出席した董事の過半数の賛成が必要です(第266条第2項)。
董事が、議題について自分の利害関係を持つ場合、その回の董事会で、利害関係の重要な内容を説明しなければなりません(第206条第2項)。董事の配偶者、2親等内の血族、董事と支配・従属の関係にある会社が、その議題に利害関係を持つ場合は、董事本人に利害関係があるとみなされます(同条第3項)。
董事長の選出
董事会に常務董事がいない場合は、董事の3分の2以上の出席と、出席した董事の過半数の賛成で、1人を董事長に互選します(第208条第1項)。定款に定めがあれば、同じ方法で副董事長も互選できます。董事長は、社内では株主総会、董事会、常務董事会の議長となり、社外では会社を代表します(同条第3項)。
議事録と備置
董事会の議事は、議事録にまとめます(第207条第1項)。議事録の作り方は、株主総会の議事録の規定(第183条)が準用されます。議長が署名または押印し、会社の存続中、永久に保存します。
第210条第1項は、董事会が、定款と、歴代の株主総会議事録、財務報表を、本店に備えると定めています。株主と会社の債権者は、利害関係の証明書類を出して、範囲を指定し、いつでも閲覧、謄写を請求できます(同条第2項)。代表取締役が備置しない、または正当な理由なく閲覧を拒むと、1万元以上5万元以下の罰鍰です(第210条第3項、第4項)。
董事が1人または2人の会社の場合
政府または法人の株主1人だけの股份有限公司は、第128条の1第2項により、定款の定めで董事会を置かず、董事を1人または2人にできます。董事が1人の場合は、その人が董事長となり、董事会の職権をその董事が行使し、公司法の董事会に関する規定は適用されません。董事が2人の場合は、董事会の規定が準用されます。日本の親会社が100%出資する台湾子会社が、この「法人股東」に当たるかどうかは、この記事では確認していません。
手順
- 董事会の開催日を決め、3日前(定款が長ければそれに従う)までに、董事と監察人へ招集の事由を書いた通知を出す。
- 欠席する董事がいれば、定款に代理出席の定めがあるか確認し、委任状を会ごとに出してもらう。
- ビデオ会議で参加する董事は、出席したものとして数える。
- 議題ごとに、利害関係のある董事がいないかを確認し、いれば内容を説明してもらう。
- 決議の要件(過半数の出席と過半数の賛成、特別な定めのある場合はその要件)を満たしているか数える。
- 議事録を作り、議長が署名し、本店に永久に保存する。
注意点
- 定款が通知の期間を3日より長く定めている場合は、定款が優先します。
- 書面での議決権行使は、定款に定めがあり、全董事の同意がなければ使えません。
- 議事録の備置の義務違反には罰鍰があります。
よくある質問
董事会の招集の通知は、何日前ですか。
3日前です。定款にこれより長い定めがあれば、それに従います(公司法第204条第1項)。
ビデオ会議で参加した董事は、出席に数えますか。
数えます。本人が出席したものとみなされます(第205条第2項)。
決議には、何人の賛成が必要ですか。
董事の過半数の出席と、出席董事の過半数の賛成が必要です(第206条第1項)。
董事会の議事録は、いつまで保存しますか。
議事録は第183条が準用されるため、会社が存続する間、永久に保存します(第207条第2項)。
出典
- 全國法規資料庫「公司法」第202・203・204・205條(2026-10-19 查證):董事會之召集,應於三日前通知各董事及監察人。
- 全國法規資料庫「公司法」第206・207・208・210條(2026-10-19 查證):董事會之決議,除本法另有規定外,應有過半數董事之出席,出席董事過半數之同意行之。