台湾の平均工資の計算方法|事由の発生前6か月の賃金総額を総日数で割る、日給・時給制は実働日数の60%が下限、病気休暇や留職停薪の期間は除く
平均工資は、事由発生前6か月の賃金総額÷総日数。日給・時給制は実働日数で割った額の60%が下限。

台湾の労働基準法には、資遣費、退職金、労災の補償などを計算するときの基礎になる「平均工資」という金額があります。台湾の子会社が従業員を解雇する、あるいは従業員が労災にあうといった場面では、この平均工資の計算を正しく理解する必要があります。この記事では、労働基準法第2条第4号、同法施行細則第2条にもとづいて、平均工資の計算式、日給・時給制の下限、計算に入れない日の取り扱いを整理します。資遣費の計算そのものは、別の記事(台湾の解雇・予告期間・資遣費)で扱います。賃金の範囲(何が「工資」に含まれるか)の詳しい判断は、この記事では扱いません。
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平均工資の定義
労働基準法第2条第4号は、平均工資を、「計算の事由が発生した当日の前6か月の間に得た賃金の総額を、その期間の総日数で割った金額」と定めています。働いた期間が6か月に満たない場合は、働いた期間に得た賃金の総額を、働いた期間の総日数で割ります。
ここで割るのは、働いた日の数ではなく、カレンダー上の総日数です。たとえば、前6か月が181日で、賃金の総額が180万元なら、平均工資は約9,945元です。(算術は本稿のものです。)
日給・時給・出来高の場合の下限
賃金が、働いた日数、時間数、出来高で計算される場合、上の方式で計算した平均工資が、その期間の賃金総額を、実際に働いた日数で割った金額の60%に満たないときは、60%を平均工資とします(第2条第4号の後半)。
たとえば、働いた日が少ない月が続いた場合に、総日数で割ると平均工資が極端に低くなってしまうのを防ぐ規定です。賃金の総額が180万元で、前6か月に実際に働いた日が90日なら、180万元を90日で割った2万元の60%、つまり1万2,000元が下限です。(算術は本稿のものです。)
計算に入れない期日・期間
施行細則第2条は、平均工資の計算で、次の期日や期間を計算に入れない(総日数からも賃金総額からも除く)と定めています。
| 番号 | 除く期日・期間 |
|---|---|
| 1 | 計算の事由が発生した当日 |
| 2 | 労災のため、まだ治療中の期間 |
| 3 | 労働基準法第50条第2項により、賃金が半額で支給される期間(勤続6か月未満の産前産後休暇など) |
| 4 | 雇主が、天災、事変、その他の不可抗力で、事業を続けられず、労働者が働けなかった期間 |
| 5 | 勞工請假規則により、普通傷病假を取った期間 |
| 6 | 性別平等工作法により、生理休暇、産休、家庭照顧假、安胎休養を取り、賃金が減った期間 |
| 7 | 留職停薪の期間 |
これらの期間を除くことで、病気休暇や留職停薪で賃金が少なかった期間が、平均工資を押し下げないようになっています。
平均工資が使われる場面
労働基準法で、平均工資が基準になる主な場面は、次のとおりです。
- 資遣費、退職金の計算(旧制)。
- 労災補償:医療期間が2年を超えた場合の一括補償(40か月分の平均工資)、死亡補償(遺族に40か月分、葬儀費に5か月分)など(第59条)。
- 積欠工資墊償基金による、退職金と資遣費の立替払いの上限(6か月分の平均工資、第28条第2項)。
これらの金額は、いずれも平均工資を基礎に計算します。
手順
- 計算の事由が発生した日(解雇通知の日、労災の日など)を確認する。
- 事由の発生した当日の前6か月間の賃金の総額を、賃金台帳から集計する。
- 施行細則第2条の7項目に当たる期間があれば、その期間を総日数と賃金から除く。
- 賃金総額を、総日数で割る。
- 日給・時給制の人は、賃金総額を実際に働いた日数で割った額の60%と比べ、高い方を平均工資とする。
- 計算に使った賃金台帳の記録を、5年間保存する(労働基準法第23条第2項)。
注意点
- 割る日数は、カレンダー上の総日数です。働いた日数ではありません。
- 計算に入れない期間を除いた後の総日数と賃金で、平均を取ります。
- 賞与や手当が、平均工資に含まれるかは、「工資」の定義(経常的な給与か)によって変わります。この記事では、個別の手当の判断は扱いません。
よくある質問
平均工資は、どうやって計算しますか。
事由が発生した日の前6か月間の賃金の総額を、その期間の総日数で割ります(労働基準法第2条第4号)。
日給制の場合の下限は。
賃金総額を実際に働いた日数で割った額の60%が下限です(第2条第4号)。
病気休暇を取った期間は、含めますか。
含めません。勞工請假規則による普通傷病假の期間は、計算から除きます(施行細則第2条第5号)。
入社して6か月未満の場合は。
働いた期間の賃金総額を、働いた期間の総日数で割ります(第2条第4号)。
出典
- 全國法規資料庫「勞動基準法」第2條(2026-10-19 查證):平均工資:指計算事由發生之當日前六個月內所得工資總額除以該期間之總日數所得之金額。
- 全國法規資料庫「勞動基準法施行細則」第2條(2026-10-19 查證):依本法第二條第四款計算平均工資時,下列各款期日或期間均不計入。