台湾への酒類の輸入と販売|輸入は菸酒進口業者の許可が必要で組織は公司に限る、酒の定義はアルコール0.5%超、許可なしの輸入は3年以下の有期懲役
輸入は進口業者の許可が必要で組織は公司に限る。許可なしの輸入は3年以下の有期懲役。

日本酒やウイスキー、梅酒などを台湾に輸出したい日本の酒類メーカーや商社は、台湾の菸酒管理法が定める業者の許可と、表示や販売の規制を確認する必要があります。台湾では、酒を輸入する業者も、販売する業者も、法律にもとづいて区分されています。この記事では、菸酒管理法の第4条から第6条、第16条、第17条、第30条、第32条、第33条、第35条、第37条、第45条、第50条、第51条にもとづいて、酒の定義、業者の種類、輸入業者の許可、ラベルの表示、販売と広告の規制、違反したときの罰則を整理します。税の計算(菸酒税)や、通関の手続きは、この記事では扱いません。
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酒の定義
第4条第1項は、酒を、アルコール成分が容量で0.5%を超える飲料、およびその製造に使える変性していないアルコール、その他の製品と定めています。ただし、衛生主管機関が医薬品と認めた酒類の製剤は、酒として管理されません。
アルコール成分とは、摂氏20度で、元の容量に含まれるエタノールの容量百分率です(同条第2項)。
業者の種類
第5条は、菸酒業者を、次の3種類に分けています。
- 菸酒製造業者:菸酒の産製を営む業者。
- 菸酒進口業者:菸酒の輸入を営む業者。
- 菸酒販賣業者:菸酒の卸売または小売を営む業者。
日本から酒を輸入して台湾で売る場合は、輸入を営む進口業者と、卸売や小売を営む販売業者の両方が、関係することがあります。
輸入業者の許可
第16条第1項は、菸酒進口業者の組織は、公司(会社)に限ると定めています。申請するときは、まず、中央主管機関(財政部)に設立許可を申請し、許可を受けた日から2年以内に、公司の登記を示す書類を添えて、許可執照(営業許可証)の発給を申請します。許可執照を受けてから、営業できます(同条第2項)。
2年の期限内に許可執照を申請しなかった場合は、設立許可は失効します。正当な理由があれば、期限が満了する前に、展延を申請でき、1回の展延は1年以内で、2回までです(同条第5項)。
第17条は、申請人や負責人が、未成年者、後見や補助の宣告を受けた人、破産者である場合などに、許可を認めないと定めています。
許可なしで輸入すると
第6条は、許可執照を取らずに輸入した酒を、私酒と呼んでいます。許可執照を持つ業者でも、税関に申告しなかった酒、または、隠した(匿報)・少なく申告した(短報)数量が、公告された一定の数量に達する酒は、私酒に当たります(第6条第1項第4号、第2項)。
第45条第2項は、私酒を輸入した者は、3年以下の有期懲役に処し、20万元以上1,000万元以下の罰金を併科できると定めています。入国する旅客が自分で持ち込む酒などは、この規定の対象から外れます(同条第3項)。
ラベルの表示
第32条第1項は、包装して売る酒のラベルに、次の事項を表示するよう定めています。
- ブランド名、製品の種類、アルコール成分。
- 輸入酒の場合は、原産地。
- 製造業者の名称と住所、輸入の場合は、輸入業者の名称と住所。
- 製造のロット番号、容量。
- アルコール成分が7%以下の酒、または容器がプラスチックか紙の酒は、有効期限または瓶詰めの日。
- 「飲酒過量,有害健康」などの警語。
第33条は、表示に中国語を要求しています。ただし、輸出用の酒、輸入酒のブランド名と外国の製造業者の名称・住所などは、中国語の表示が不要です。外国から輸入する酒を売る場合は、中国語の表示を加えます(同条第2項)。
酒には、第1項が求める事項を除き、医療保健に関する言葉を表示してはならず、輸入酒は、第1項が求める事項(輸入業者の名称・住所、中国語表示など)を除き、原ラベルにない事項を別に表示することもできません(第32条第2項)。
販売と広告の規制
酒の販売や譲渡は、自動販売機、郵購、電子購物(インターネット)、またはその他の購入者の年齢を識別できない方法で行ってはなりません(第30条第1項)。条文は、電子購物を名指しで挙げています。
酒を小売する場所では、出入口などに「飲酒勿開車」「未満18歳の飲酒禁止」「18歳未満に酒を販売しない」の警示を、明らかに掲示します(第35条)。
酒の広告や販促には、「禁止酒駕」と「飲酒過量,有害健康」などの警語を目立つように表示し、飲酒を勧めたり、医療保健の効果を暗示したりしてはなりません(第37条)。
違反したときの罰則
| 違反 | 罰則 | 根拠 |
|---|---|---|
| 許可なしの酒の輸入 | 3年以下の有期懲役。20万元以上1,000万元以下の罰金を併科できる | 第45条第2項 |
| 私酒の販売・運送など | 3万元以上50万元以下の罰鍰(査獲物の現値が50万元を超えるときは別の算定) | 第46条第1項 |
| ラベルの表示違反(輸入業者) | 初回の摘発で、表示が不実でも誤認を招くものでもない場合は、まず期限を定めた改正を命じられることがある。それ以外は3万元以上50万元以下の罰鍰と、回収・改正の通知(改正前は販売できない)。期限までに改正しないと按次処罰と、違規酒の没入 | 第50条第1項 |
| 酒の広告・販促の違反 | 3万元以上50万元以下の罰鍰と、期限を定めた改正の通知。期限までに改正しないと按次処罰。警語が不明顕で初回の場合は、まず期限を定めた改正を命じられることがある | 第51条第1項、第3項 |
手順
- 輸出する飲料が、アルコール成分0.5%を超える酒に当たるかを確認する。
- 台湾側の輸入者が、菸酒進口業者の設立許可と許可執照を持っているか、または申請する。
- 輸入者は公司の形で組織されているかを確認する。
- 中国語のラベルを作る。ブランド名、種類、アルコール成分、原産地、輸入業者の名称・住所、容量、警語などを載せる。
- 販売のとき、年齢を確認できない方法を避け、警示を掲示する。
- 広告には、警語を載せ、医療保健の効果を暗示しない。
注意点
- 進口業者の組織は、公司に限られます。
- 輸入酒には、第32条第1項が求める事項(輸入業者の名称・住所、中国語表示など)を除き、原ラベルにない事項を別に表示することはできません。
- 税の計算、通関の手続き、販売の許可の細則は、この記事では扱いません。
よくある質問
酒の輸入に、許可は必要ですか。
菸酒進口業者の設立許可と許可執照が必要です(菸酒管理法第16条)。
ラベルは中国語が必要ですか。
中国語の表示が必要です。ブランド名など一部の事項は、中国語を省けます(第33条)。
ネットで酒を売れますか。
条文は、電子購物(インターネット販売)を、自動販売機・郵購と並べて名指しで禁じています(第30条第1項)。年齢を確認できる形のネット販売が可能かは、財政部の解釈で確認します。
許可なしで輸入したら。
3年以下の有期懲役の対象で、20万元以上1,000万元以下の罰金を併科できます(第45条第2項)。
出典
- 全國法規資料庫「菸酒管理法」第4・5・6・16・17條(2026-10-19 查證):菸酒進口業者之組織,以公司為限。
- 全國法規資料庫「菸酒管理法」第30・32・33・35・37・45・46・50・51條(2026-10-19 查證):輸入私菸、私酒者,處三年以下有期徒刑,得併科新臺幣二十萬元以上一千萬元以下罰金。